アラフィフからのパリ生活  -7ページ目

アラフィフからのパリ生活 

何かのご縁で現在はパリ在住。フランス での日々のこと、感じたことを綴っていきたいと思います。

 

 

ちょっと前の話で恐縮なのですが...。

 

 

去る9月半ばから10月初めまでの約3週間ほど、あの有名な凱旋門が、銀色にラッピングされていました!

こうしたイベントには目がないので、早速秋晴れの美しい日に、凱旋門へ出かけてきました。

 

 

これは、ブルガリア人の「クリスト」こと、クリスト・ヴラディミロフ・ジャヴァチェフと、そのパートナーであるフランス人の「ジャンヌ=クロード」ことジャンヌ=クロード・ドゥナ・ドゥ・ギュボンの二人のアーティストによる作品です。

彼らは、歴史的建造物や自然を「ラッピング」するというやり方で、自身のアートを作り上げてきました。

本来なら、この凱旋門のプロジェクトは2020年に実施される予定だったけれど、コロナのせいで延期。

さらに不運なことにクリストが2020年5月に亡くなってしまい、残念ながら彼は完成を目にすることができませんでした(ジャンヌ=クロード氏は2009年に他界されています)。

 

 

現在はフランス北部に住む、フランス人の友達に凱旋門の写真を送ったところ、彼女が昔パリに住んでいた1985年に、パリ最古の橋「ポン・ヌフ」が布でラッピングされたイベントを目にしていたそう。

「クリーム色の布で包まれた橋を、オフィスに行くときに歩いたのを覚えているわ〜」と懐かしそうに教えてくれました。

 

 

 

 

この女性とはこのイベントについてだけでなく、いろんなことをお喋りして、

とても楽しい時間を過ごさせていただきました!

 

 

凱旋門の周りの広場は鉄柵で囲まれており、中に入るにはワクチン接種証明を提示し、マスクを着用しなくてはいけません。

(ちなみにこの時は、街を歩く時はマスク着用は義務ではありませんでした。)

私はワクチンを接種しているので、めでたく中に入ることができました。

 

 

凱旋門の周りには、上の写真のような出立のスタッフの方がいて、みんなの質問に答えてくれていました。

 

 

たまたま私がお話ししたこの女性は、ギリシャから留学に来ている学生さんでした。

私が日本人だとわかると、「私たちが着ているこのユニフォームは、クリスト氏たちと友人である三宅一生さんがプロジェクトに協力するために、特別にデザインしてくれた物なんですよ」と教えてくれました。

確かによく見ると、長袖のシャツと黒いパンツは、彼のシンボルともいうべきプリーツデザインでした。

またシャツの色も、この女性は赤だったけれど、周りを見渡すと青と白を着ているスタッフもいます。もちろんこれはフランス国旗の色である「トリコロール・カラー」をモチーフにしているんですよね〜。

 

 

 

 

ちょっとピンボケですが(涙)、手にしているのが実際に使われている織地の断片です。

 

 

先ほどのスタッフの方が、ウエストポーチからこの織地の断片を下さいました。

遠くからみると、まるで薄い布が凱旋門を覆っているように見えるけれど、実際に実物の織地を手にしてみると、思いの外厚いなあと感じました。

 

 

今回、凱旋門をラッピングするために使われたのは、ポリプロピレン製のもの。100%リサイクルできる2mm弱の厚さのブルーの織地に、片面にアルミが吹き付けられているしっかりした物です。

(ヨガ用のマットの、薄いものといったら想像していただけるでしょうか?)

 

 

クリスト氏が意図してデザインした通り、風に吹かれて生地が動くたびに、光を反射したり空の色を写して、凱旋門が次々に魅力的な表情を作り出していました。

 

 

昼間の青空を映し出す凱旋門も素晴らしかったけれど、きっと夕焼けに染まる姿や、夜景に浮かぶたたずまいも美しいだろうな〜と思いました。

 

 

こんな美しいアートが無料で誰にでも楽しめるなんて、パリに住むことができて本当にシアワセだな〜と心から思う1日でした!

