ブレーキワイヤも交換前提でアウターケーブルごと取っ払ったので徹底的にこだわり抜いて新規作成します。

 

 

 

 

 

こだわり一つ目はケーブルルーティングです。

 

 

赤がアウターケーブル、青がインナーケーブルです。ブレーキレバーを引くとインナーケーブルが引かれてブレーキキャリパーを作動させますが、その際インナーケーブルはアウターケーブル内壁へ強く押し付けられて摩擦が発生します。

 

ですのでアウターケーブルのルーティングは可能な限り短く、且つ曲線が緩いに越したことはありません。

 

短ければ接触面積が減りますし、曲線が緩いほど押し付けられる力が少なくなります。

 

 

そもそもKUOTAのアウターケーブルは一度も交換したことがありませんでした。ハンドルのポジションは主に下げる方に変更してきたのにケーブルはそのままです。

 

ビフォー

 

フロントブレーキのアウターケーブルは余ってたるんでKUOTAのロゴにかかってしまってます。キャリパーに入る手前でさらに逆に曲がってS字を書いてしまってます。

 

リヤも余りすぎ。

 

 

 

もうある程度のポジションは出ましたのでこれ以上変更することはないと思います。余裕を持っておく必要はないので、現在のポジションで必要最小まで切り詰めます。

 

長さの決定は外したアウターケーブルを切り詰めながら行いました。切っては実際に配線して、ハンドルを左右に切って干渉や突っ張ったりしないか確認しました。

 

左右にせいぜい45°ずつ切れればいいくらいの最低限で。ステムを伸ばすのも厳しいかも。

 

アフター

 

めっちゃ時間かかった…。

 

リヤブレーキケーブルにネジネジされているのがDi2配線になります。ちょっと完成系バレしてますがフロントおよびリヤディレイラー行きのぶっといシフトケーブルがなくなったのでビフォーに比べてかなりスッキリしたかと。

 

 

 

 

 

 

 

こだわり二つ目はアウターケーブル端部の処理です。

 

コレ、クルマだと油圧なのでワイヤーってあまり触る機会ないんですが(駐車ブレーキはワイヤー多いですけどコントロール性とか必要ありませんしね)、よくよく構造を考えていたら重要性に気がつきました。

 

 

ブレーキをかけるためインナーワイヤーを引いてキャリパーを作動させますが、この時アウターケーブルは突っ張ることになります。

 

もしアウターケーブルが伸縮するジャバラだったりしたらインナーワイヤーを引く力はジャバラの収縮に逃げてしまい思うようにキャリパーを引けません。

 

 

アウターケーブルはジャバラのように伸縮したりしませんが、末端がガタガタで隙間があったり強度が低くてたわんだりしたらその分だけキャリパーを引く力は逃げてしまいます。

 

ブレーキレバーを引いているのにキャリパー以外へ力が逃げているようであればそれは効きの悪さであったりブレーキコントロールの曖昧さにつながります。

 

末端は綺麗に平滑で、STIやキャリパーのアウターケーブルスリーブ内にどっしりがっしりびくともしないよう面接触すべきと考えます。

 

 

 

 

 

 

ペンチでバツッと切っただけだとこんなです。

 

 

 

被覆を剥きます。

 

 

 

螺旋状の金属のライナーが入っているので螺旋の隙間に刃を入れてクルクルと2〜3周させます。これで金属ライナーの内側にある樹脂ライナーが切れます。

 

 

 

樹脂ライナーが螺旋状に切れてるのわかります?

 

あとは金属ライナーを横にカット。それだけだと上のように金属ライナーが変形するので、

 

 

 

ニッパーの刃先だけ入れて縦にカット。切断クズでなんとなくわかります?

 

 

 

水平になるようにグラインダーで研磨します。熱を入れすぎると樹脂ライナーが溶けて窄んでインナーケーブルの通りが悪くなってしまうので注意、その場合はデザインナイフの刃先を突っ込んで先端だけ切り落としました。

 

 

 

ピシャッと水平に!よく見ると樹脂ライナーの内側に削りカスが残ってますが、勿論このあと反対側からエアブローして飛ばしてます。

 

一本作るのに小一時間w これも時間かかりました。

 

 

 

 

ちなみに新品の末端。つまりシマノの切断面。グラインダーでのカットでしょうね、樹脂ライナーが溶けて窄んでますね。これだとインナーケーブルが引っかかってしまいます。もちろんこのまま使うことを想定したものでもないんでしょうけど。

 

 

 

 

 

