(ゆきばえの あたごのそらに のこるつき)
雪の愛宕山を照らす太陽が、有明の月をくっきりと見せてくれていました。
白いマンションの右には、曼荼羅山の送り火、鳥居が見えます。
愛宕神社の鳥居をイメージしています。
古代人の考え方で、死者の霊魂を鳥が運ぶとし、鳥の止まり木が鳥居です。
愛宕神社は神仏分離令までは「白雲寺」が有り、勝軍地蔵が祀られていました。
お盆の先祖のみたまが、地蔵菩薩の元に還る、鳥居形は送り火にふさわしいですね。
愛宕神社の神使いは、和気清麻呂ゆかりの猪です。
ですが、鹿ヶ谷の大豊神社の摂社、愛宕社では鳶(とび)です。
室町時代の狂言の台本で、天狗の鳴き声をピーヒョロヒョロとしています。
そう、天狗の正体はトンビです。
愛宕山には全国の天狗を束ねる、太郎天狗がいます。
天狗は翼を持ち、あの鼻も鋭いクチバシが発達、誇張されて来たものと思われます。
そして愛宕神社は火の神を祀り、火消し役を「鳶」と言い、火消し棒を「鳶口」言います。
私だけでしょうが、嵯峨から愛宕山を見るとクチバシと頭と羽のように見てしまいます。
そして2〜3羽のトンビがいつも空中を舞っています。
鳶と愛宕山は切っても切れない関係だと思います。