今日、ご紹介する映画は、知る人ぞ、知るトラウマ映画「変態村」です。
こんな映画を紹介するなんて冒険ではありますが…
忠告
ここから先は繊細な方、常識的映画が好きな方、猟奇が苦手な方は読むべからず。
この洋画「変態村」は2004年第57回カンヌ国際映画祭批評家週間正式出品されています。2005年アムステルダム・ファンタスティック映画祭では、グランプリを受賞。
同年、ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭では、審査員最優秀賞、国際批評家賞、プレミア観客賞受賞しています。
洋画「変態村」はフランス・ベルギー・ルクセンブルクの共同製作。
洋画「変態村」は2004年5月18日公開。
日本では、2006年3月18日に封切られています。
上映時間は94分。
監督はベルギーのファブリス・ドゥ・ヴェルツ。脚本にも携わっています。
インパクトのある邦題ですが、洋画「変態村」の名づけ親は叶井俊太郎。
(鬼才河崎実監督映画「いかレスラー」や「ヅラ刑事」や「日本以外全部沈没」など企画、プロデュースを行っている)
叶井俊太郎はアノ洋画配給会社アルバトロスの元バイヤーでもあります。
(アルバトロスと言えば、映画ファンならお馴染みですよね。大手配給会社が見向きもしないエログロ変態映画から恋愛映画まで(いわゆるB級C級映画)幅広いジャンルの映画を買い付けています。レンタル店で借りて視聴して撃沈。時間を無駄にした人が多数いるはず。
しかし、この叶井俊太郎は映画「アメリ」(2001年)を買いつけたヒト。この映画「アメリ」は興行収入16億円を生み出す)
さて、
このチープで安易、それでいて衝撃的な邦題ですが、残念ながら見終われば、「変態村」というタイトルがしっくりきます。
原題の Calvaire はラテン語で“ゴルゴタの丘”の意味。
(宣伝ポスターは十字架に磔にされた姿がプリントされています)
どんな映画か興味が沸くでしょ?
まあ、一言で表現すると、
”ある売れない歌手の男性が迷い込んだ狂気の村が、彼の存在によってさらに狂っていくさまを描くスリラー映画”
では、この洋画「変態村」のあらすじを最初から最後まで今回は要所要所に感想を入れる感じで紹介するだ。
(村人ぽく言ってすいません)
洋画「変態村」あらすじ
クリスマス近くの季節。
ライブを終えたしがない歌手マルクは、車で次の訪問先へ向かうが途中道に迷い、愛車が故障する。
(ホラー映画やサスペンス映画によくある出だし)
雨の中、寂しい夜の森に立ち往生してしまうマルク。
マルクは飼い犬を探すボリスに出会い、村はずれのペンションを紹介される。
オーナーのバルテルは元コメディアンで同じ芸人であるマルクに好意を示し、車の修理も請け負う。
バルテルはマルクに「決して他の村人に姿を見せるな」と忠告をする。
(観客の興味を惹く常套手段)
翌朝、散策に出かけたマルクは、古びた納屋で家畜とまぐわう村人たちを目撃。
(もう、このへんでトラウマ映画)
驚いたマルクは一刻も早くこの地を去ろうとするが、車の故障を理由にバルテルが引きとめる。
その夜のこと、バルテルは自分を捨てて、男と蒸発してしまった妻グロリアのことを語る。
バルテルはマルクに歌を強要する。
あくる朝、マルクは車が荒らされて、いくつかの所持品がなくなっていることに気づく。
バルテルを疑うマルク。しかし、バルテルはマルクに異様な執着を見せはじめる。
(不気味)
バルテルはマルクを拘束し、女装させてレイプし、”不貞”を責めて折檻する。
(わけがわからない。トラウマになる)
バルテルがクリスマスツリーを採りに行った隙に逃げ出したマルクは、熊用の罠にかかってしまう。
飼い犬を探し続けるボリスに助けを乞うが、ボリスは話を聞かずマルクを犬として扱うと、バルテルに引き渡す。
(狂気以外のなにものでもない)
バルテルはマルクを納屋に磔にすると、村の酒場へ現れて”村の男全員と姦通した彼の妻が戻ってきた”と豪語する。
(どういう自慢?)
村人はめったに村へ来ないはずのバルテルに驚くが、村人達はバルテルが去ると奇怪なポルカを踊り出す。
(もう、ついていけない)
クリスマスの夜、椅子に縛りつけたマルクとディナーを楽しもうとするバルテル。そこへ子牛を愛犬として連れたボリスが現れる。
(ボリスは、どんな犬を飼っていたんだろう)
そこへ、村人達が銃を持って「バルテルの妻を、正当な権利を持つ自分達のものにするため」襲撃してくる。
(どう見てもマルクは男だけど)
ボリスもバルテルも銃で撃たれる。
村人たちはマルクを輪姦する。
(だから、バルテルの妻じゃないから)
混乱に乗じて、マルクはどうにかペンションを脱出し、追ってくる村人から森の中を逃げ続ける。
最後まで追いすがっていた村人が足を踏み外し、底なし沼に飲まれてゆく。
沈みながら村人はマルクに愛を問いかける。
マルクは”愛している”と答える…。
(どうして?)
映画「変態村」のトラウマ
冒頭、マルクが女装して歌う場面はあれど、マルクは女性ではありません。
女性にも見えません。
(マルクが頭を剃られるシーンもあるのに、どこに性的魅力を見出しているんだ?)
マルクは愛に答えるラストも尋常ではありません。
ここまで、理不尽だとわけのわからないトラウマに苛まれること必死。
見てもいいし、見なくてもよし。
こんな映画もある。