アウターケーブルとインナーケーブルはSTIレバーに同梱されたものを使いました。アルテグラSTIレバーの箱に入ってたんで相当のグレードのケーブルなんでしょうけどインナーケーブルが硬いというか表面のざらつきが気になるというか…。なんとなくブレーキの引き心地にも違和感を感じて2、3ライドで日泉ケーブルに変えてしまいました。

 

うん、超しなやか、やっぱインナーはコレですw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、めっちゃ時間をかけたこだわりのブレーキケーブルの効果はと言うと。

 

 

 

少しだけカチッとしたブレーキフィーリングになったように思います。正直あんまりわかりませんw

 

 

 

 

 

 

それではDi2化を始めます。(やっとw)

 

 

まだこの時点でエレクトリックワイヤは準備して居ません。

 

 

 

少し前のフレームだとDi2に対応しているモノと対応していないモノに分かれます。また対応しているフレームもエレクトリックワイヤを内装できるものとそうで無いもの。バッテリが外付けのモノと内装できるモノに分かれます。

 

KUOTA KIRALはDi2に対応していてエレクトリックワイヤは内装できてバッテリは外付けのフレームです。

 

 

 

でもバッテリも内装します。せっかく取り回しに左右されないDi2にするので可能な限り配線も見えない様にします。少々古くなってしまったフレームにもうちょい頑張ってもらうための高額投資リフレッシュ!近代フレームに負けないくらいスッキリ内装化を試みます、腕の見せ所です!

 

 

 

 

 

 

バッテリーを内装できるか試します。通常シートポスト内なんですかね?シートクランプからの水の侵入を考慮してでしょうか?クルマもですが重量物が高い位置にあるのは気に食わないのでシートチューブに収めたいと思います。マスの集中化。

 

隙間テープ、要は両面テープ付きスポンジですがバッテリーがフレーム内で暴れないように隙間埋めです。

 

 

 

シートチューブから簡単に引っ張り出せるように取手になるワイヤーを作成します。取り外した廃シフトワイヤを再利用。日泉のSP31スペシャルステンレスインナーケーブルです。

 

 

 

シフトワイヤを20cmほど切り出し、両端をクランプカンでアイ加工します。

 

 

 

日泉ケーブル SP31スペシャルステンレス製の無駄にしなやかな取り出しワイヤーができましたw

 

 

背景に隠れてワイヤーが見えにくいですが…。

 

このような感じでシートチューブに収めます。チューブ内のボトルケージのボルトの出っ張りに引っかかってそれ以上落ちません。スポンジもいい具合に突っ張ってくれてバッテリーが暴れることもなく、バッテリー搭載位置はここに決定しました。

 

 

 

 

STIレバーとフロント・リヤのディレイラーを仮付け。ジャンクションBはダウンチューブのKUOTAロゴのKの下辺りを予定して実測で必要なエレクトリックワイヤ長を決定します。

 

バッテリーやジャンクションBはフレーム内では結線できないのでちゃんと引っ張り出せる程度の長さの余裕は残しつつ必要最低限で重量増しにならない長さを狙いました。

 

 

 

 

 

ハンドル廻りを配線します。

 

 

 

ってリンちゃんのお母さんが言ってました。

 

 

 

だいたいオッケー

 

 

 

ハンドル内配線は上記の様に通してます。

 

可能な限りスッキリ見せたいのでワイヤレスユニットEW-WU111もハンドルバー内に収めました。ちょうどセンターの膨らんでる辺りにジャストフィット!スマホとのE-TUBE接続は今のとこ何ら問題ありません。

 

その後の青色のエレクトリックワイヤはジャンクションB行きのそこそこロングコードになります。

 

ジャンクションA EW-RS910行きのエレクトリックワイヤがどうしてもバーエンドの角の辺りを通れず、やむなく新規に穴あけを行いました。

 

 

 

自分でやっといてなんですが穴あけはおすすめしません、強度がガタ落ちになります。後々に穴を開けた箇所からクラックが走ったり、最悪いきなり折れることも考えられます。私はハンドルを捨てる覚悟でやりましたw

 

 

 

 

 

そしてDi2化するにあたり必ずやりたかったのがサテライトスイッチの増設です。機械式では絶対にできないDi2ならではの拡張機能です。

 

しかし11速Di2のサテライトスイッチはなんかデカイ。

 

 

スッキリ取り付けたいのでスプリンタースイッチくらいシンプルなスイッチでいいんですけど。

 

と、言うことでスプリンタースイッチを流用します。

 

 

 

ちょっと注意ですがスプリンタースイッチSW-R610はリムブレーキ用のSTIレバーにしか接続できません。「Di2化①」で紹介したE-TUBE互換表にも記載されてます。SW-R610は接続ポートがDi2ポートとは異なります、そのオリジナルポートがリムブレーキ用のSTIレバーにしか用意されていません。

