運転免許の更新を前にして思うこと(その1) | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

2012年にブロンプトンを入手以来、私は特にマイカーやオートバイに乗る機会が減りました。
自分の時間で動けるのはありがたいし、車の場合は荷物も積めるのは便利ですが、都会であれば折りたたみ自転車と交通機関を組み合わせた方が、はるかに機動力は勝ります。
荷物だって、たとえば本などの重いもの、衣料品など嵩のはるものは、一定金額以上まとめ買いすれば、送料無料で3日以内に自宅に配達してもらえます。
ネットで購入できるものは、わざわざ買い物に出るまでもありません。
わたしなど、買い物の必要性すら年を経るごとに少なくなっています。
さらに、車やオートバイでゆけば、駐車場や駐輪場の確保が問題になります。
アクセスの良い駐車場を探し予定していたらどこも満車で、結局目的地から遠い場所に車をとめる羽目になり、駐車場からブロンプトンで走った、これなら電車で来た方がよほど簡単だったなんてことが続くと、自然に車のハンドルを握る機会は減っていったのです。


そもそも、オートバイも車も危険性は鉄道や路線バスに比べてかなり高くなります。
いくら自分が注意して運転していても、路上の他の車やオートバイ、自転車や歩行者が皆気を付けているとはかぎりません。
自分で自転車を運転していると、それを痛いほど感じます。
自分のように、運転に集中している人間の方がマイノリティで、ほかのことをやり「ながら運転もしくは歩き」のひとの方がマジョリティなのではないかと。
旧東海道を歩いたときに、「これは人生において与えられた、歩くことに集中するための訓練だ」と思えたほどです。
それほど多くの人が運転したり歩いたりすることに集中できない世の中が、ごく当たり前になってしまっていることに誰も異議を差しはさまなくなってしまっています。


考えてみれば、私が子どもの頃はカーステレオもパワーステアリングも、オートマチックも殆どありませんでした。
否応なしに、車を動かしたかったら、運転に集中せざるをえなかったのです。
もちろん、カーナビゲーションや自動運転など生きている間に一部であっても実現するとは思っていませんでした。
歩行に関しても似たようなことが言えます。
途中で携帯音楽プレーヤーが出てきたものの、その時点でも、今のように通話しながら、或いは動画やアプリを見ながら、さらにはネット中継しながら歩く個人が出てくるなど、想像だにしませんでした。
ここのところ急速に「ながら運転」、「ながら歩行」が増えたものだから、危険を省みずにそういう行動をしている人が時代の先端で世の中にあわせていっているひとで、そういうことができない人間を世の中についてゆけない、遅れた人間と考えてしまう向きがあるかもしれませんが、わたしはおかしいとおもいます。
マスコミやメディア関連企業は自分たちが取り込みたい大衆に、わざわざ「メディアを観ながら、聴きながら何かをするな」という警告を発するわけにはゆかないでしょうから、こればっかりは個人が自分で考えて自分で行動するしかありません。


そんなわけで、わたしはここのところ、ゴールド免許での更新が続いています。
少なくとも3回は続いているので、15年以上優良運転者でいることになります。
これとて、慎重な運転を常に心掛けているわけではなく、ブロンプトンと出会ってからの12年があるからです。
自転車ばかりに乗っていたら、交通違反取締りをこちらが見かけることはあっても、取り締まろうとしている人の眼中にはまったく入っていないことが分かりますから。
歩行者だと、これほど見かけることはありませんから、それもブロンプトンに乗っているおかげです。
街中で、速度違反の車やオートバイを取り締まるべく動いている警察官を、第三者として観察するのは、なかなか面白いものです。
当事者ではないので、きわめて冷笑的に双方を観察できるのです。
「どりらもこうしなければならない」といって車を運転し、運転手を取り締まっているけれど、そもそも車に乗る人がいなくなれば済むことではないかと思ってしまうのです。


