パリを徒歩で横断した思い出 | アラフィフからのパリ生活 

アラフィフからのパリ生活 

何かのご縁で現在はパリ在住。フランス での日々のこと、感じたことを綴っていきたいと思います。

2019年のことなのですが...

 

なんと、私、徒歩でパリを横断してしまいました〜。

 

実はこの2019年の12月、パリはメトロなどの交通機関がストでほとんど機能していなかったのです。

かろうじて市民の足になるようバスが運行していたけれど、案の定みんながバスに集中するものだから、大混雑で乗れずに見送らざるを得ないことも多々起きる状態。

また道路は大混雑で、そもそも乗り込めるかわからないバスに乗れたとしても、どのくらい移動にかかるのかわからない...という過酷な日々が長く続いていました。

 

 

 

 

 

そんなストの真っ最中に、随分前から予約を入れていた美容院へ行かないくてはいけなかったのです(予約がなかなか取りづらいので、これを逃すといつになるか分からないし、新年は気持ちもさっぱりきれいに迎えたかったので...)。

 

そこで、我が家とは反対方向にある美容院まで歩いて行こうと思い立ったのです。

 

 

 

 

 

夕方の予約に間に合うよう、少し余裕を見てお散歩気分でスタート!

幸い冬晴れの気持ちの良い空が広がり、日が沈む中、表情を変えていく美しいセーヌ川沿いの景色を楽しみながら歩いて行きました。

歩いていると、なんだか嬉しくなってきて、誰かに「パリ横断の途中なんです〜♪」と自慢したくなるような、そんな「ランナーズ・ハイ」ならぬ「お散歩ハイ」な気分。

 

 

 

 

 

 

一説によると、パリ市の大きさは、東京の山手線の内側とだいたい同じくらいの大きさなのだとか...。

いずれにしても、私は結構歩いて移動することが多いので、大丈夫だろうと思っていました。

特に行きは、お散歩モードだったので足取りも軽く、無事美容院へ到着。

歩ききった密かな達成感と心地よい疲れを感じて、美容院の椅子に座り、シャンプーやカットをして頂いていると、疲労感がドスンとやってきて、このままずっと座っていたい気持ちになりました。

 

 

 

 

 

でも、帰りも同様に、歩かなくてはいけません(涙)。

 

バスや、辛うじて運行しているメトロ(もともと無人運転のメトロは、ストに関わらず運行数を減らして稼働してました)と徒歩を組み合わせて...という方法もあったけれど、どれくらい混雑しているか分からなかったので、やはり帰りも歩いて帰ることにしました。

 

外はすっかり真っ暗...。

 

帰りは、あまり景色にも目もくれず、最短の距離で家に着くルートをズンズンと歩くのみ。

実は家と美容院の中間地点に住む友人が、ディナーに招待してくれていたのですが、何時につくか分からなかったので、予めお断りしていたのです。

友人は、何時になってもいいし、飲むだけでも寄ったら?と言ってくれていたけれど、もし友人の家に行って一度座ってしまったら...、そしてワインなんか飲んでしまったら、その後歩いて家に帰れないと思って、家路をまっすぐ目指しました。

 

 

家に着いた時は、かなりの疲労困憊状態(苦笑)。

夕食時間を逃して、美容院から歩いてきたのでお腹も空いていたし、まるで昔の旅人が宿屋にやっとたどり着いた...みたいな感じでした。

 

この日、往復で私が歩いたのは、30500歩!

移動距離は、19.5km!

 

多分、恐らく、必要に迫られなければ、もうパリを徒歩で横断することはないと思うけれど、とりあえずこの経験ができたのはいい思い出です。