秋の折りたたみ自転車通勤(その2) | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

(前回からの続き)

◎オートバイ・ハンターカブ(通勤時間正味1時間 往復480円程度)

御覧の通り、ハンターカブでの往復はとにかくリーズナブルです。
この時期は、上記自転車の格好の上に古いダウンジャケットを重ね着してゆきます。
ヘルメットは通年のジェットヘルですが、顎が冷えるというまではありません。
グローブは春秋用で問題ありません。
問題は腰から下です。
朝の3時4時はその日の最低気温に近いため、日によっては10度以下になります。
スクーターの時はフロントカウルの後ろで足を揃えて乗るので、風よけがある分そこまで寒くはないのです。
しかし跨り系のオートバイは直接風が当たり続けるため寒いのなんの。
ショートブーツを履いて靴下も厚くしても、足首から腿にかけての寒さはどうしようもありません。
前にも書きましたが、自転車との大きな違いは身体の動きが殆どないことです。
朝はハンターカブのライディングポジションが立っていることもあって、同じ格好でひたすら向かい風に耐えるという姿勢になります。
もちろん、お眠り運転などできません。


ところが帰路はかなり暖かくなっているので、ダウンジャケット下の薄手のジャケットか、さらに下に着ているフリースを脱いで、リアボックスに入れて走っています。
これは自転車と違い、オートバイで走る際にはアウターが汚れやすいので、古着のダウンジャケットを必ず外に着るようにしているからです。
このダウン、もとはスキー旅行やブロンプトンでの走行に用いていたもので、かなりくたびれて汚れていますが、国道や一部高速道路など、車の多い排ガスだらけの道を走りますのでやむを得ません。
オートバイはブロンプトン+鉄道通勤のように居眠りしながらというわけにはゆきませんが、片道1時間程度の運転なので距離的には短く、マイカー通勤のように渋滞や他の車との車間などで気疲れしたり、座っているといいっても背もたれのあるシートに沈み込んでいるわけではないので、睡魔に襲われたりすることはありません。
今の時期、通勤でなければ、もっとも気持ち良い季節のツーリングになるはずですが、ブロンプトンがあると、不思議と「休みの日にツーリングにオートバイで行ってみようか」という気持ちよりも、ブロンプトンでお散歩か旧道巡り、体力があれば山に突撃という気持ちが勝ってしまいます。
しかしハンターカブの名誉のために書いておきますが、これ以上の燃費性能はなく、また「もっと速く走れ!」と追い立てるような単車でもなく、癒し系かつ趣味性が入っているのに、実装数値はえらく実用的(ビジネスライク)という、稀有な存在の125㏄原付だと思います。
ブロンプトンに出会っていなかったら、確実にこちらに凝っていたかもしれません。


◎マイカー・普通小型車(通勤時間正味45分 燃費+高速代で往復およそ2300円)
服装は自由ですが、降りた後のことを考えて、シャツの上にフリースかセーター、ジャケットは着るようにしています。
往復ともラッシュアワーは外れているので、道路が混むことは無い(特に朝方は車が全然いません)のですが、たまにイレギュラー(工事・事故)で渋滞に巻き込まれることがあります。
問題は体調です。
折りたたみ自転車やオートバイのように寒い思いをしなくて済むのはありがたいのですが、困るのはちょくちょく睡魔に襲われることです。
往路は起きたばかりだから眠くなることはないのですが、帰路は朝が早かった分、道が混雑してなかなか前へ進まないときはかなりぼんやりしてきます。
もちろん、ハッカをなめたり好きな音楽を聴いたりと工夫はするのですが、車内も車外もちょうど良い気温だったり、外が寒くて暖房が効いていたりするこの時期だと、知らず知らずのうちに睡魔が忍び寄ります。


仕方なく車を停めて30分ほど仮眠をとったり、家に帰ってきてから30分ほど居眠りしたりするのですが、電車の中での居眠りと違い、その晩ほぼ確実に夜の寝入りが悪くなります。
夜、早めに寝ようと横になって部屋を暗くしてもなかなか入眠できず、時には幻覚のような、また別の時には怖い内容の夢を見ることもあります。

