こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV10月号のゲストは、
合同会社おもてなし創造カンパニーの
矢部輝夫氏。
前職時代、TESSEIにて
功績を残された方です。
従業員の定着率も低く、
事故やクレームも多かった新幹線の清掃会社に
「トータルサービス」の考えを定着させ、
おもてなし集団へと変革しました。
経済産業省「おもてなし経営企業選」、
「サービス・ホスピタリティ・アワード特別賞」を
受賞したほか、ハーバード大学ビジネススクールが
2015年からMBAのケーススタディとしても
採用されているそうです。
東京駅であの短い時間で
新幹線内を綺麗に清掃。
一礼をするスタッフの姿を
ご覧になったことがあるでしょう。
「7分間の奇跡」とも呼ばれています。
仕事を再定義しました。
「掃除屋」ではなく、
お客様の「思い出づくり」業へ。
制服も変えたことも
意識変化に繋がったといいます。
たかが制服。されど制服。
清掃グッズも外部から汚く見えないように
改良しました。
意識を変えるために
形から入ることの重要性を教えてくれました。
また認め合う文化を作ることにも尽力します。
100ー1=0
これは通常、1回のミスが命取りになる、
1回のミスがすべてを台無しにするという意味で
サービス業の研修等で使われます。
矢部氏は、上記の様に考えず
「99」のことを忘れてしまっているのでないか?
と捉えます。
普段、きちんとやってくれている「99」に着目し
認め合うことが重要ではないかと考えます。
それはエンジェルレポートいうものに書かれ
年間にして1万件以上、寄せられるそうです。
TESSEIの事例は
ハーバードビジネススクールで
扱われることからも稀なケースです。
自分たちの仕事を再定義して、
あれだけプロフェッショナルな仕事を
されているわけですから。
皆さんの会社にも応用できる点が多々あるでしょう。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
フィードバック研修や人事査定時に、
他者(多面)評価の要素を盛り込んでいる企業が多いかと思います。
他者(多面)評価を実施すると、
社員にストレスがかかることは研究で検証されています。
だから運用には丁寧な計画や配慮が必要です。
自己評価よりも悪い他者評価を受けた人は、
以下の3つの行動をとりやすいそうです。
1 詮索
自分に悪い評価を付けたのは誰かを探る。
なぜそのようなことを書くのか、
細かく調べようとする。
2 防衛
自分が受けた評価を認めず、頑なに否定する
3 態度硬化
自分の態度や意見を押し通すために、強固な態度になる
この3つの行動をとってしまうことは
予め容認しつつ、
内省を通して、自分と向き合う時間が来る。
誠実に向きあうモードになれば、
気づきも深く、行動変容にまで至ります。
自己評価と他者評価は基本的にズレが生じる。
特に最もギャップが出るのが上司評価と自己評価です。
評価対象者が上司であることがほとんどなので、
ギャップが大きい=上司への不満が出やすいということです。
自己評価が高く、他者評価が低いことを
フィードバックされると、成長に繋がる可能性が高い。
多面評価は強力な行動変容ツール。
だから日常的に使われています。
しかし心理的なダメージが大きい。
「気づき」にはショックが必要ですが、
ショックのコントロールをする必要があります。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
人材育成の方針は、大きく分ければ2つに集約される。
育つのか?それとも育てるのか?
「人が成長するかはその人の資質次第。
育てられるなど、おこがましい。」
という人もいる。
一方で
「人は必ず変われる。手塩にかければ成長する。」
という人もいる。
どちらが正しいか、
議論した所で結論は出ない。
人は人により影響を受ける。
人材育成で要となるのが「フィードバック」です。
学術研究によると、当たり前の話だが
フィードバック効果を高める上で重要なのは、
フィードバックした人とされた人との関係性。
上司との関係性が良好であれば
部下は自らフィードバックを求める傾向もあるそうだ。
一方、関係が悪いと
学習活動が抑制され、
相手が改善しようとする気が起きない。
つまりフィードバックが無意味になるということ。
またフィードバックする人が持つ「暗黙の知能観」も
フィードバック効果に大きな影響を与えるそうだ。
「暗黙の知能観」には大きく2つ。
A:固定理論
人の能力は固定的で変わらない
B:増大理論
人の能力は努力によって伸ばせる
AとBのどちらの知能観を持っているかにより、
考課面談の方法も変わってくるでしょう。
Aであれば「結果」を伝えることに
重きをおく。
Bであれば今後の「伸びしろの開発」に
重きを置く
少なくとも若手人材の育成を担う方は
「増大理論」を持っていてほしい。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
先日、取材に行ったA社では
年に何回か「社長と飲みニケーション」が
企画されています。
A社ではあるツールを使って
個々の行動特性の分析および結果の共有をしています。
その結果を踏まえて、
自己主張と自己表現が苦手な人が
一定数いることが分かりました。
そこでそういう人たちの特徴を考慮し、
飲みにケーションの場でも一工夫されています。
・乾杯と締めの挨拶、席はくじ引き、
・乾杯の後は自己紹介と近況報告=チェックイン 3分/人
・その後は社長に一人3つの質問(※予め各自で準備)
・チェックアウト 1分/人
その場で急遽、何か話して!と言われても、
即答に困るタイプもいます。
そのために予め参加者には、
上記の内容が伝えられています。
共通の話題があったり、
自己開示の要素があった方が、
その後に歓談もしやすいですよね。
A社ではこの飲み会を
楽しみにしている方が多いそうです。
会社で行う飲み会が
ただの飲み食いで終わってしまっていて、
もっと有意義にできないかな?
と思うことがありますよね。
一方でそんなに堅苦しくしなくても…
という声もありそうです。
せっかくの懇親の場を設けるならば、
もう少し意味にあるものしたい。
そのように思われる方は
A社のように飲みニケーションに
一工夫してみてください。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV 9月号のゲストは、
富士製薬工業の今井会長。
産婦人科領域治療薬としては、
日本トップメーカーです。
加齢と共に起こる女性の体調変化。
まだまだ日本医療は女性に
ウィルビーングに寄り添えていないことに
危機感をお持ちでした。
さて富士製薬工業様は
日本で初めて「徳」を評価制度の軸においた会社です。
徳とは「自己の最善を他者に尽くしきること」
と今井会長は定義しています。
2011年から徳目評価として社内で運用スタート。
毎年改良を繰り返しています。
他業界から「徳目評価」に関心を持ち、
お話を聞きに来る方もいらっしゃるそうです。
7つの徳目(仁・義・礼・智・信・覚悟・中庸)
19の指標に分かれています。
内容は、日本人として、
人間として大切な基本原則のような項目です。
上司だけでなく周囲のメンバーからの
他者評価を入れています。
今井会長のお話で興味深い点は、
「実績を出している社員は、
徳目評価が高いという相関関係。
それが何年も運用しているうちに見えてきた」
という点です。
短期的視点で言えば、
おそらくスキルの高い人材、経験値が高い人材が
実績を出していたのかもしれません。
しかし長期的視点に立つと
実績を出し続けるには
「徳目」が外せないということが分かってきたようです。
「昔はコンピテンシー評価などを導入してみましたが、
何かフィットしない時代がありました」
とも言われていました。
この違和感を放置しておかなかった点が
素晴らしいですね。
短期的ではなく長期的・持続的に
結果を出している人材は、
「徳目」に準じた行動をしている。
持続的成長を考える経営者は、
経営の軸に「徳」を置いてみてください。