中国茶は日本茶とは違った楽しみがあります。
器の呼び方も日本とは違い、それはそれで味わい深いです。

中国では急須を「茶壷(ちゃこ)」と呼びます。
こちらの茶壺は数年前に上海の骨董店で見つけました。
たぶん、1920年ごろの民国期に造られたものです。


器な生活-茶壺1

竹かごをモチーフにしていて、とても精緻な作りをしています。

器な生活-茶壺2

器な生活-茶壺3


こうした精緻な作りが可能なのは、
紫砂(しさ)とよばれる粒子の細かい陶土を用いているからです。

紫砂は上海に隣接する江蘇省で産出されます。
中国のお茶の産地は、これまた上海に隣接する浙江省なので、
上海はお茶文化が発達しました。

私は中国茶用のセットをもっていないので、
いつも作家さんの器を取り合わせて使っています。


器な生活-中国茶1

茶杯のかわりに八田亨 さんのお猪口。
茶托は鈴木盛久さんの南部鉄器。
茶海としては村上躍 の片口を使っています。

ちなみに、中国茶では茶壺から
そのまま茶杯にお茶を注ぎません。

茶壺からいったん茶海にお茶を注いで、
味のムラをなくすようにします。

さて、中国茶を頂くにしても、
やはり茶請けは欲しくなるものです。
今回は京都・亀屋良長の「月あかり」を頂きました。


器な生活-中国茶3

菓子皿には鍛金作家・稲垣大さんの銅皿を用いました。


器な生活-中国茶2

おいしいお菓子に、おいしい中国茶。
自分好みに器をアレンジするのも、また楽しです。