きゅーさん’ず☆わーるど -3ページ目

ファイア クラッカー 〜あとがき〜

書き始めてから ずいぶん間の空いてから やっと<fin>マークを打ちました
舞台は昭和50年頃の西武池袋線の豊島園から椎名町の車内であることは明白でしょう
毎週土日は豊島園の花火大会で ずいぶんと乗車客も多く 土曜日はドリフの全員集合を皆で見て 日曜には花火大会に行く 家族で一つのことを楽しんでいた時代のお話です
当時 椎名町には貸本屋もあったりして たくさんの漫画をお小遣いのある限り読んだ覚えがあります
「ガロ」や「漫画アクション」など小学生でしたが 今のような規制がないので お咎めなく貸してくれました
つげ義春にであったのもこの頃でしょうか
小学生には さっぱり分からない感覚でしたが 読んでいました
まぁ
今にしてみれば 意味もわかっちゃうんですけど 意味も分からずに読んでいた頃の方が刺激的で 後に拙作「吸血姫」を書く時にピュアな気持ちで書こうとして あの頃の気持ちのままで描けたのも 当時の感動を記憶していたからかも知れませんね
あの頃の貸本屋さんに感謝です
本作がそんな感覚で気軽に読んで下されば幸いです

乱筆乱文 失礼

2016.7.11 アジアの片隅にて

ファイア クラッカー しち







池袋より一つ手前の椎名町が私の住まいだった





江古田で特急待ちをしながら





あと





東長崎・・・椎名町と二駅





僕と





彼女は





抱き合った・・・抱きかかえられたまま





特急の行き過ぎるのを待つ





その間





交わす言葉はなかった





彼女の胸が





静かに呼吸しているのがわかる





僕の呼吸も





それに合わせて





胸の起伏が感じられた





まだ





胸の中の花火は鳴り止まない





やっと





彼女が悟ったのか





僕の顔を見て微笑みかける





その後のことは





もう





覚えていない





多分





僕は椎名町で降りて






彼女はそのまま





池袋まで乗って行ったのだと思う





家にたどり着くまでに





胸の鼓動はおさまっていた





確かなことは覚えていないが





あの時の彼女の微笑みは





今にして思えば






優しくもあり





少し





悪戯っぽくもあった





その意味は





今にしてわかる





花火は





私の





胸の中ではなく





半ズボンを穿いた





下半身で鳴り響いていたからだろう





ショートパンツを穿いた素足に





僕の下半身は密着していた





花火は





はじけることなく





夏の夜に消えていったが





彼女の笑顔が





花火のように





優しく





刺激的に





僕の胸の中ではじけた





夏のひと夜であった





<fin>

異邦人 14







カラーを付けられ





さらに不機嫌さは倍増し





「シャーーーッ」





と威嚇を止めない





こうなると頬撫でも意味がないが





診察の間





猫の頬を撫でてやる





「もうここまでキレイになっていれば 治療は終了ですね」






先生の言葉に安堵した





「他に何か聞きたいことはありますか」





と先生のたずねられたので





フケが





前に飼っていた猫より回数が多い事が気になっていたので





避妊治療の事について聞いてみる





全身麻酔で手術をするので




手術後は一晩泊まりになる





その前に血液検査をして





・・・などと聞いていると






あまり





気がすすまないが





たまに





母が窓を開けた隙を狙って脱走するので






避妊治療はしておいた方がいいのかと





フケが来てからずっと考えていた





費用は3万円くらいで





それほど高い訳ではないが





動物の





生まれながらの





機能を奪うことについては





いささか抵抗があった





私の仕事も





秋には過渡期に入ることを考えると





夏の間にやっておかなければならないことかもしれない





「そうですか





考えてみます」





と答えて診察室を出ようと






カラーを外した途端





抱きかかえようと顔を寄せたら





猫パンチをモロにカウンターで喰らった





「ありがとうございました」





と診察室を出ようとする私の顔を見て





先生も





看護師さんも





青い顔ををしている





診察室の外に出ると看護師さんが慌てて






ティッシュを持って追いかけて来た






「大丈夫ですか」





と問いかけてられて





診察室を出たすぐ横に洗面化粧台があって





鏡を覗くと





小鼻の脇と





頬から流血していた





ふだん





ふざけて格闘ごっこをやって





腕を引っ掻かれるのは日常茶飯事だったが





顔ををここまでやられたのは初めてだ





にゃんにゃん奴





やりやがったな





看護師さんにお礼を言ってティッシュを受け取り





洗面化粧台で拭き取る





傷口を見ると





それほど深い訳ではないが





やたら流血している





これは先生も青くなるわけだ






猫は事が終わったので





もう威嚇もせずに帰ろうとしている





全く





勝手なもんだ





それでも可愛いのは





これは





猫バカ