all is full of beautiful love
数年分のボイスメモを
ひとつひとつ聞いている
鼻歌の向こうがわに
風景が広がっていた
雨の音
轍の音
すれ違う笑い声
街頭のざわめき
留めておきたいメロディーとともに
偶然にパッケージされていたそれらは
不意にその日のことを思い出させたりする
そして語感のみで当てはめた言葉にも
かすかに匂う感情のゆらめき
あの日の私よ
ひさしぶり
羨むな 僕は羽を広げているだけ
風よ 光よ 谷よ
絶好のタイミングで踏み切れた僕よ
驕るな あなたに捧ぐ
自由に描いた線と点
乗り継ぎ 走る 列車
君が手を引く僕が手を引く
そうやって訪れた未来だ
ここはどこかと
分かっているのに知らぬふり
分かっていたのにさ
君のせいにして僕は笑った
羨むな 僕は羽を広げただけ
街よ人よ声よ
絶大な信頼で背中を押して
見えた景色はどんな風かな
自分が何者か
教えておくれよ 去る前にさ
教えておくれよ 次の場所へ行く前にさ
そうやって君の元を離れて
やっと僕は気付く
知っていることを分かるはずの未来
ひどく遠くに聞こえる雷鳴が
低く長く轟いている
時々輝く空に見蕩れて眠れず
またベランダに出ては空を眺めている
ぼうっと立っている私に驚いた彼は
ひとこと話してそのまま眠りについた
どこまでも続いているような低い雲と
轟々、ゴロゴロと唸り続ける空
私はいま夜に閉じ込められている
終わらない夜に冴えた目で
どんな明日を描くんだろう
瞳を閉じて描くは
果てない日々の中にでも
その先で二人はまた交わり出会う
抗うことなき想いは
まるで海と空のように
溶け合うよすがら痛み疼けど
真夜中を照らす眼差し
音のない景色のなか
さあ目を開けてごらんほら
もう何も恐れなくていい
始まりの時を告げる
波のように
空からふるようなさざ波
心を写してかけぬける箒星
世界に悲しみが溢れても
遠く近くへ想いを馳せる
相思相伝つたわる連鎖
輪廻する心と芯の震え
命をかけた愛も
水のような愛も
その傷口には優しく沁みる
もう先の見えない永遠のなかを
迷うだけの僕らじゃないと
言うよ
ほら見てごらん
もう賽は振られた平坦な道を
進むだけの僕らじゃないと
地図を
広げ見てごらん
相思相愛伝わる連鎖
乱射する心にしんとして
命をかけた愛も
水のような愛も
乾いた肌に優しく沁みる

