体重を少しずつ減らそうと思います。 | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

といっても、痩身のはなしではありません。
結果的に痩せればよいかなと。
20世紀の末ごろからずっと肥満に悩まされていて、ランニングしても続かず、プールに通っても行ける時間帯は混雑していて満足に泳げず、2007年から行った旧東海道徒歩踏破の旅で、少しも体重が減らないどころか、逆に微増してしまったことにショックを受け、家にあったクロスバイクに乗っても、戻ってくるのが面倒で家からは遠出ができず、かといって車に積んで(大径ながら折りたたみ自転車でした)郊外に行って乗ると、その時は気持ちが良いのですが、帰りに車を運転していて眠くなるなど、やはり運動習慣にはなりませんでした。
自分なりに運動が習慣化しない原因を考えてみると、次のような点があがってきました。
・毎日繰り返すことができない
・同じ時間に、同じ量の運動をすることが、生活上難しい
・夏になると(気温のせいで)中断してしまう
ということで、どうも食事や睡眠などの生活習慣が不規則になっている以上、そこに運動という習慣をいれても、なかなか継続できないのでした。

私がブロンプトンを初めて購入したのは、2010年の5月でしたが、その年の夏は肥満だった自分はとても暑い中自転車に乗る気になれず、旧東海道の旅をやり直す以外の普段の時には、ずっとしまったままでした。
ご近所、といっても三浦ですから家からの散歩ではありませんが、日帰りで電車に乗ってポタリングするようになったのは、その年の9月の末ごろからです。
その冬辺りから毎日乗るようになりました。
走り方もかなり強迫的で、まるで50ccの原付バイクと同じように、市街地では自動車と同じようなペースで走っていました。
小径車で漕ぎ出しが軽いものだから、0㎞/h~40㎞/hの間であれば、がんばればついてゆけてしまうのです。

おかげで秋から冬を経て春が終わる頃には、20㎏ちかくも痩せました。
毎日運動することで、睡眠と食事の時間が固定化されて、生活習慣も規則的になってゆきました。
だからといって、依存症における嗜癖が消失したわけではないけれど、生活のサイクルを乱すようなことはなくなりました。
前の年の夏は太っていて暑苦しかったけれど、劇的に痩せたら暑さもそれほど辛いものではなくなりました。
痩せると自転車を漕ぐのも楽になり、スピードも出るようになり、走ったさえいれば暑い夏でも体感温度はかなり低く感じるようになりました。
考えてみれば、もう15年近くも肉襦袢をまとっていて、それが一度も脱げなかったから、鈍重であることが当たり前になってしまっていたのです。

以前の私を知っている人は、ブロンプトンに乗るようになっただけで何が起きたのかと訝しがりました。
たかが折りたたみ自転車、されど折りたたみ自転車です。
夏になって道路上が過酷な環境になると、ブロンプトンの良いところは、涼しいうちに走って、暑い時間帯になったらエアコンの効いた電車で寝て帰ってこれることだとつくづく思いました。
但し、善いことばかりではありませんでした。
かなり無理して速度をあげて走っていたために、落車したら怪我することが多かったのです。
とくに肘を何針か縫うけがをしたときには、さすがにやり過ぎだと思いました。
また、痩せたのをいいことに夕食を抜いたり、たまに断食したりしていましたが、これは私の内なる摂食障害にエネルギーを供給するようなものでした。
結局、20㎏痩せた身体は反動で10㎏太りました。
いわゆるリバウンドというやつです。
幸いだったのは、20㎏まるまる戻らなかったことです。
これで元の木阿弥になっていたら、今ブロンプトンに乗っていなかったと思います。

もう8年近く前に、私のことをデブだのブタだのと影に日なたに罵っていた人(いじめとおなじで本人は忘れたり否認したりしているようですが)とは離れられたので、そのストレスは無くなったものの、物寂しくてついつい食べてしまう日がちょくちょくあったので、そのリバウンド状態をキープした形になっていました。
それでも、これ以上太らないからまあいいかと考えてきたのです。
ここに来て、自分の身体を心から心配してくれる人があらわれて、その人のためにも、そしてかつてのような自暴自棄に陥らず、自分自身を大切に思うようになるためにも、今の体重のままでいてはだめだと思うようになりました。
いままで、神さまに現在の自分の体型のことなど、祈ったこともなかったのですが、「いまの体重があなたのあとを追うのにふさわしくないのなら、どうかもう少し軽くしてください」と呟くようになりました。
そして、今の自分の状態を正しく見極めようと思いました。

自分の身長から計算したら標準体重よりも12.64㎏プラスで、肥満度は1ながら肥満、低体重の判定に用いられるBMI(Body Mass Index)値は26.53。
日本肥満学会(なんて嫌なネーミングの学会でしょう)は、BMIが25以上を肥満としています。
何でも日本人はBMIが25を超えると、2型糖尿病や循環器疾患のリスクが高くなり、内臓脂肪が増えてゆくのだとか。
それなら見た目は痩せていたとしても、隠れ肥満が進行することになり、それでは見てくれが痩せているだけにもっと質が悪い肥満になります。
とりあえずは12㎏以上を痩せようと努力するよりも、BMI値が25を切るように、今よりも4.3㎏を痩せることを目標にするほうが現実的です。
まずはそこを目標にして、それが達成出来たら今度は標準体重を目指す、途中20㎏を一気に痩せたときのように、無茶な運動、無理な食事制限は一切しない、そういう見立てをたててみました。

これまで運動としてのブロンプトンによる通勤を細かく考えてきませんでしたが、ペダルを漕ぐときに足の指の付け根から母指球で踏むことを意識し、自転車のスピードではなく、クランクの回転数をできるだけ均等にするように努力するようになってから、すこしずつ乗車姿勢が前傾し、また早朝の車の少ない時間帯に走ることで、速度を一定に保ちやすくなりました。
その分、運動を意識するようになったので、これからは運動としてのブロンプトンによる通勤について、まずは30年以上続いている肥満度1以上からの脱却、ひいては標準体重に戻すことを目標に自己を観察してゆきたいと思います。