それはさておき、私の免許は「平成36年の誕生日まで有効」とあります。
「平成36年っていつよ?」と思うのですが、幸い平成と令和は下一桁が一致しています。
すなわち平成36年=令和6年で今年ということです。
優良運転者でいられるのは、免許の更新満了日時点で71歳未満(71歳は有効期間が4年、72歳以上は普通の免許と同じで3年で、以前と同じ有効期間に戻ります)ということですから、今回の更新後にまた違反やら事故やらのない生活が続けば、もう一度ゴールド免許がいただける皮算用になります。
そうしたら、5回も優良運転者として免許更新ができたことになり、これはもう、かつて違反を繰り返していた原付小僧にとっては奇跡としか言いようがありません。
おかげで任意保険の保険料も安く抑えられたままです。


私は17歳の後半で原付免許をとって、オフロードバイクに乗って山々へ入っていたとこのブログで申し上げてきましたが、あの頃は違反ばかりしておりました。
累積でも、一発でも免許停止を喰らった経験があります。
50㏄の原付バイクに乗ったことのある方ならご存知でしょうが、あれは違反しないで乗りこなすのが、とくに長距離を運転する人にとっては至難の業の乗り物です。
なにせ、60㎞/h制限の道路を、ほかの車の流れにあわせて制限速度前後で走っていたら、法定速度が30㎞/hだから、一発免停になりかねないのです。
地方の広々とした道路で、ほかの車やオートバイと同じように走っていただけで、自分だけとめられてキップを切られたことが何度となくありました。
それは車になってからはやや減ったものの、それでも5年間無違反というのは、自分にとってはもの凄く高いハードルだったのです。
それを3回連続優良運転者に変身させてしまったわけですから、ブロンプトンは大した乗り物です。


優良運転者の更新手続きは、最寄りの警察署で更新手続きができます。
運転免許証と更新連絡はがき、申請用写真(現地でスピード撮影が可能)を持参し、向こうで更新申請書および質問票に記入したら、諸費用を支払い、30分の当日講習受講を終えたら、後日に新しい免許を取りに行くという流れになります。
30分の当日講習ですが、同じことを喋っている講師(あれこそメディアで良いような気がします)の話が20分と、ビデオ鑑賞が10分で、自分のはじめたところが巡ってきたら、席をたって部屋から出て行って良いという流れでした。
免許証の発行日をみると、更新手続きの期限ぎりぎりで更新がなされています。
私の場合、誕生日の1カ月後が大型連休の時期に重なっており、その連休に入ってしまったら更新手続きはできなくなるため、通常は誕生日を過ぎても1カ月ある手続き可能期間が、3週間しかありません。
しかもその時期に当時私が手伝っていたお寺は大きな法会があって、その準備で鎌倉からの帰り道に警察署の窓口が開いている時間内に立ち寄るなどということは至難の業でした。
結局私は掛け持ち先のアルバイトを早目に切り上げせてもらい、お昼休みにブロンプトンで往復して撮影した申請用の写真を携えて、窓口の受付時間ぎりぎりに、自分の家の最寄りにある警察署に、これまたブロンプトンで駆け込んで受付してもらっていたことが、過去の記録写真から判明しました。


10年以上ブログを続けていることのメリットは、前の免許更新時も、その前の免許更新時も、ブログの記事や写真が残っているので、日記代わりになることです。
私の場合、前の更新にあたる2019年も、そのまた前の更新時期の2014年もどちらも写真や文章が残っているため、その頃に自分がどんな状況で、どんな行動をしてどんな考えをしていたのかを思い出す切っ掛けになります。
しかも、時系列になって公開されているものだから、間違えようがありません。
ブログを書き始めたころは、訪れる人も殆どいないので備忘録の役割も兼ねていると書いた覚えがありますが、それはこうして五年も十年も経ってから実際に役立つもので、その間も継続して書いてきたことに今さらながら続けてきて良かったと感じています。
次回は前回に免許更新をした五年より前のことで、思い出したことを率直に書いてみようと思います。
(つづく)