現在、CVCLAB主催の1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座
へご参加いただいた方には、自己評価シートをご提出いただいております。
※ご提出自体は任意としております。
この自己評価シートを作成いただく最大の意義は、
講座で体験したことや学びになったこと等、
ご自身の中に起こっている変化や揺さぶられた感覚を、
ご自身で思い出しながら文字にし、
自己省察する機会を意図的に創り出すことにあります。
※強制感や圧力、受動的に作成されても、あまり意味がないことや、
ご自身の大切な時間が削がれることや負担になるかもしれませんので、
やらされ的な感覚がある場合、作成については一旦保留される方がいいと考えます。
1級技能士という指導レベルを目指すプロセスにおいては、
知識の習得や正解探し等ではなく、
ご自身の思考の傾向や無意識の前提等に自ら気づき、
キャリア形成支援者、またその指導者としてのあり方そのものを、
必要に応じて柔軟に変容させていくことが求められます。
※決して、ご自身がただ自分らしく振る舞えればいいということではありません。
ご自身が感じたモヤモヤや気づきを文字に書き起こすことで、
客観的に自己への理解が深まるという効果がまずあるはずです。
そして、ご自身の文字・言葉に対し、
フィードバックという他者の視点が掛け合わさることで、
ご自身が辿り着けなかった新たな視座や視点、
より善い意味での揺さぶり等が生まれます。
もちろん、自己省察の方法は、
この自己評価シートへの記述だけではありません。
諸活動の中でふと立ち止まって考えてみる時間や、
ご自身との静かな対話も十分意義のある省察になると考えます。
ですから、自己評価シートは、
そうした振り返りのプロセスを少し後押しするための
ひとつのツールであるとして捉えていただければ幸いです。
ご自身の専門家としての独自のアイデンティティをより深く、
豊かに創造していくための対話の器として、
ご自身に合った形での振り返りや省察の時間を活用してほしいと願っています。
さて、この1級の受検に向けて学びを重ねていくこと、
そして、指導者として成長していくということは、
上記の通り、自己評価を適切にできるようになっていくことにも通じます。
これまで1級合格を目指す多くの方と伴走してきている中で、
次のような自己への気づき(変容)が生まれる瞬間に幾度も立ち会うことができました。
例えば、
・ご自分の思考の癖に気づいた
・相手に対して評価的に関わる自分に気づいた
・相手の存在自体を置き去りにしていることに気づいた
・他者の意見(自分の方針と異なる意見)を受け止められるようになった
・自分の前提を一旦疑えるようになった
といったことです。
これらは、これまでもこれからも、
講座にご参加いただいている皆様の学習プロセスとも、
深く共鳴するものだと感じています。
これは技能検定試験の点数などでは測れないでしょう。
そしてこれは、
キャリアコンサルタントの諸活動や事例指導者やスーパーバイザーとして、
極めて重要な変容ともなるはずです。
そもそも成長とは、読者の皆様にとってどんなことを指すでしょうか。
できることが増えるということも成長のひとつかもしれません。
ただ、それ以上に自己を観察できること
(振り返ることができること)だということも言えます。
何かの正しそうな答えに近づくことではなく、
自己の認識の限界に気づき続けられること、
これこそが目指すところでもあると考えます。
自己評価の記述には、
振り返る、言語化する、内省する…
といった、ご自身の内面に働きかける
能動的なプロセスが描かれていることが多いです。
自己評価シートを通じて私が感じることなのですが、
自己観察を続けている人が成長するといった仮説から、
「自己評価シートから観るキャリア形成支援専門家の発達プロセス」
といったテーマで、いつか研究を深めてみたい…
という気持ちもあります。(実現できるか分かりませんが…汗)
※もちろん、こうした研究に実際に取り組むためには、
教育の目的と研究の目的が明確に分離され、
研究に参加をいただける方の理解と同意をいただけてなければできないことです。
事前のインフォームド・コンセントの重要さと徹底を図り、
研究計画を立てる際には、十分過ぎるほどの倫理的配慮が必須であると認識しています。
知識やスキルを足し算していくことよりも、
それらを扱う自身の器そのものを変容させること。
行動の渦中にいる自身を、
もう一人の自分が実況中継するように観察・省察できること。
自らが無意識に握りしめていた意味の枠組み(前提)を疑い、
それを一旦手放せるようになること。
答えの出ない事態や、
自分の理解を超えたものの前に、ただ留まり続けられること。
こうした成長の定義は、様々な学問で取り上げられておりますが、
その過程を持続的にリアルに追ったものがあまりなく、
今、ここでこうして考えてみることの重要性を感じています。