前回に続き、
第13回1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験問題を活用して、
事例相談者の相談者への対応について考えてみたいと思います。
なお、問3にあたる相談者を支援するために必要なネットワークについての考え方は、
10月3日にアップしている下記の記事で解説していますので、
今回は問4について考えてみたいと思います。
↓ 10月3日の記事です。
https://ameblo.jp/cvclab/entry-12869825004.html
今回の記事でも、下記のように事例問題の冒頭に記されている文章と問4を連ねてみます。
次の文章は、事例相談者Bが相談者Aとのキャリアコンサルティングについて事例指導をうけるためにまとめたものである。この事例を読み、以下の問いに答えなさい。
問4 事例相談者Bの相談者Aへの対応について「問題」だと思うことは何か。事例に基づいて記述せよ。
興味深いことに、このような問いを受けた際、
事例記録からキャリアコンサルタントの未熟なところについて、
面談フレーム(システマティックアプローチ)に沿って、
要点毎にスキャンしていくような行動(事例の読み方も行動傾向のひとつ)をとることがあります。
こうした場合、どうしても型通りのアウトプットになりやすいので、
試験として残念な評価になるかもしれません。
実技として事例をみていくには、
論述問題に対しても、事例相談者のキャリアコンサルタントとしての支援方針を踏まえ、
その関わりの効果があったからこそ、ここで改善点があるのだという指導者視点を磨いていきたいところです。
(ダメなところはダメなんだから、指導者として気づかせなきゃ!)
(相談者のために、事例相談者のこんなやり方は正さなきゃだめ!)
といったような上から目線で事例指導を行うのではなく、
サーバント的な姿勢(事例相談者を下から支え、成功できるように奉仕する姿勢)を持ちたいものです。
「問題だと思うことは何か」という問いに、
成功と失敗は表裏一体であるという視点を持つことができれば、
自然と、肯定的フィードバックと建設的フィードバックがセットになると思います。
7行の解答欄に対して、問題の現象ばかりを書き並べてしまっては勿体無い。
実技として、事例指導者の思考行動特性評価もあると考えてほしいと思います。
勿論、問題として一つしかないというわけではなく、
いくつかの視点から表現するにしても、単なる紋切り型の表現にならないよう、
どこか、なんとなく人間くささのような立体感があるといいなと…。
そして指導者のこころはあたたかい方がいいと感じることが本当に多いです。
次回は問5について記事を書いてみます。