秋の折りたたみ自転車通勤(その1) | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

だいぶ秋も深まって参りました。

朝早起きすると、外は真っ暗です。
本来なら真夏よりも自転車走行に向いている季節になったわけですが、これが日常使いとなるとちょっと様子が変わってきます。
私は日頃の運動に旅のトレーニングも兼ねて、通勤になるべくブロンプトンを使うようにしているのですが、今のような季節の変わり目となりますと、服装を中心にちょっとした変化が必要になります。
というのも、往路は朝4時台、復路は午後2時台と、走る時間の温度差が大きくなる季節だからです。
夏なら半袖で、冬はダウンジャケットでと、暑い時期寒い時期は行き帰りとも同じ格好でブロンプトンに乗って問題ないのですが、秋と春は早朝と日中の気温差が大きいうえに、日によって暖かかったり、寒かったりと高下も加わるので、毎朝最高気温と最低気温をチェックして、着るものを決めています。
そこへきて、雨の日は車、時には一番お金のかからないハンターカブで通う日もたまにあるので、それぞれについての比較をしてみたいと思います。


◎ブロンプトンによる鉄道併用通勤(通勤時間:正味1時間15分 往復960円)
よくブロンプトンなんだからツイードジャケットにハンチング帽で乗っているんだろうなんて思われるのですが、そういう格好をしたのはチャンピオンシップの時だけで、やはり運動する以上は動きやすい格好が良いわけです。
だからといって、ロードバイクのように、コンペティター(競技者)が着ているようなサイクルウェアは、ちょっと電車に乗った時浮いてしまうし、仕事場で着替えが必要になるので、なるべく普段着に近い格好にしています。
まず頭ですが、あまりスピードを出さないことにして、ヘルメットではなくキャップを被っています。
さすがに帽子も無しだと寒いし万が一のときに心配です。
キャップだと帰りはつばが庇にもなります。


上は半袖Tシャツの上に長袖のシャツ、その上からフリースかセーター(厚手のものと薄手のもの両方用意して最高気温に合わせて選びます)を着て、その上に山用の薄手のゴアテックスのジャケットを羽織ります。
このジャケット、わきの下にチャックがついていて、開けると涼しくなる優れものです。
下はユニクロなどで売っている春秋用のパンツで、汚れても構わないようにしています。
両手は寒い日はホームセンターなどで売っている薄手の作業用手袋か、素手です。
靴は夏まで使っていたメッシュのスポーツシューズはよほど暑くなる日(日中が夏日の時)だけで、あとは革製のウォーキングシューズにしています。
鉄道併用通勤の場合、自転車を畳んで曳いて歩くことも考えねばなりません。
ある程度の距離を、重いものを曳いて歩けねば困るのです。
もちろんレインシューズは蒸れるので用いません。
夏の間お休みしていた、ブルックスのショルダーバッグも、防寒の意味も込めて使い始めます。


この格好でブロンプトンに乗って走ると、朝の走り出しはとにかく寒いのですが、2分~5分も走っていれば暖かくなって気にならなくなります。
途中朝飯を食べ、4キロ以上走って新川崎駅に着くころにはポカポカしています。
横須賀線の一番列車は品川始発ということもあってガラガラです。
この時期はまだ暖房が入っていないので、そのままの服装でちょうど良いくらいです。
朝から弱い北風が吹いている日が多いのでそのまま大船まで行ってそこからまた4㎞を走ります。
例外的に南風が吹く暖かい日は、戸塚で東海道線の一番列車に乗り換え、藤沢駅から2.5㎞走ってゆきます。
夏もそうなのですが、横浜や川崎よりも湘南の方が気温は若干低く、それでもブロンプトンで数キロ走れば身体は暖かくなります。
この格好で朝一番の電車に乗っていると、あやしいおじさんのようです。
一番近いのは釣り人でしょうか。
彼らみたいに、クーラーボックスを曳いているということはないのですが、帽子、ジャケットというところが共通です。
起きたばかりで食事も済ませているので、深く眠ることはできませんが、ウトウトできるので助かります。


帰りの時間帯(午後)はかなり気温があっているので、ジャケットかフリースのどちらかを鞄の中にしまってまた大船駅まで走ります。
北風が吹いていることが多いのですが、今の時期の風は冷たくないので、一枚アウターを脱いでもかなり暑く、駅に着くころには汗だくになります。
それでも空いている列車前方に行って座るようにしています。
もちろんクーラーなど効いていないので、さらにもう一枚上着は脱いで膝に置き、20分ほどぐっすり眠るようにしています。
朝に比べて深い眠りができるので、新川崎駅で下車するころにはすっきりして、フリースかジャケットのどちらかを1枚着直しても家までは少し低くなった気温にも助かって快適に走れます。
北風が強くない日は、根岸線経由桜木町乗り換えで横浜線にて菊名駅まできて、そこから走るようにしています。
これで1日合計15㎞~20㎞走れる計算になります。
「たったの」十数キロですが、夜はよく眠れますし、ご飯も早目に美味しく食べられるので、オートバイやマイカー通勤を続けるよりもはるかに健康的です。
3つの通勤手段の中では最も通勤時間は長くなりますが、朝夕に電車の中で眠りを挟んでいるので、余計に時間がかかっているという感覚はありません。


ブロンプトンと鉄道の通勤の良さは他にもあります。
眠るだけではなく読書が捗ること。
前にも書いた通り、電車の中での移動しながらの読書は、じっと座って読むよりもメリットがあります。
それから、乗る駅、降りる駅、利用する路線にある程度の幅ができることです。
鎌倉なんて横須賀線一択だと思われがちですが、自分が通っているのは藤沢に近い方なので、上述の根岸線―横浜線以外にも、小田急江ノ島線と東急田園都市線、同じく相鉄線を組み合わせて武蔵小杉に出るという方法もありますし、午後の海辺を京浜急行線の新逗子駅まで走って、そこから京急東神奈川~東白楽乗り換えで日吉へ帰ることも考えられます。
来春に相鉄線が東横線に乗り入れると、もっと便利になります。
往路の朝だって、時には川崎駅まで走っているくらいですから、家から横浜駅まで40分くらいで走ってゆくという方法もあります。
そしてこれらの路線で途中下車し、孤独のグルメ…じゃなかった孤独の道草で本屋さんに寄ったり、知らない街をさ迷ったり、通勤の帰り道にできてしまいます。
先日も用事があって小田急線の町田駅から田園都市線の田奈駅まで走ったのですが、町田は学生の頃友だちの下宿に入り浸った思い出の街ですし、社会人になってからも添乗の前泊で泊まったビジネスホテルが今も存在するとか、懐かしくてこのうえないうえに、田奈駅まで鶴見川支流の恩田川に沿って走っていった時は、丹沢に沈む夕日がきれいでした。
昔、といっても30年以上前の話ですが、鶴見川流域はニュータウンなどまだ存在せず、こうした畑がどこでも広がっていたのを思い出しました。

(その2に続く)