1級キャリアコンサルティング技能検定試験の論述問題について、

(問3にある「必要なネットワーク」って誰のネットワークかな?)

と考えることがあるかもしれません。


(相談者Aのネットワークを考えるのかな?)

(相談者Aを支援するために…って誰が?)

などなど。


色々と考えていくうちにわからなくなることもあるかも。


そんな時は、下記のように事例問題にある冒頭文と問3をくっつけてレイアウトしてみるとピンとくるかもしれません。


次の文章は、事例相談者Bが相談者Aとのキャリアコンサルティングについて事例指導をうけるためにまとめたものである。この事例を読み、以下の問いに答えなさい。


問3 相談者Aを支援するために必要なネットワークは何か。相談者Aの置かれた環境への働きかけについて関係機関や関係者との連携も考慮し、記述せよ。


いかがでしょうか。


問1〜問5までの全てが、

「事例相談者Bが事例指導を受けるため」

に設定されていることがわかりやすくなると思います。

つまり、事例相談者Bへの事例指導を実施していくうえでの大切な実践的ステップが問1〜問5に盛り込まれていて、

それを受検者(事例指導者)が実技として適切に考えられるかを問われているのだと思います。


この問3では、受検者が単にキャリアコンサルタントとしてのネットワークを考えるというより、

相談者Aを支援することを課題として、

事例相談者への事例指導プランの中で、

事例指導者としてのコーディネート能力を問われているのだと考えます。


自分がプレイヤーとして相談者Aを支援するわけではなく、

この事例を通し、事例相談者Bのキャリア形成支援能力を向上させていくため、コーディネートしていくことが大切なのだと思うのです。


そして「ネットワーク」と「環境」という言葉自体の意味がごちゃごちゃになっていることがある場合、

私たちキャリアコンサルタントの中で標準化されたバイブルテキストとして広く認識されている

「キャリアコンサルティング理論と実際」

を読み直していくことも、ひとつの理解を改めて深める機会を得られるきっかけになるかもしれません。


指導レベルキャリアコンサルタントが事例相談者の成長を目的にコーディネートしていくことは非常に重要なことです。

問3にはそうした視点が必要になるのだと考えています。