いわゆる睡眠(入眠)障害というやつです。
これに対処する方法は、家に帰ってすぐにお風呂に入り、就寝までは眠らない(夕食をとらずに早目に眠る)などあるのですが、こうしてブログも書かないといけないし、個人的にやらねばならないこともあるし、読書もしたいし、ということで、なかなかうまくゆきません。
結局、「雨の日などやむを得ないときを除き、極力マイカー通勤は避ける」ということになっています。
ガソリンは高騰しっぱなしですし、もし居眠り運転の結果、事故など起こしたら後悔先に立たずなので、たまに車を運転してその恩恵にあずかり、その機会を感謝するくらいでちょうど良いのかもしれません。

車があって当たり前と考えていたころの自分は、嫌な感じでしたし。

もうひとつ、オートバイとマイカーには、他の車との摩擦という神経をすり減らすような因子が存在します。
あまり大きな声では言えませんが、朝の3時~5時というのは、道が空いているのに交通取り締まりはほぼ皆無ということで、マナーの悪い車やトラックがたくさん走っているのです。

私だって正直に告白すれば、制限速度を守るなんてほとんどできません。
先日は前の信号が赤なので、片側2車線の道の左端をゆっくりオートバイで走っていたら、後ろから来た大型トレーラーに追い抜き&割り込み(というか幅寄せ)され、思わず信号待ちの時に運転席を見上げたら、「何だよ?文句あるのかよ」と見下ろされ、なおも黙ってみていると、「邪魔なんだよ、オマエは」と恫喝されました。
2車線の左端を走っていても邪魔だなんて、ブロンプトンなら最初から歩道か、車の走っていない狭い路地を選んで走っているため、そんな状況にはなりません。
それにしても、会社名も、荷主の名前も、そして運転手の名前まで出しているのに、よく言うなあと呆れました。
オートバイはドラレコがないから何言っても平気だと思っているのかもしれませんね。
(最近はヘルメットの横に着けている人がいるから、わかりませんよ)
また、自分にも身に覚えがあるのですが、大きな車に乗って高い運転台にすわっていると、自分が偉くなったように勘違いしやすいのです。


でも、人が見ていないところで、または法が規制していないところで、自分より弱い立場にある人に対して不行状を行う人というのは、その分人が見ているところ、法で規制されているところではそうでない人以上のプレッシャーがかかっている(裏でやりたい放題の人ほど、表の顔は温厚を装っている)ので、いずれ何らかの形で板挟みとなり、自滅するものと思われます。
それに、見ず知らずの相手に「邪魔だ」などと言葉を発するということは、おそらくは当人が「邪魔だ」と言われる環境で育ってきたのか、今現在そう言われている蓋然性が高いのです。
私が(皮肉は入っていたかもしれませんが)無表情でじっと見つめていたのは、自己の身口意を汚したくなかったからです。
悪いことば、汚いことばを口から発する人というのは、相手を攻撃しているつもりなのかもしれませんが、本人は気が付いていないところで、確実に自己をも罵り、或いは汚しています。
そういう人たちとかかわりにならないためにも、折りたたみ自転車+鉄道併用の通勤は有効なわけで、経済的にとか、時間的に以上のメリットがあるのだと思います。
そうそう、前に書いた通り祈り易いのは自転車>オートバイ>マイカーの順でした。
汚い言葉遣いや舌打ちしながら車を運転するより、祈りながらペダルを踏んだ方が、どんなに精神衛生上よいかしれません。


<全体として>
自宅から新宿まで通っていたときは最低片道分の距離をまとめてブロンプトンで走っていたため、かなりの肉体的負荷になって、逆に夕方に食べ過ぎてしまうということがありました。
鎌倉の場合、トータルの走行距離では新宿への片道より4~5㎞分少ない程度なのですが、朝と午後に4分割しているため、もっと少ない距離しか走っていないような感覚です。
ただ、「ブロンプトン+鉄道」通勤をやめて2日もすると、体調が微妙におかしくなってくるので、やはり週のうち半分以上は折り畳み自転車通勤を続けたいと思っています。
このように書くのも、私の場合週末のポタリングや遠乗りだけでは絶対的に運動量が足りず、それは日常の仕事などで代用できない以上、どうしても往復の通勤時間を使ってのリダクション(低減)気味の有酸素運動をベースに、週末などときには旧街道を100㎞近く1日で走るとか、山の峠にブロンプトンを持ち込んで登坂などして身体に高い負荷をかけることでバランスを保つというのがちょうど良いように思えています。
少なくとも以前毎月お金を支払ってスポーツクラブに通っていた時よりは、肉体的だけではなく精神的にも健康になっています。
(おわり)