~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~ -25ページ目

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


十方よし.TV4月号のゲストは、
ヤマヒロ株式会社の山口社長。


出光興産のトップディラーとして首都圏を中心に
35カ所のサービスステーションを展開。

2021年12月には日本経営品質賞「中小企業部門」受賞。

日本政府が2035年にガソリン車とディーゼル車の販売を
終了する方針を掲げる中、
1車検・点検、2洗車・コーティング、
3レンタカーの3グループに分けて、油外サービスを提供。



ガソリンスタンド各店舗が
置かれている市場から強みを選択。
その強みを徹底的に磨き上げることをされました。

それまではガソリンスタンドの店長が変わるたびに
力を入れるメニューが変わっていたそうです。

店長毎に得意なメニューが異なり、
店舗の経営方針が店長に依存していたと言えます。

店長が変わっても、店舗が伸ばすべき強みが特定され、
利益の40%を油外サービスが支えるまでになりました。


ガソリンの供給が減ることは避けて通れませんが、
自動車周りのサービスはまだ伸ばすことができる。

過去、自動車教習所の経営者にも
共通していることですが、
2035年という期限が設定されています。

「市場が消える日」を自ら設定しているのです。

期限が設定されているからこそ、
それまでに会社が変化し、
事業の柱をシフトしていくことが求められる。

一方で自社の市場は大丈夫だと安心している企業。

「会社は変化しなければならない!」と方針を掲げた所で、
「真剣さ」には大きな差があるようです。

危機感と変化(=チャレンジ)は相関関係にあります。

・危機感 大 → チャレンジ 大
・危機感 小 → チャレンジ 小


皆さんの会社では、危機感の共有をされていますか?

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


前回に引き続き、経営理念やクレドを
どのようなタイミングで見直しをするとよいのでしょうか。


2 既存事業の在り方が大きく変化

望む・望まないにせよ、業界内・社会の変化に
会社は対応することが必要ですね。

これは経営理念やクレドも同様です。

変わらなくていいものはなく、
変わり続けることが理念やクレドの原則ではないでしょうか。


例えばA製作所は、大手B社やC社から仕事を受けて、
売上50%がこの2社で構成されている。

近年B社やC社からの発注状況が芳しくなく、
A社も影響を受け、数年間にわたり低迷気味です。

この場合、A製作所は「下請け」というスタンスで
事業が成り立ってきたわけですが、
今後は「脱下請け」のスタンスに切り替えていきたいと考えています。

その場合、経営理念やクレドは「そのまま」ということは
あり得るのでしょうか?

受身で仕事の依頼がある。
注文書通りの物を作っていくことが
これまでは求められた。

それを大口で発注してくれたから利益が残った。

しかしこれからは、別の顧客を開拓し、
試作品であろうが、小ロットであろうが、
チャレンジしていきたい。

そう考えるならば、会社の中心に据える哲学は
変わっていくのが「自然」ではないかと思うのです。

既存事業のパラダイムを変えるならば、
必要不可欠ですね。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


私は、経営理念やクレドを制作し、
浸透させるためのお手伝いをしています。

どのようなタイミングで見直しをするとよいのか?
というご質問をいただくことがあります。


どのような時に見直すことが必要になるか。


1 経営者が変わるタイミング

経営者が変われば目指す理想像も経営方針も
変わってくるかと思います。

経営理念やクレドは法律のような位置づけですので、
なかなか変えにくい。

変えましょう!という声すれらあげにくいことも。

一般的には法律を変えるには、
それなりの国民の同意や手続きが必要ですね。


理念やクレドを制作した時とは
会社・外部環境の状況を変わっていきます。

文言を吟味すると違和感を覚えることがある。

それに気づいていながら、法律なので、
そのままにして運用しているんですね。

だから経営者から「バージョン2にしたい!」と
いう声をあげると着手しやすい。

経営者も社員も「これどうなのかな?」と
文言と考え方の不一致があると、
力を発揮できませんし、一貫性がない。

一貫性がないということは
浸透がしくいということになります。


経営者が変わるタイミングで、
経営者の心と文言が一致しているか、
嘘偽りがないか。

見直すきっかけにしてください。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


十方よし.TV2月号のゲストは、
日東物流の菅原社長です。

自社ドライバーによる重大事故をきっかけに、
事業強化のみならずコンプライアンスの徹底や
健康経営の実践に注力。

事業においても経常利益率、内部留保ともに300%近く増加させるなど、
経営改革を進め、物流業界にて注目されています。

千葉県の物流企業としては
初の「健康経営優良法人」に認定されました。


世の中はある種の「健康経営ブーム」とも感じます。
社員の健康維持に努めるために、
様々な取り組みをされている。

なかには賞を取ることが目的化している企業もあります。

日東物流は、意図的に健康経営をやっていたわけではありません。
社員の健康に目を向けることが、
事故なく業務を遂行するためには不可欠だった。


一人一人のドライバーが服薬している薬を
会社が把握しているのは、眠気などから来る事故を防ぐため。

健康診断の結果を本人に見せて終わりではなく、
個別面談をするのも社員の健康管理意識向上のため。

「最初は資金がかかることはできなかった。
 面談内でラーメンの汁を飲む量を半分にしようか?」


と提案するなど、コツコツとできることから始めたといいます。

私は仕事上、様々な業種と付き合いがありますが、
飲食業や運送業は労務的なコンプライアンスが
整備されていない中小企業が多数存在します。

社会保険は未加入、
残業時間も膨れ上がったまま。
サービス残業の常態化でさえある。

「うちの業界はまだまだコンプラインアスが守られていない。
 他企業もまだやっていない」


それを理由に着手をしない経営者もいます。

うちの業界ではまだやっていない。
だから業界内に人が来なくなってしまう。
業界内だけで人の取り合いをしているわけではありませんね。

基本的なコンプライアンスを守り、
その上で社員の健康面まで目を行き届かせる。
そこまでできるできる企業は少数です。

「健康経営の一環で、福利厚生を充実させる。
 それにはお金がかかりますよね?」


と意地悪な質問を菅原社長にすると、

「だから幹部と知恵を絞っています。
 PETをやるにはいくるかかかる。
 どうやってその費用を捻出するか」



経営において「綺麗ごと」をやろうとすると
どうしても資金が必要。

その資金をどのように捻出するか。
セットで考えていきたいですね。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


前回に引き続き、
この春に昇格される方向けにお届けします。

リーダーになるには2ステップがあります。


会社からポストを与えられる。
すると公式なリーダーとして認められます。

しかしここはまだ「ステップ1」です。

部署のメンバーはまだリーダーとして認めていません。
尊敬・信頼をしていません。

新任リーダーとして
これから何を語るかではなく、
どのように行動するかを見ているんですね。


その行動を見て初めて、
部下は上司をリーダーとして認めます。

部下に認められて
初めてリーダーになれるんです。


新任係長、新任課長、新任部長…。
すべて一緒です。

会社から内示が出て認められるのがステップ1。

そしてそこからメンバーから認められて初めて、
係長、課長、部長…になることができます。

メンバーがついてこなければ、
もはやリーダーではないですね。
一プレイヤーです。



新任リーダーが陥りがちなのでは
ステップ1で安心してしまい、
ゴールになってしまうこと。

リーダーに昇格した事はゴールではなく、
リーダーとして認められるか否かのスタートなのです。