 

 

ソファの上で足を伸ばしていると、必ずその上でお昼寝をするマーニー。

 

 

現在パリのアパートで、ねこのマーニーと二人暮らし。

 

 

マーニーは、ムスメのねこなのですが、彼女が海外に留学に行っているので、その間私とパリで留守番というわけです。

 

 

子猫の時に保護されたマーニーは、5歳のメスのパリジェンヌ。

ずっと猫を飼いたかったムスメが、私の知らぬ間に引き取る手続きを済ませていて、思いがけず我が家の家族になりました。

マーニーという名前は、ジブリ映画が大好きな娘が「思い出のマーニー」からとってつけました。

 

 

私にとって、本格的に猫を飼うのは初めて。

子どものときに、いつも実家では犬を飼っていたので、どちらかというと自分は犬派だと思っていたけれど、正直なところ猫もとっても可愛い〜!

マーニーは本当に大人しくお上品。家具を引っ掻いたりする悪さもしないし、人に対して攻撃的になることも全くない、極めて穏やかな性格です。

とにかく膝の上に乗ってお昼寝をするのが大好きで、かなりの甘えん坊。

他に飼ったことがないので比較ができないけれど、噂に聞いていた「猫は気まぐれ、独立心旺盛で冷たい」というようなのとは全然違うことに、とても驚いています。

 

 

ねこって、実はそういうものなのでしょうか???

(ねこを飼っている方、お宅のねこちゃん達はいかがでしょうか?)

 

 

そんなわけで、マーニーはあっという間に我が家の大切な家族になりました。

特にコロナ感染で、パリでは長い外出制限生活が強いられたけれど、その間こうした優しい存在の生き物が家にいてくれたおかげで、確かに心が癒されていた気がします。

マーニーは喋らないけれど、こちらが喋りかければ小首を傾げて何やら聞いている様子。

すぐに膝の上に乗ってくるので、まるでカシミヤのような手触りのマーニーの体を撫でてあげていると、その優しい感触と、マーニーが喉を鳴らすクルクルという柔らかい音で気持ちがとっても穏やか〜になるのがわかります。

 

 

 

 

Bonjour(ボンジュール)!  

 

パリ生まれとはいえ、マーニーは100%日本語も理解しています(笑)。

バルコニーに時々やってくるハト、夏に外から入ってくるハエが大好き。

お気に入りは、小さなぬいぐるみのゾウさんとネズミ。

スーパーボールを転がすと、かなり上手に前足でパスして、しばし私とボールの転がしっこもできますよ〜。

 

 

これからも度々このブログに登場すると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

パリを初めて訪れた時、エッフェル塔や凱旋門、あちこちにある庭園の美しさはもちろんだけれど、ただの街並みや建物の作り出すシックなたたずまいにため息がこぼれました。

 

 

そんな中、街歩きをしていて気がついたのは、窓辺を飾る朱色のゼラニウムの花でした。

それほど大きくない窓の外に、かなりの割合でこの朱色のゼラニウムの鉢が置かれていて、それがまるでシックな装いにアクセントを与えるブローチみたい!

その時、「いつかパリに住むことがあったら、自分のアパートの窓辺に真っ赤なゼラニウムを飾ろう!」と密かに思ったのでした。

 

 

あれから随分の月日が経ち、予期せぬ運命の流れでパリに住むことになりました。

人生で一度は住んでみたい街の一つだったパリ。

あの時は、叶わぬ夢だと思っていたけれど...。

これまでもいろいろな国に住んだことはあったけれど、アラフィフでパリに住むことになるとは!

そして自分が離婚することになるとは!

 

 

私の人生、我ながらなかなかおもしろい展開になっている気がします(笑)。

 

 

私のアパートには、小さなバルコニーがついています。

パリの多くの建物は古いので、もともとバルコニーが付いているものは少ないので、ありがたいなと思います。

ここに住みはじめて、早速私は念願のゼラニウムを植えました。

ゼラニウムも、薄いピンクや白、真紅などいろいろあるけれど、やはり私は朱色!

