向かい風と早朝折り畳み自転車通勤(その1) | 旅はブロンプトンをつれて

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春になって強い風の吹く日が多くなりました。

一日の中でも早朝は、もっとも風速が穏やかな時間帯のはずなのですが、最近の気候変動による激甚化のせいなのか、今春は朝の4時5時から結構な強風が吹き荒れる日が多い気がします。

私の場合、家を出て5分ほど走った先に、丘の上に高圧線の鉄塔が立っている場所があり、真っ暗な中にもびゅうびゅうと音を立てているので、風の強さが分かりやすいのです。

これが新横浜駅近くの鶴見川河川敷や横浜港などは、風力発電のプロペラの回転具合で、風の強さが分かります。

自転車をメインに乗るようになってから、風のことはずいぶん気にするようになりました。

小中学生の頃も、自転車で遠出しようとするとき、冬から春にかけては風の強さと風向きをよく考えていました。

それがオートバイに乗るようになると、自転車ほど気にならなくなり、車の運転にスイッチしてからは、真冬の夜に北へ向かう高速道路を走る時を除き、風のことなどほとんど考えなくなりました。

だから今は、小中学生の頃に戻った気分です。

しかし、そのころとは一つ違う点があります。

それは、公共交通機関を併用する折り畳み自転車に乗っていることです。

追い風ならスイスイと、向かい風なら鉄道利用に切り替えてしまえという折り畳み自転車であれば、あらかじめ風上の方へ自転車を持って行き、そこから追い風を味方に走れば、楽しいサイクリングになります。

これは、川上や山の頂上付近へ動力の力を借りて自転車をあげて、そこから下り坂を楽しむのとまったくおなじことです。

なんのことはない。

ここでもゲレンデスキーと同じ原理を用いているのでした。

げんに、このブログの最初の方では、あらかじめ気象予報サイトで風向と風力を確かめ、そういう乗り方ができますよとご紹介しています。

関東であれば荒川や利根川など、大きな河川土手に設けられたサイクリングロードを走るのなら、風の力を味方につけた方がずっと楽しく楽ちんなサイクリングが楽しめます。

但し、地形と風では大きく違う点があります。

それは、一定か不定かの違いです。

坂道であれば、大規模な開発でも行って道路を付け替えたりしない限り、下り坂が上り坂になることはあり得ません。

ところが、風となると一日のうちでも、時間ごとでも、瞬間においても強さと向きはしょっちゅう変わり、一定ではありません。

とくに春や秋など、季節の変わり目においてそれは顕著です。

となると、それが穏やかな微風であればそれほど気にすることはないのですが、烈風が一日中吹き荒れるとなると、もはや今日は自転車で出るのをやめておこうという選択肢も出てくると思います。

但し、折り畳み自転車はそこも飛び越えることができます。

なぜなら、風が強くない地域、地方に行って乗るという選択肢があるからです。

普通の自転車なら、そんなにあちこち行くことはできませんから、直前の予報でどこそこは風は穏やかとアナウンスされても、急に自転車に乗る場所を変更できないのに、折り畳み自転車はその場の思い付きで新幹線や飛行機にも乗れてしまいますから、それが可能です。

もう12年も折り畳み自転車とお付き合いする中で、上り坂同様に、向かい風に対してもそれに逆らって走ることが楽しくなってきています。

となれば、毎日の通勤に向かい風を利用しない手はないと思うのです。

これはこれで、ダイエットや体力づくり、はては速く走るための負荷トレーニングにもなりえます。

前の通勤は南行きだったので、春のこの季節は朝の出勤時は北風に押され、帰りの帰宅時は南風に押されと、往復とも風は味方でした。

(関東地方は夏は南風、冬は北風が強く、春は朝には北風、夕方から夜には南風、そして秋には朝は南風、夕方は北風)

しかし、北行きになった現在、行きも帰りも風は向かい風で敵にまわってしまいます。

とくに、早朝の交通量が非常に少なく、遮るようなもののない、ビルに両側を囲われた幹線道路は、風の通り道と化しています。

だから、道が空いていてもなるべく路地裏を通るようにしているのですが、それでも向かい風はいかんともしがたいです。

ただ、ほかに歩行者や自転車、車の少ない朝だからこそ、じっくりと風と向き合うことができるともいえます。

そうやって「自分ではどうにもならない自然現象」と対峙していると、だんだんと対峙する対象から、それとともに走る仲間のように思えてくるから不思議です。

マラソンしている人に聞いてみたいのですが、自分の心がけ次第で、走っているうちに風が伴走者のように感じてくることがあるのでしょうか。

そこで、次にいくつか向かい風の中を楽しく早朝通勤するためのコツをあげてみたいと思います。