~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~ -8ページ目

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


東京海洋大学客員教授であり、
お魚大好きなさかなクン。

テレビ等でも見る機会がありますね。

さかなクンが以前、発信していたコメントで
共感したことものがあります。


要約すると

「メジナは広い海の中で仲良く群れて泳いでいるが、
 せまい水槽に一緒に入れたら、
 1匹を仲間はずれにして攻撃し始める。
 怪我して可哀そうだから、その魚を別の水槽に入れた。
 すると、残ったメジナは別の1匹をいじめ始めた。
 助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきた。
 いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子が表れた。


 広い海の中ならこんなことはない。
 小さな世界に閉じ込めると、なぜかいじめが始まる。
 同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士なのに」



学校や職場、あらゆる組織でも
メジナと同じような現象が起きることがありますね。

狭い世界(=狭い職場)にいると、
同じ職場の人のことを「ああだ!こうだ!」と言い出す。


外部から見たら対した事ではないのに、
他人への批判や不満が止まらない。

これって狭い世界に居ることが
居心地がよく、安住しているか?とも思います。


視点や関心が組織内部しか目が向いていないと、
顧客やパートナーの支持・信頼は得られないですよね。

広い海ではメジナは、協力しあえるようです。

外的から身を守るために
仲間同士の違いを受け入れ、
一致団結しているからでしょう。


A社の人事部の方は、

「あまり暇になると、人の欠点を探すんだよね。
 他人の批判・不満を止めない人は、暇なんだよ。
 適度に忙しかったり、夢中になっているものがあれば、
 そんなことをしている時間はない」


とも言っていました。

広い海では「暇」という状態はなく、
適度に緊張感があるのかもしれません。


職員全員がどこを向いて仕事をしているのか。
狭い世界ではなく、
広い世界に目を向けているのか。


現状を確認してみましょう。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。



「楽をする=サボる
 楽をする=手を抜く」


と捉えている会社はないだろうか?


A社では経営会議の議事録を
若手社員が取っている。

会議は2Hにも及び、
2Hの発言内容のほぼ全てを記載しなければならない。

正確に文字起こしをすることが求められるらしく
ICレコーダーで録音し、聞き取れない所は後日確認。

他部署にも展開するらしく、上司もダブルチェック。
正確な議事録を作るのに8H近くかかっているようです。


タイプパフォーマンスの観点で疑問を持った
若手社員が提案しました。

「結論を明記すればいい。プラス結論に至る重要な意見だけ
 記載することで十分ではないですか?」

「議論のやりとりは、AI議事録を使って文字起こしを
 見てもらえばいい。
 ホワイドボードに書いた結論だけ写メで共有すれば
 十分ではないでしょうか?」



それの提案を聞いた上司は、賛同しませんでした。

「若手社員は議事録を取りながら、学べることもあるので
 今までのやり方を続けよう。
 楽をしようと考えてはいけない」



おそらく一部の社員が「この仕事は面倒だな」と
思ったということは、他の社員から見ても面倒な仕事です。

誰にとっても面倒な仕事ならば
「楽をする=効率化」のアイデアは
むしろ歓迎されるべきですよね。


楽をしたいと思うことは、改善の種です。
「怠け心=悪」と捉えてはいけません。


・苦労をしなければ仕事ではない

・仕事は楽をすることは考えずにコツコツやるべきだ



このような社風(=苦労することは美徳)であれば
仕事のやり方はこれからも変わらない。

しいてはDX化にも出遅れて、
若手社員の不満も積もっていくかもしれません。


楽をした方がよいことをみんなで考えて、
楽な方法を見つけたいものです。

 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


皆さんの会社では、
退職者にどのように接しているでしょうか?


会社の風土によって異なりますが、
退職者を「裏切者扱い」するような会社もあります。


本人が退職意向を伝えてから退職日まで塩対応をする

ハラスメントのような対応をしたり、
過剰な引継ぎや業務を押し付ける。

有休も消化させないようにする。


こういう会社は、
辞めてから陰で愚痴を言い続けています。

「アイツは実は使えない奴だったよな。
 どこの会社に行っても通用しない」


「アイツは自分勝手な奴だった。
 もっと会社に恩を感じていないのか…」


「辞めたアイツとは連絡を取るなよ。
 二度と口も聞くな。関係を断ち切れ」



手塩にかけて育ててきた人材が
他社に転職してしまう。

とても悔しい気持ちがあるのでしょう。
だから退職者への不満や愚痴が止まらない。


しかし残っている社員がその光景をみたら…。

彼・彼女らの不満や愚痴を
聞いていたらどう思うか…。

(もちろん重大なトラブルをして
 会社を去っていくのは別です)


