いやぁ
面白かった。非常に面白かった。
何が面白かったってね。この本の中に出てくる登場人物のコミカルさ。とある人は考え事をするときにコーヒー豆を挽き。またとある人は考えをことあるごとに外し、とある人はボケる役。
そんな人たちがなんともうまく推理小説の中に溶け込んでいて、そして物語を織り成していく姿というのはとても強く惹かれたよ。
形式は少しずつ小さな謎を解いていって、それが最後の章に結びつくっていう短編が長編になるタイプだった。
文章は一人称で、主人公の視点の動きや内心が巧みに描かれていて、それに没頭して、また騙されもした。
騙されたっていうのはね、叙述トリックってのがあってさ、僕はその手法になれてなかったから、まんまと騙されたっていう。
これ、続編出るのかな、いやでもこれで終わってくれたほうが絶対綺麗だから、むしろシリーズ化しないことに期待かな。
最近喫茶店によく行くようになったせいもあってか、こういう出会いとかも期待しちゃうんだよね。
……いやまあそんな出会いは9回生き返っても無いとも思うんだけどけどね。
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