金曜日である。
長く垂れ込めてビルの頭を隠している雨の名残が芸術的に見えてくる。
明日はクソッタレ母校の文化祭だ。教師と学校の構造は好かんが、居心地のいいあの図書館に凱旋できると思うと、懐かしさと当時自分に影響したクズ教師共に対する怒りがないまぜになって心に現れる。
文化祭、今度からはOBとしてあの学校を見ていかなければならないらしい。正直、屈辱以外の何物でもない。あんな学校行かなきゃ良かった、あんな教師に出会う必要なんて、なかった。
見る度に破壊または生涯にかけて苦労するような傷を負わせてやりたいと思う人間がいるのは、そうなる感情も嫌だが、それを思うことで脳内が一時的にあのクソッタレ共のことで支配されるのが嫌だ。
まだ大学は始まって1ヶ月と少し。まだまだ子供の気分や意識は抜けない。
早く成長したい。母校を鼻であしらってやれるようになれば、どれだけ楽なことか。どれだけ爽快なことか。
金曜日である。
頭で今、どのような事を考えていても、結局は何も変わらない、365日の中のくだらない金曜日である。