多様性 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

先日のテーマ「多様性」について、
引き続き触れたいと思います。

最近では、「多様性疲れ」という言葉も

聞かれるようになりました。

性別・人種・文化・価値観・障がいの有無・性的指向など、
さまざまな違いを尊重すること。

その重要性は広く理解されていますが、
一方で、常に異なる価値観に配慮し続けることに
負担を感じている人も少なくありません。

多様な人材が活躍できる社会は望ましいですし、
企業にとっても理想的な姿の一つでしょう。

しかし実際には、
「頭では理解していても、実務や感情が追いついていない」
という声も多く見られます。

特にダイバーシティを推進する立場にある
人事や管理部門の方々は、

掲げる理想と、現場で生じる摩擦との間で
葛藤を抱えているケースも少なくないはずです。

現場からは、

「施策が形だけに見える」
「実態と合っていない」


といった声が上がることもあり、
取り組み自体が外部向けのアピールに見えてしまう場面もあります。

多様性が“目的”になってしまうと、
現場とのズレが生じやすくなる――
これは前回も触れた通りです。

一方で、実際にうまくいっている企業を見ると、
必ずしも「多様性そのもの」を目的にしていないケースが多いと感じます。


例えば――

A社では、海外からの顧客が増えたことをきっかけに、
外国籍のスタッフを採用するようになりました。

B社では、年齢に関係なく技術力の高い人材が活躍できるよう、
定年制度を見直し、シニア人材が戦力として定着しています。

C社では、人材採用に苦戦する中で業務を分業化・簡素化し、
障がいのある方も活躍できる体制を整えました。

D社では、結婚や出産で離職してしまう女性スタッフへの対応として、
柔軟な働き方を導入し、顧客満足の向上にもつなげています。

これらの企業に共通しているのは、
「多様性ありき」で考えたのではなく、
経営や現場の課題に向き合った結果として、
多様な人材が活躍する形になっている点です。


つまり、多様性は“目的”ではなく“結果”として生まれている。

この視点が重要なのではないでしょうか。

形だけのダイバーシティ施策を増やすことよりも、
現場にとって意味のある取り組みを積み重ねていくこと。

その先にこそ、
本質的な多様性が根付いていくのだと思います。