次の朝早くから鬼夜子は買い物に出掛けていた。

その間もトンケはせっせと掃除洗濯など仕事を真面目にこなしているのであった。


『ただいまー!!』


『あ!鬼夜子さん!おかえりなさい!』

トンケは玄関に出た。

『お前のくれた金で今日はいい買い物が出来た』

『そうですか!何買ったんですか?』


『まあ、みてのお楽しみってとこだな。明日朝届くから。』


『へ~たのしみだな~。』

その夜、トンケは胸を踊らせながら眠りについた。
メラメラメラ…バチバチバチバチ…

『ギャー!!今燃えているコレは何ですか!!コレは!!』


『…昨日お前がよこしたやつや。』


何と、昨日トンケが一大決心をして渡した600万円を100万円ずつ火に入れようとしている所だ。

しかも、その内の一束は、もう既に炎の中である。


『えーいこのー!!』

ガッシャーン!!

ゴォォォォオ~!!

『ぎゃー!あぢぢぢぢぢぢ!』

すぐに火を踏み消そうとしたトンケは勢い余り、もろに脚を焚き火のなかに突っ込み火が燃え移った。

『ぎゃぁぁぁあ』

ゴロゴロゴロ!!

ドボン!!

プシュー…

砂の上に転がり、そのまま溝へ落ちた。

幸い軽い熱傷ですんだがトンケは気を失ってしまった。

鬼夜子はトンケをアミに入れて岩場に固定し川につけていた。


一時間後寒さで目を醒ましたトンケは怒りが込み上げ、アミをやぶり鬼夜子のいる土間に走って行った。

『鬼夜子さん!なんでせっかくのお金を!なんてことするんですか!』

『まあまあ、見てみろって。』

燃えかけた札をトンケに見せた。


『何ですか!…ん…?何か違う…こど…も銀行…。』


『にせものだ。お前すぐ騙されるよな。ほんと。ちゃんと金はあるよ。』

ふところから封筒を出して見せた。

『よかったー!!』

ホッとすると同時に、鬼夜子を疑ってしまった自分を恥じるトンケであった。
現金600万円。

今までの自分の全財産を鬼夜子に捧げたトンケは、その夜固い決心を胸に眠りについた。

(これから先、何があっても鬼夜子さんについて行こう!)


次の朝、トンケがドーベルマン達の散歩から戻ってくると。


『むむ?なんだかいい匂いがするな。焼き鳥かな?』


そのまま裏庭にまわると鬼夜子の後ろ姿があった。

『鬼夜子さ~ん!何焼いてるんですか~?いい匂いですね~。』

そう声をかけると

『あぁ、良い鷄が手にはいったからな。』

鬼夜子は串に刺さった肉をかえしながら言った。

トンケはウキウキしながら近づいた。


『あ゛ーーーーっ!!!!!』

そこでトンケは思いがけない物を見た。

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