家具を揃えたりして、暮らしを整えていく中で、バルコニーの手すりにゼラニウムを飾ったときに、まるで足りなかったものがパチっとハマったようなシアワセな満足感を覚えたのです。

 

 

3年ほど経って、室内で冬越しさせたり、毎年植え替えたりはしていたけれど、のびた枝を剪定したりしたことがなく(...なんだかせっかく伸びているのに切るのが可哀想で...)、気がつけば葉の茂りも弱々しくなってしまってました。

そこで春が来て、ベランダに植木を出す前に、思い切って土の植え替えと同時に、枝を切ったりすることにしたのです。

正直、剪定したことが原因で枯れてしまったらどうしようかと心配になったりもしたけれど、それは全くの杞憂に終わり、ベランダのゼラニウムは、驚くべき生命力でぐんぐんと葉を茂らせ、あちこちから可愛らしい翡翠の粒のような蕾が現れ始めたのです。

 

 

あんなに荒療治をしたのに、植物は新しい環境にあっという間に慣れ、春特有の気まぐれな寒さにもめげずに花を咲かせはじめました。

なんて健気なんだろう!

ベランダで咲き誇っている朱色の花たちを見るたびに、生命力のたくましさに感動してしまいます。

 

 

荒療治だと思ってずっとやらずにいた剪定が、実は植物にとっては必要な事であり、無駄なことにエネルギーを取られないための必要な措置だったことにも、改めて気づかされました。

 

 

 

 

大好きなアルフォンス・ミュシャの絵にも、ゼラニウムが...!

 

 

きっと人間にも同じ事が言えるのでしょう。

 

 

生きているうちに、無駄に伸ばしてしまった枝のようなものがエネルギーを無駄に使ってしまい、自分の持っている本当の力を出せずに、ただ息も絶え絶えに日々を過ごすというようなことになってしまうのではないでしょうか。

私の場合、それを痛烈に感じたのが人間関係でした。

図らずも元夫(になりつつある人)の方から別れを切り出してきたけれど、私の魂はずっと前からこの関係が「不要な枝」のようなものになっていたことに気がついていたはず...。

 

 

でもゼラニウムの枝を選定できなかったと同じような理由で、自分からそれを断ち切るという勇気がなかったんだと思います。

剪定した結果、植物が枯れてしまうのではないかと不安になったのと同じように、もし別れたら自分がこれからちゃんと生きられないのではないか…という不安に囚われていたのだと、今なら思えます。

まだ全ての手続きは終わっていないし、未解決なことや不安材料もたくさんあるけれど、「不要な枝」を断ち切ったことで、確かに私の中に再生のためのエネルギーがみなぎっているように感じるのです。

 

 

 

 

何かを切り捨てた後、自分の中に新しいエネルギーが満ち溢れるまでの癒しの時間をきちんととり、その間自分を労ってあげなくてはいけない。

私がゼラニウムにしてあげたのは、枝を切った後に温度や水やりに気をつけて傷を癒す手助けをしてあげたこと。

そしてその生命力と自然の力を信じてあげたこと。

そう考えると、今私は剪定を終えたばかりで、これからエネルギーを蓄えて時がきたら素晴らしい花を咲かせる準備をしているところなんだろう...、と自分を見守ってあげたいような優しい気持ちに包まれるのです。

 

 

ゼラニウムに教わったこと、それは自分の持っている力と再生を信じること。

そして時が来れば、今まで自分で経験したことや決めてきたことの全てのが、いいことに変わって花開くということ。

 

 

冬の足音が近づいているというのに、今年のベランダのゼラニウムの花は、驚くくらいに美しく咲き誇っています。

                                

 

 

 

 

 

 

はじめまして。

このブログにお越しくださって、ありがとうございます。

 

 

2016年の秋から、フランスのパリに住みはじめました。

若い頃に、自分の中で「人生でいつか住んでみたい街」の一つだったパリ。

あの頃はまさか自分が住むことになろうとは思わなかったのです。

 

 

...しかもアラフィフで!

 

 

現在はムスメが留学中なので、彼女のねこと暮らしています。

アラフィフという年齢や、人生の転機(離婚の手続き中です)ということもあり、あれこれ自分について、そして人生について考えることも多いけれど、これからの自分の人生にほんのりシアワセを感じながら生きていきたいなあと思っている今日このごろ。

 

 

パリでの日々のふつうの暮らしのこと、経験したことや、感じたことなどを、気ままに書いていこうと思っています。

 

 

どうぞよろしくお願いします。