Cup Soup -4ページ目

Cup Soup

いちにちの中で、いちばん考えたこと。

交換日記に限りなく近いなにかです。



誕生日にずーと見てきた。
思えば欠かさず見てるティム・バートンとジョニー・ディップのタッグ。

ホーンテッドマンションみたいな屋敷の不気味さと
70年代アメリカのポップでカラフルな世界観の融合。
『シザー・ハンズ』リバイバルといった感じ。

主人公のバーナバス・コリンズのヤリチンぷりが見ていて笑える。
嫉妬に狂った魔女にバンパイアにされ、200年棺の中に閉じ込められても、
肉体の誘惑には逆らえない。
好きな人がいるにも関わらず、魔女を抱いてしまう。
このセックスシーンはもはやアクションだった…!
古風な身のこなしに反して、極めて人間臭い。そこが好き。

「魔女がバーナバスに呪いをかけていたのは、
憎んでいたからじゃなく、愛していたからよ」

愛憎は紙一重なんだなぁと思ったセリフ。

この映画は音楽がいいっていう感想をたくさん見る。
カーペンターズを知らない人とかいるんだなぁ。
たしかに70年代アメリカのポップソングをたくさん聴けて面白かった。

リバプールからアメリカに渡ったバーナバス。
アメリカでロックを聴く、その子孫たち。
あれれ、もしかして。
イギリスのあのバンドの曲は劇中で一切流れないのだけど、
実はそうしたアメリカ音楽史の流れが隠されていたりしないですかね?


『KOTOKO』(2012)
監督:塚本晋也

最近はでっちさんと映画部を立ち上げる勢いである。
coccoがお好きだとうかがったので、また一緒にシネ・ウィンドへ。

私はcoccoを全然知らなかったので、少しだけ予習した。
凛としたよく通る歌声。しかし身体はか細く儚い。
あんな薄いお腹から声が出ているなんて信じられないや。

映画は心を病んだシングルマザー琴子のお話。
彼女には人間が二人に見えてしまう。
しかも、その二人のうちの片方が襲い掛かってくるという幻想をみる。
世界が一つに見えるのは、歌っている時だけ。

幼い息子・大次郎を守ろうとするあまり、異常な行動をとってしまう琴子。
ついに幼児虐待の疑いをかけられ、大次郎と引き話されてしまう。

そんな琴子の前に、田中と名乗る男が現れた。
バスで彼女の歌声に魅了されたという彼は、突如彼女に結婚を申し込む。

さてここから感想。

リストカットのシーンがとにかく多くかかった。
グチュグチュと血の滴る音を聴いて吐きそうになった。
言い寄る男の手の甲に、フォークを突き立てるシーンもグロかった。
思えばR-12指定だった。くっそー。
途中で席を立つ人もちらほら。
どのシーンも生傷が絶えない。

琴子の歌声が聴けるシーンが、上手く中和していた。
汚物を流す水みたいに。
チープな間接照明を灯したアパートでのリサイタル。見入ってしまったな。

音楽・美術はcoccoだという。
琴子と大次郎が暮らしたアパートのインテリア。
煩雑で、カラフルで、折り鶴がたくさん飾られていた。
キャスキッドソンみたいな柄のクッションに身をゆだねて本をむさぼり読む彼女の姿は、
まるで少女。

でっちさん、私の部屋、あんなんじゃないからね!

この映画については「母親の愛を思い知った」という感想が多い。
それについてはあんまり共感できなかったな。

それよりも、いずれ母親になることへの怖さが増してしまった。
きっと多くの女性が胸をよぎるはず。

琴子は言う。
「こんなにも細い私の腕を、この子は頼って…
 私が少しでも手を話したら、この子は落ちる」

そうか、赤ん坊とはそういうものなのだ。
どんなに目の前の母親が未熟であろうと、彼女に依存しなくては生きていけないのだ。

ああ、それまでに少しでも立派な人間になっておかなくちゃ。


今年のテーマは『サクル・リュス(ロシアの祭典)』
二つほど、公演をハシゴする。

■クレール・デーゼル(Ph)
 スクリャービン:4つの前奏曲
 スクリャービン:練習曲 嬰ヘ短調 op.8-2
 スクリャービン:練習曲 変イ長調 op.8-8
 ムソルグスキー:展覧会の絵

■サンヤ・ビジャーク&リディヤ・ビジャーク(Ph)
 ストラヴィンスキー:春の祭典
 ストラヴィンスキー:ペトルーシュカより

クレール・デーゼルの間の取り方は私が聴きなれていたものとだいぶ違っていたけど、
女性とは思えないくらい力強い演奏だった。

春の祭典はいつか観よう観ようと思っていた『シャネル&ストラヴィンスキー』の予習がてら
聴いてみることにした。当日券が余っていたのだ。

いまようやくバレエ動画も初めて観たんだけど、1913年にパリであれをやってたのかと思うと、
そりゃスキャンダルにもなるわな。
「民俗」に目を向けた世界観は、当時の西欧の東方拡大志向の一環だったりするのかな、とも思う。
世紀末芸術だけじゃなく、1900年代も気になってきちゃう。
次の研究テーマはやっぱりアール・デコの時代だな。

この日はいろいろ動いた。

明子さんとハラショー広場でホテルオークラのビーフストロガノフをつつきました。
美味しかった。

あと、老舗のパン屋の富士屋でラスクを買い、
絵本アニメの読み聞かせをしていたクロエ先生にプレゼントしました。
ムッシュウもお子さんたちも、元気そうでよかった。

この日は上古町をぶらぶらしてたんだけど、なんだか古着屋の虜になってしまった。

生成りのプラウスを買ってしまった。
ベージュのロングスカートも。
どちらも仕事着にも着回せそう(だと、自分を正当化しておこう)。

ああ、あとはプロバンスの紺色のミニスカートが忘れられない。
南仏への憧憬。お仕事では履けないから、ボーナスもらったら買おう。

古町も含めて、音楽で盛り上がれるのはとても楽しい。
商店街のお店が提携して、公演の半券でサービスを受けられるのも楽しい。
どこで使おうかワクワクする。

NIWATORI CAFEではなんと半券提示でスパークリングワインのサービスがあったのだよ。
ああ、飲みたかった。
この店の看板を見ると『展覧会の絵』の卵の殻をつけた雛の踊りを思い出す。
そこもまた、今回に合ってたのに。
参照:http://niwatori.tv/

来年のラ・フォル・ジュルネも楽しみ。
そろそろフランス作曲家とか来てほしい。