具体的にどの国にどのような拠点・事例 | 製薬の未来

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拠点設置において最適な国や地域は、企業ごとの戦略や需要、原料調達や生産コスト、労働力やインフラ、規制環境など様々な要素を考慮して決定されます。以下に、一部の国とその特徴を紹介しますが、具体的な拠点設置の判断は、各企業の戦略や状況に応じて慎重に行われるべきです。

 

  1. アイルランド: アイルランドは、製薬業界において非常に魅力的な拠点とされています。法人税率が12.5%と低く、高度な技術力や知識を持つ労働力が揃っています。また、欧州市場へのアクセスが良好であることから、多くの製薬メーカーがAPIや製剤、パッケージング拠点を設置しています。例えば、ファイザーやノバルティス、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの大手企業がアイルランドに拠点を持っています。

  2. シンガポール: シンガポールは、アジア地域での製薬拠点として人気があります。高度な技術力、良好なインフラ、政治・経済の安定性、英語が公用語であることが魅力です。また、法人税率も17%と比較的低く、アジア市場へのアクセスが容易です。グラクソ・スミスクラインやメルク・シャープ・ドームなどがシンガポールに製薬拠点を設置しています。

  3. インド: インドは、低コストでの製造が可能な拠点として注目されています。特に、ジェネリック医薬品やAPIの生産に強みを持っており、世界の製薬メーカーがインドに生産拠点を設置しています。ただし、品質管理や規制面での課題も存在するため、注意が必要です。サン・ファーマーシューティカルやドクター・レディーズ・ラボラトリーズなどのインド企業が世界市場で活躍しています。

  4. アメリカ: アメリカは、世界最大の医薬品市場であり、製薬業界のイノベーションや研究開発が盛んです。高い技術力や多様な人材、優れた研究機関が集まっており、製薬企業にとって魅力的な拠点となっています。ただし、法人税率が高く(約21%)、労働コストも高いため、コスト面での課題があります。アメリカでは、主に研究開発や高付加価値製品の製造拠点が設置されています。ファイザー、メルク、アムジェンなどの大手製薬企業がアメリカに拠点を持っています。

  5. 中国: 中国は、世界第二位の医薬品市場であり、労働コストが低く、原料調達や生産コストが抑えられることから、製薬業界において重要な拠点となっています。また、中国政府は、製薬産業の発展を促進する政策を推進しており、製薬企業にとって投資環境が整っています。ただし、知的財産権の保護や規制面での課題があるため、注意が必要です。ノバルティスやバイエルなどの多国籍企業が中国に拠点を設置しています。

 

これらの国の例からもわかるように、拠点設置において最適な国や地域は、企業ごとの戦略や需要、原料調達や生産コスト、労働力やインフラ、規制環境など様々な要素を考慮して決定されます。具体的な拠点設置の判断は、各企業の戦略や状況に応じて慎重に行われるべきです。また、税制面での配慮も重要であり、各国の税制やデジタル課税などの国際課税ルールの動向にも注目が必要です。