今日は、今年度下半期に開催される労働衛生管理研修会。
私が選択した講義の一日目となります。
テーマは「脳科学に基づいた周りに振り回されない自分軸の作り方」というタイトルです。
キャリア相談の内容でも考え深いテーマにもなりますよね。
夕刻には急いで事務所に戻り、
今夜オンライン開催されるJCC主催「1級キャリアコンサルティング技能士による事例指導講座」の担当講師を務めます。
この講座では、本日からオリジナル論述事例問題を活用して、
受講者の皆様とご一緒に各問について考えを深めてまいります。
今夜は前編ということで、1級論述の問1から問3までの設問について具体的に検討を重ねてまいります。
受講いただける方、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回の記事では、1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験問題の問4について考えてまいります。
ここで扱う事例問題はCVCLABのオリジナル事例です。
前回までもご案内していますが、念の為、下記の通り再度ご案内いたします。
https://ameblo.jp/cvclab/entry-12935541976.html
問4 事例相談者Bの相談者Aへの対応について「問題」だと思うことは何か。事例に基づいて記述せよ。
この問4の設問を検討するにあたって、まず意識したいのは、
事例相談者Bの対応における「問題点」を事例に基づいて具体的に記述するという設問の意図に忠実であることです。
事例指導者(受検者)は、
Bの未熟さを単に指摘するのではなく、Bの成長につながる視点を持ちながらも、
解答文としては「問題点の指摘」に焦点を絞る必要がありますよね。
例えば、事例を読み込む中で、Bの対応には共感的な姿勢が見られ、
Aの語りに耳を傾けようとする意図は感じられるところがあります。
一方、Aが語った
「若手社員との価値観の違い」
「会社の将来への不安」
「自身の働き方への疑問」
といった深層的なテーマに対し、Bがその語りを深める問いかけや、
その意味づけの支援を行っていないことが、
対応の「問題」として浮かび上がってきます。
特に注目できるのは、
Bが「建設業界に限った話ではない」と助言した場面ですよね。
この言葉は社会的な共通課題としてAの悩みを位置づけようとする意図があったと考えられます。
立場を変えて、Aが自社や業界に対して強い責任感や誠実さを持っていることを踏まえると、
一般化されたような助言は「わかってもらえなかった」という感覚を生み、
孤独感を強めた可能性もあります。
事例の「俯きながら自信のない表情を浮かべた」という描写は、
その助言がAの心情に響かなかったことを示していると読み取れます。
また、Aが「自身の働き方にも疑問が生じている」と語った場面では、
Bが、転機としての意味づけや内省を促すような問いかけを行っていないことも感じられ、
支援の深まりを妨げた要因とも考えられます。
Aの語りは、単なる業務上の悩みではなく、
職業的アイデンティティの揺らぎや役割葛藤を含んでいる可能性があり、
そこに踏み込む支援があれば、Aにとって面談の価値がより高まったかもしれません。
こうした検討を踏まえて、最終的な解答では、
Bの対応の問題点を「A視点の問題の共有不足」「助言の一般化による心情への不一致」「内省を促す問いかけの欠如」という観点で整理してみたいと思います。
さらに、次回の約束した面談にAが現れず、連絡も途絶えたという事実を、
BのかかわりがAにとって継続的な対話の価値を感じられなかったことの結果として位置づけることもできます。
一方で、Bの成長支援という設問の背景を意識しすぎると、
解答が指導的コメントに傾きすぎてしまう可能性もあります。
例えば、「Bがこの経験を通じて〇〇の力を高めることが重要である」といった記述を加得ていることなどがありますが、
このような説明は問5以降で扱うべき内容かもしれません。
論述解答を構築する際には設問に忠実であること、
事例に基づいた具体的な根拠を示すこと、
そしてBの対応の問題点を支援の質の観点から整理することが重要であると感じます。
事例指導者としての視点を保ちつつ、
設問に求められた範囲にとどめることが、論述の精度を高める鍵になると考えています。
あくまで私の一つの表現例とはなりますが、
Aの語りの背景にある価値観や感情の文脈を十分に読み取らず、助言が表層的な一般論にとどまったことで、A視点の問題の共有不足が考えられる。例えば、Bは「建設業界に限った話ではない」と助言したことで、Aの課題を社会的な共通課題として認識を促したが、Aが自社や業界に対し強い責任感や誠実さを備えていることを踏まえると、この助言はAの孤独感やわかってもらえなさを強めた可能性がある。事例の「俯きながら自信のない表情を浮かべた」という描写は、Bの言葉がAの心情に響かなかったことを意味するかもしれない。
また、Aが「自身の働き方にも疑問が生じている」と語った場面において、Bが転機としての意味づけや内省を促すような問いかけを行なっていないことも、この支援の深まりを妨げた要因と考えられる。結果として、次回面談の約束はされたものの、Aが現れず、連絡も途絶えたという事実は、BのかかわりがAにとって継続的な対話の価値を感じられなかったことを示唆している。
といった感じにするかもしれませんし、
または、視点を一部変えて、以下のような表現もあるかと考えます。
Bが「具体的な解決策を見出すことができず」とこの面談を振り返っていることや、他業界でも同じ課題があるということに気づいてもらえるように助言している点などから、Aへの受容的関わりや励ましの目的が、Bが認識している問題解決のためのAへの助言や支援を狙ったものになるだろう。対し、Aの「確かにうちの会社だけではないかもしれません…」といった俯き加減の反応や、次の約束が守られなかった背景には、Bの配慮や共感的な受け止め自体がAに伝わっていないことが考えられる。Aが抱く、若者との関係性について、他業界や社会的な課題に結び付けているために、A自身を照らすことにはならず、Aが今その状況をどのように感じ、自分が求めている自己イメージがなんであるのかが明確化できていない。総じて、相談者視点の問題を明確化するステップ対応が不足していると考えられる。
といった感じです。
読者の皆様も色々と表現をしてみてほしいと思います。
次回は問5について考えてまいります。