 

も少し言うとSW-R610はただのオンオフスイッチです(サテライトスイッチSW-R9150はCAN)。STIレバーがSW-R610からのオンオフ信号をCAN信号に変換しているようです。なのでSW-R610ポートに接続できるなら替わりに適当なタクタイルスイッチを繋いでも動作します(実際やってる人がいるようです)。

 

 

 

SW-R610は配線長が10cmちょいしかないためサテライトスイッチとして流用する場合延長する必要が出てきます。

 

 

新品(ヤフオクで落とした未使用品ですが)をいきなり配線ブッた斬るのは気が引けます…。

 

 

 

クルマからむしった不要なワイヤハーネスの束の中から使えそうな配線を探します。

 

 

 

一番細い配線を探しましたがそれでも太い(というかスプリンタースイッチの配線が細過ぎ!)。まあ今の国産車のメーカー純正配線は信用十分なのでこれを使います。ちなみに被覆の中も極細銀線と太めの銅線と全く違いました。まあ半田付けしにくいだけで問題はなかったです。

 

 

 

ハンダの箇所は熱収縮チューブで処理しますが、どうしてもぶっとくなるので赤線と白線の切断位置をずらしてぶっとくなる位置がバラけるようにひと工夫。

 

 

 

右側のサテライトスイッチの延長処理を終えていますが、配線処理のためスイッチ直後のハンドルに穴を開けています。配線が通る最低限のサイズで(2mmだったかな?)。

 

配線を通してから半田付けを行ってます。カプラーは穴を通りませんのでもう切断しないとハンドルからサテライトスイッチを外せませんw

 

配線穴を目立たせたくなかったのと流石にハンドル根元で一番力がかかる部分なので必要最小の穴にしています。

 

とはいえ、自分でやっといてなんですが穴あけは(ry

 

 

 

 

 

イメージしづらいと思いますので完成図です。

 

 

 

サテライトスイッチ付きハンドルであるかのようにスッキリ収まっているのでは?会心の出来ですw

 

 

 

 

 

 

面倒な加工系か終わったのでサクサク配線。

 

 

 

ジャンクションA 取付け説明書とかありませんでした。たぶんこれでいいはず。

 

 

 

これでハンドル廻り終了。

 

次回へ続きます。

Di2化シリーズですがついでネタ。ヘッドパーツを整備しておこうと思います。今回もDi2は出てきません。

 

 

 

 

 

ケーブルがないのでハンドルを宙ぶらりんしなくていいですし、あっさりフォークが抜けます。

 

 

ミノウラのレールスタンド。アタッチメントでリヤのアクスルでもきれいに固定できます。便利。

 

 

 

ヘッドのベアリングもBB抜きツールで抜けました。こいつもホント便利w

 

 

 

規格モノなので購入はできそうだったんですが高い…。ベアリングが2000円とか4000円て…。

 

外観には腐食が出ていますがガタはありません。今回は再利用したいと思います。回転性能が必要な箇所では無いですし。しかし雨や洗車の水分やさらに過酷な汗(=塩水)に晒される箇所なのでグリスは入れ替えておきたいと思います。

 

 

 

シールドベアリングなので針を使ってシールを外します。

 

 

 

 

 

(ここからグリスで手がベッタベタなので写真無しw)

 

 

 

シールを外したらエアーでざっくりグリスを飛ばします。残ったグリスはシンナーに漬け込んで溶かして除去。その後パーツクリーナーとエアブローで完全除去。

 

チキソグリースを片側から指で押し込むように入れて行って反対側からはみ出してきたら終了。

 

 

シールを元に戻して完了。簡単にはまります。

 

 

 

ハブなど回転箇所のベアリングだとチャネリングを行って余分なグリスを飛ばした方が回転が軽いです。

 

ベアリングの内部では鋼球が回転しながら移動するのでみっちりグリスを充填すると鋼球がグリスを押しのけながら移動することになるため回転が重くなります。

 

ただヘッドパーツのベアリングはハンドルの切れ角せいぜい左右に90°動けばよいだけですし軽く回る必要もありません。それよりもフォークからの突き上げに対する耐衝撃性とか水や汗への耐水性を狙ってギッチギチにグリスを詰め込みシールで封印しましたw

 

まあ今後グリスが溢れてフォークに垂れてきたりしたらこの整備の方法は失敗です。要経過観察、ちょっと実験です。

 

 

 

 

下ベアリングも同様にグリスを完全入れ替え。

 

フロントフォークを取り付けますが、ベアリングのグリスを信頼できるものへ変えたのでこれまでより与圧を高めにかけて剛性アップを狙いました。

 

 

 

さて、次回からやっとDi2化作業ですw