Days of Bagnold Summer | Have a cup of tea

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映画『Days of Bagnold Summer』をDVDで鑑賞した。

 

監督はサイモン・バード、俳優はモニカ・ドラン、アール・ケイヴ、ロブ・ブライドンほか。

 

予告編↓

 

 

 

この映画作品は『バグノルド家の夏休み』という邦題で数年前に東京国際映画祭で上映されたようだが、当時映画は観に行けなかったものの、サントラがBelle and Sebastianだと知ったのでアルバムだけは購入して聴いていた。その後、配信かレンタルされるのを待っていたけれど、現在もどこを探しても見あたらないので、どうしても観たくなり海外版DVDを購入した。海外版DVDのフォーマットでは日本のブルーレイ/DVDプレイヤーでは再生できないのだが(ノートパソコンなどのディスク再生機能では再生できる)、昔、イギリス滞在時に日本でリリースされていないイギリスのドラマや映画などのDVDを現地やイギリスAmazonで価格が安いと感じてよく買って見ていた時があり、当時5000円くらいで購入した海外DVD再生用プレイヤーがまだ健在だったので、取り寄せてついに観ることができた。

 

(注:以下のリンクの商品に「Region Free」とあるが、日本のブルーレイ・DVDプレイヤーには対応していなかった)

 

 

 

ストーリーは、イギリスのおそらくデボンとか南西部辺りののどかな地方に暮らす、ロック好きで内向的な反抗期のティーンエージャーの男の子ダニエルと、図書館の司書をしているシングルマザーの彼の母親の、文字通りある年の夏休みの日常や出来事を描いている。ダニエルは、彼の母親と離婚して今は米国に住んでいる父親のところで夏休みを過ごすはずだったが、父のガールフレンドが妊娠していて、いろいろと大変だと言う理由で渡米を断られ、米国での夏休みを楽しみにしていたダニエルは、仕方なく母親と自宅で特に楽しいこともない夏休みを過ごすことになる。ダニエルの反抗期も相まって、関係がぎこちない母と息子の日常に、それぞれの友達や親戚、知人、学校の先生などが絡んでくる。バックには時折、前述のBelle and Sebastianの曲が、イギリスの地方の日常的な風景で繰り広げられるエピソードや時折ユーモアのある場面でさりげなく流れる。ダニエルの学校の先生役がロブ・ブライドンだったり(個人的にはスティーヴ・クーガンとのThe Tripシリーズを思い出す)、主人公のダニエル役は、ミュージシャンのニック・ケイヴの息子のアール・ケイヴが反抗期で複雑なティーンエージャーを等身大のように演じていたのが印象的だった。母親役のモニカ・ドラン(あまり出演作品を見たことなかったが)も、倦怠期のちょっと疲れたどこにでもそうな母親をうまく演じていた。DVDは英語の字幕しか観られないので細かいところがフォローできていないかもしれないが、基本、ジャンルはドラマなので英語字幕だけでも楽しめたし、音楽がベルセバということもあり、何よりイギリス映画なのでまた後で見返したくなる作品だ。

 

 

(↑の曲は以前アルバムに収録されていた馴染みのある曲だが、何でもこのサントラのために再録されたそう。ボーカルのスチュアートの最近の歌声も年を重ねて良い感じになっている)

 

 

 

 

 

ちなみに、この約5年前にリリースされた映画を今頃思い出したきっかけが、今年2月に東京でライブを観たKula Shakerの新しいアルバム『Natural Magic』だった。というのも、アルバムに添付されたライナーノーツにフロントマンのクリスピアンによる曲ごとの解説があり、『Indian Record Player』という曲は、ドラマーのポールの兄弟であるジョフと、ジョフが参加しているバンドBuckyのサイモンと一緒に書いたそうで、さらに『Days of Bagnold Summer』というグラフィックノベルの原作者がそのジョフ(Joff Winterhart)だと書き添えられていたのだ。また、Belle and Sebastianのアルバムは出れば聴きたくなるし、購入してほぼ間違いないと思っているファンなので(笑)、先に買ったベルセバの映画サントラから、映画の原作者がKula Shakerつながりであったことを知って嬉しくなった。グラフィックノベルと言うジャンルはあまりなじみがないが(イラストがメインのストーリーなのか?)、ポールのお兄さん(または弟?)の作品を見たらちょっと興味が沸いた。書籍はKindle本もあるようだが、紙の本同様結構なお値段なので購入は保留にしているが、渡英できたときに書店にあったら実物を見てみたいものだ。

 

 

 

 

 

(余談:Kula ShakerとBuckyを検索したら、ずっと前に観たことのある動画が出て来た。懐かしい!クリスピアンとBuckyのサイモン)

 

 

しかし、この作品、国内の映画祭で字幕付きで上映しているのにもかかわらず、その後、一般公開があったのかどうかもわからないが、だいぶ年数も過ぎているのに配信やレンタルがないというのが残念。インディペンデント映画だからメジャーなところには出てこないのか?

 

このサントラを購入したのは2019年秋ごろだったが、ちょうどThe Divine ComedyのUKツアーで渡英してロンドンに行ったときに、oasisのアルバムジャケット有名なストリート(Berwick St.、何度も行ったことがあるが、行くたびに写真を撮りがち(笑))にあるレコードショップ(Sister Ray Records)に寄ってみたら、リリース時だったのでアルバムがディスプレイされていたので写真に撮っていた。



 

 

↓渡英前に買っていたCDの写真も律義に撮っていた