退職者に冷たい対応をして
器量が小さい会社だな…と思うかもしれない。

自分も退職時には同じように
陰で愚痴られるのかな…と思うかもしれない。


残念ながらこういう会社には
「出戻り社員」はいないでしょう。


「出戻り社員」は外の会社も知っているため、
自社の価値を再認識した貴重な人材です。


私も過去に賞与支給翌月に退職を
したことがあります。

直近半年の考課はA評価でした。
しかし既に退職意向を伝えていたため、
C評価までに下げられてしまいました。

結果、C評価の賞与支給額でした。

辞める人間にお金を払いたくない。
今いる社員にお金を使いたい気持ちも
分からなくもありません。

しかしAレベルの功績を残したにも関わらず、
そこは考慮してもらえず、
がっかりした覚えがあります。


いつか生活環境が変わって、
また復職したいという声があがるかもしれない。

ビジネスパートナーとして、
一緒に仕事をするかもしれない。

お客様(ユーザー)として、
関わり続けるかもしれない。


退職者への仕打ちは、そのような可能性を
全て自ら断ち切ってしまうことになる。


世の中は思ったよりも狭い。
どこでどう繋がっているかも分からない。


裏切者ではなく「卒業生」として、
見送りたいものです。


 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


「経営者に必要なのは、
 経営学だけではない。
 心理学も知らなければ、
 上手に経営することはできない」


新卒でお世話になった会社の社長が
そのようなことを言っていました。

つまり「人間」というものを
深く理解すること。

お客様も「人間」であり、
社員も「人間」です。

人間の本質や特性を知ることが、
経営者は特に必要だということでしょう。


会社の仕組みを作る上で大事なことは、
「性弱説」に基づくこと。

そのように教わったことがあります。

つまり人は生まれながらにして、
弱い生きものである。

頑張ろう!と思っても長続きしない。
継続することが苦手である。

面倒くさいこと、手間がかかることは
後回しにする。

苦手な人とはコミュニケーションを
取りたがらない。

誰も見ていなければ、少しくらいはバレないと
ズルをしてしまうこともある。

決まったやり方があっても、
自分のやり方を優先したいと思う。


弱い生き物であるがゆえに、
様々な誘惑があります。

他者の目や体制、ルールがなければ、
誘惑に負けてしまうかもしれません。


「弱い心」であっても始められる方法はないか?

「弱い心」であっても続けられる方法はないか?

「弱い心」であってもできる方法はないか?



会社の仕組みやルールを作るときに、
優等生の観点では構築してしまいがちです。

「弱い心」を持った
「弱い人間」の観点で

今一度、見直していただくと、
改善点が見つかるかもしれません。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


先日、A社の人事部長(Y氏)の講演会に
参加する機会がありました。


A社では若い学生にアプローチするだけでなく、
外国人留学生や障害者、高齢者や主婦など
様々な層にアプローチをして
地元では採用が上手くいっている会社です。


Y氏は採用の最前線に立ち、
様々な人が働ける環境を整備しています。

また大学・専門学校にも積極的に足を運び、
学校とのパイプづくりにも努めています。


Y氏は70歳らしく、
私含めて会場のほとんどの方が、
そのエネルギッシュな姿勢に驚きました。


Y氏は冗談ぽくお話されます。

「70歳に見えないですね!とよく言われます。
 仕事柄、20代の学生さんととにかくよく話します。
 彼・彼女らから学ぶことが多いんですね。
 
 一方、引退した同年代の知人から同窓会の話も来ますが、
 あまり行かないですね。
 どうしても後ろ向きな話も多いですし。


 私自身が70歳になっても、これだけ元気でアクティブに
 動けている秘訣は、普段から若い人と接しているからです。

 彼・彼女から刺激と気づきを毎回いただいているんです」



私たちは、普段接している人から
知らず知らずのうちに、影響を受けています。


世代間ギャップを感じ、
「最近の若い人たちの考え方は理解できない」
と思って、若者と距離を置くこと。


それはシニアの方にとって、
さらに良い刺激をもらえる機会を
自ら逃しているのかもしれません。


美しくいたいのならば、
美意識の高い人と行動を共にする

純粋で元気でいたいのならば、
子供と一緒に遊ぶ。
 
若い気持ちを持ち続けたいならば、
若い人と出会い対話する


日常的にどのような人と出会うか。
私たちの思考と態度が変わっていきます。