こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
皆さんは「三現主義」をご存知でしょうか。
製造業を中心に重視されてきた、
「現場」「現物」「現実」を大切にする考え方です。
たとえば Toyota Motor Corporation では、
この思想を徹底することで、
無駄を排除し、高い生産性を実現してきました。
一方で最近は、
「三現主義は時代遅れだ」
という声も聞くようになりました。
リモート環境やAI分析が進化し、
現地へ行かなくても仕事ができるようになったからです。
しかし私は、むしろ逆だと考えています。
テクノロジーが進化した今だからこそ、
三現主義はより重要になっているのではないでしょうか。
なぜなら、現代は
「現場・現物・現実を把握している“風”」
になりやすい時代だからです。
例えば「現場」。
オンライン会議の普及により、
現地へ行かなくても打ち合わせは成立します。
写真や動画も瞬時に共有される。
その結果、
“現場を見た気”になります。
しかし実際には、
画面越しで得られる情報には限界があります。
現地の空気感。
スタッフの表情。
微妙な緊張感。
設備の違和感。
匂いや温度感。
こうしたものは、
実際に足を運び、五感を使わなければ分かりません。
「映っているもの」だけが、
現場の全てではないのです。
例えば「現実」。
今はあらゆる数字が可視化され、
ダッシュボードやAI分析によって、
リアルタイムで情報が届きます。
すると人は、
「現実を正確に把握している」
と思い込みやすくなります。
しかし、データに出ない予兆もあります。
小さな違和感。
現場の疲弊感。
顧客の温度変化。
そうしたものは、
ノイズとして切り捨てられてしまうこともある。
データだけを見ていると、
むしろ現実を見失う危険すらあります。
だからこそ重要なのは、
データと現場を行き来すること。
テクノロジーで全体を把握しながら、
最後は自分の目で確かめる。
その往復によって、
判断の精度は高まっていくのだと思います。
テクノロジーの進化によって、
ビジネス環境は大きく変わりました。
しかし、その変化の中で
「三現主義は不要になった」と考えるのは早計です。
むしろ、
“見えている風”になりやすい時代だからこそ、
「現場」「現物」「現実」に立ち返る姿勢が、
これまで以上に重要になっているのではないでしょうか。