昨年購入した作業用革手袋の使用雑感 | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

昨年の11月、そろそろ寒くなってきたので、手袋を購入することになり、あいにくお金をかけるわけに行かなかったので、ホームセンターで作業用の革手袋(価格は1,000円程度)を購入しました。
https://ameblo.jp/cum-sancto-spritu/entry-12829785137.html
今日はその感想を書きたいと思います。
あらためて、この手袋についてしらべてみると、シモンという名の安全靴や官需靴、ワークグローブや労働安全衛生の保護具などをつくっている日本の会社製なのでした。(山羊革手袋GT-717)
https://www.simon.co.jp/products/tabid91.html?pdid=205
宣伝では「建設、土木、電工、機械、機械、運送、造園等、幅広い用途にご使用いただけます。しなやかで耐久性に優れた山羊革手袋。袖口マジック式でフィット感に優れています。」とあります。
実際に自転車で使ってみたところ、これがなかなか便利で良かったのです。

・経済性
山羊革は牛革に比べて安価で耐久性に優れているということで、今まで1万円~2万円もした手袋が千円程度ですから、お財布にはとても助かります。

・安全性
山羊革一枚で防寒用の裏地やスキーグローブのようなクッションは入っていないため、落車したときに手をついても、打ち所が悪かったら捻挫や骨折をしてしまうでしょうが、それは普通の革手袋でも同じだと思います。
それより、素手であればすりむくところを、この手袋をしていれば、擦過傷は免れるとおもいます。
また、白いので夜間に車などから目立ちます。
とくにハンドル部分の白色は正面から対向してくる車に対して、存在をアピールすることになると思います。

・ファッション性
もうこれは、作業用と割り切っているので、気にしない方が良いと思います。
それよりも上記のように安全性を優先させるものと割り切った方がよいでしょう。
なお、山羊革でもブラウンレザーの製品が他社製でありますので、色が気になる方はそちらを選択するものひとつの方法です。

・操作性
裏地の無い、文字通り革一枚なのでブレーキ操作やギアチェンジなどは非常にスムーズでした。
手袋をしたままスマートホンを操作というわけにはゆきませんでしたが、郵便物を投函したり、ダイヤルキーを回したり、駐輪場の清算で機械を扱う時も、着用したままで全く問題ありませんでした。
外れたチェーンを戻したりするときは、素手よりも却って作業がしやすいのでした。
さすが作業用手袋だけあります。

・耐久性
牛革手袋でも、使用しているうちに掌の部分が擦れてきて、2シーズンくらいで破れてしまいます。
この手袋はまだ使用して4カ月程度ですが、それでも平日は毎日使っています。
しかし、山羊革は摩擦に強いらしく、繊維の表面はまったく綻んでいません。
縫い目が綻んでくることもありません。
マジックテープのあたりに糸くずがつくのはご愛嬌というところです。
ひょっとすると、牛革よりも長持ちするのではないかと思っています。

・耐水性、防湿性
作業用なので、多少の耐水性はあるようです。
しかし撥水性は当然ながらありません。
手首の部分をマジックテープで留めると、手袋の中に水が入ることも、自転車を漕いでいる限りはありません。
小雨程度のなかを10分程度だとなんとか持ちます。
しかし、一度濡れてしまうと、着用したまま走ったら、手が痛くなります。
基本的に雨中ブロンプトンに乗って長距離を走ることはないのですが、どうしても冬の冷たい雨の中を走るというのであれば、上から大きめの衛生用ゴム手袋を重ねて着用すればよいのではないでしょうか。

・耐汗制
逆に、汗をかいたときに手袋の中が蒸れないかと心配していたのですが、冬に関してはまったく問題になりませんでした。
寒い中、背中やヘルメットの中に汗をかくような有酸素運動をしていても、手袋の中が汗で蒸れるということはありませんでした。
スキーグローブに使われる高価な素材、ゴアテックスのように、防水性と通気性が両立しているとはいいませんが、おそらくは薄さが薄すぎず暑すぎずで、手袋をしないと自転車に乗れないような、気温が低いときにはちょうど良いのだと思われます。

・耐汚染性
白いから汚れるかなと思ったのですが、思ったほどではありませんでした。
上述のように、2回ほどチェーンが外れた際に手袋をしたまま元へ直したのですが、オイルの汚れもそれほど目立ちません。
なお、お手入れは選択するのではなく、レザーオイルを薄く塗布するだけで良いようです。

・防寒性、保温性
これはもう、全然期待していませんでした。
しかし、ないよりはましという程度を越えて、着用していた方が絶対温かいのでした。
たしかに、裏パイルや裏起毛のある防寒用手袋に比べれば、走り始めは寒く感じます。
しかし、普通の牛革手袋だって決して暖かくはありません。
走っているうちにだんだんと手袋の中が温まってゆく感じです。
それが牛革手袋なら3分で温かくなるところ、こちらの手袋は5分程度かかるという、その程度の差です。
一度運動によって手袋の中が温まったら、あとは自転車で走り続けている限り、冷たくなるということはありません。

・おまけ
この手袋を着用するようになってから、なぜか散歩中の犬から吠えたてられることが増えました。
手袋をしたまま彼らに手など振ろうものなら、あきらかに恐怖の表情を浮かべながら避けて通られます。
何故かと考えるに、どうも獣医さんやトリマーさんたちが彼らの牙から手を守るために着用しているのが、この種の手袋なのではないかと思い至りました。
お犬様もやはり病院は怖いと見えて、それを思い出してしまうのではないでしょうか。
彼らが苦手なわたしとしては、ニコニコ笑って手を振ると向こうから距離をとってういただけるので、大変助かるのです。
でも、トラウマいじりみたいでちょっと可哀そうにも思います。

以上のように、自転車に乗る時だけこの作業用手袋をして、普段はファッション性の高い牛革の手袋を携行しているというのがちょうど良いのではないかと思いました。
めいっぱいおしゃれしてブロンプトンで走りたいという方にはあまりお勧めできませんが、ひとつ余分にこのような手袋を持っていても、荷物にはなりません。
また、ホームセンターで売っているので、地方に行った際など、あまりの寒さに手が冷たくて仕方がないという方には、現地で調達できるアイテムとして冬場は特にお勧めです。
なおシモンさんという会社は前身を「シモン毛皮革株式会社」としていたようです。
工場は会津の柳津にあるようです。
こんどそちらの温泉にいったら注目してみようと思います。
こんなに安くて丈夫なら、サイクリスト用のゴート革手袋がないのかと思って探したのですが、オートバイ用はあっても自転車用は見つかりませんでした。
冬の寒さを吹き飛ばすため、冬も運動を休むわけにはいかない、毎日自転車に乗っているような方にはお勧めの手袋です。