古典部シリーズの2作目になるのかな。
いやはや、奉太郎君は本当に頭のいい姉を持ちましたな。
そう、あまりにも頭の良すぎる姉を・・・。
小説で読んだときにはあんまり強く感じなかったけど、こんな姉なら、僕はちょっと欲しいかもしれない。
だって僕の将来って少なからず夢追い人だろうし、叶うまでは収入ある後ろ盾が欲しいし・・・なんて。
この姉さんならまず殺しはしないだろうし、才能が無いなら無いで、延ばし方をなんとなく遠まわしに教えてくれそうでもあるしね。
しかしまあ、今回の奉太郎は面白いことをいうね。なにせ「自分の適性は探偵ではなく、ミステリー作家に向いているんだ」なんていうようなことを言っちゃうんだから。
そしてこの巻のキーパーソンに人もまた、面白い言葉を言っている。
「誰もが皆、自分が何者であるかということを自覚すべきだ」というようなことも言っている。
ほかにもいろいろあったと思うけど、僕が引っかかったのはこの2つのフレーズ。
でもねえ、まだ俺は自分が何者であるかなんていうことはわからないんだよ。あいも変わらず、僕は自分がこれからどのように自分の人生を作っていくのか、今までどういった人生を垣間見てきたかなんていうのがさっぱりわからないんだ。わからないのに、自覚しろっていうのは、ちょっと(あくまで僕にとっての話なんだけれど)酷な話なんじゃないかな。
なんて思ってしまうんだ。
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小説っていうのは、もしかしたら作家がその体を支配しているだけであって、もしかしたらその小説になかに住むキャラクターは作者とは全くと言っていいほど関係性はないんじゃないかな?
国王と民衆みたいな感じなんじゃないかな?
だとしたら「この文で作者の言いたかったことを書け」なんて質問をされても、こりゃ無理だよ、解けない。