(りゅうひそむ いけしずまりし ゆきのあさ)
神泉苑は東寺真言宗の寺院です。
寺院でありながら正面入り口が鳥居です。
寺なのに「苑」がつくのも珍しいですね。
「院」「寺」「庵」「堂」「坊」「殿」「閣」「軒」‥‥
真珠庵・釈迦堂・教林坊・法住寺殿・大悲閣・瑞雲軒‥‥
いずれも文化10年(1813年)の改築です。
伝承では源義経と静御前が出会った場と言われています。
「善女龍王」の扁額の文字が龍に似せて書かれています。
八幡さんの鳩のようですネ。
西寺の守敏と東寺の空海が祈雨の法を競い、
天竺から善女竜王を勧請した空海が、雨を降らし完勝しました。
以後、東寺の管轄下の祈雨の道場として続きました。
令和6年の恵方は、寅卯(東北東)ですので、
社の向きは東北東を向いてお詣りできるようになっています。
善女竜王は娑伽羅龍王(しゃがらりゅうおう)の第三女で、
南海の娑伽羅竜宮城に住み、牛頭天王の妃になる
頗梨采女(はりさいじょ)とみなされています。
牛頭天王 = 素戔嗚命
頗梨采女 = 櫛稲田姫 = 歳徳神 = 清瀧権現(醍醐寺)
という説もある事から、恵方社があるのでしょうネ。
池畔の増運弁財天と、本堂の方には宇賀弁財天が祀られています。
鯰は弁財天の神使いです。
ナマズさん、おとなしくしててネ!
矢剱稲荷社(やつるぎいなりしゃ)は、矢と剣で
参詣する人を守ります。
「名月や 神泉苑の 魚おとる」 蕪村 (おとるは躍る)
(雨のいのりのむかしをおもいて)
弘化4年(1847年)、東寺の大元帥堂を移築してきました。
本尊は、聖観音菩薩です。
天龍寺や南禅寺の寺紋に雨龍が使われていますが、
神泉苑も雨龍紋です。
龍の階級の最下位に位置します。
龍・蛟(みずち)・應(おう): 蜃(しん)・蚪(と)・璃:蟠(ばん)
璃龍は角と翼が無いのが特徴です。
500年経てば角を持ち、5千年で翼を得ます。
璃龍が天空を泳ぐのは5000年後なんですネ。