『部下が報連相をしない理由 その4』 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。

理念浸透コンサルタントの松本です。

 

報連相ができなければ理念は浸透しません。
報連相ができていない原因の50%は上司側にあるという
お話を前回までしてきました。


今回は最終回4回目です。


なぜ報連相は、知っているのに実践されないのでしょうか。


報連相を学ぶ機会は、新入社員時の研修。
それ以来、学び直すことがないという方が大半です。
組織力向上の生命線でありながら。


皆さんは報連相をどのように教わりましたか?

社会人になったらやるべきこと。
つまり「義務」として教わっていませんか。

私たちは日常の中で、
「それは義務だからさ!」と言ってしまえば、
「それ以上あれこれ理由を聞くな!考えないでやれ!」
といったことを意味しませんか。


「義務」ではやはり腹落ちしない。
「気づき」を与えない限り。


そこで上司の方へお願いしていることが、
「気づき」があるように部下へ報連相を教えること。

具体的に言えば、部下の立場に立って、
報連相をしないことの「デメリット」や、
報連相をすることの「メリット」を伝えることです。


例えば下記のようなイメージです。

×「中間報告をするのは社会人としての基本だ!」

○「中間報告が抜けるとどうなる?
  上司の描く完成形とずれて業務が進行したら、
  納期ギリギリでやり直しになるよね。
  それまで一生懸命やってきた業務は全て白紙になる。
  そんな無駄な仕事をしたくないよね?
  バカらしくならない?あなたのモチベーションも下がるでしょ?」

×「困ったら上司へ相談するのは当たり前だ!」

○「机の前で一人で考え込み、ぼおっと悩んでいて
  解決したことってないんじゃない?
  気づいたら1時間も悶々と考えていたことがあるでしょ?
  もちろん自分で考えてもらいたいけど…。
  1時間も考え込んで何も見い出せないなら無意味。
  すぐに相談して知恵・ヒントをもらう。
  そうした方が残った時間で別の仕事へ当たれる。
  必要以上に会社に残ることもないでしょ?」


報連相は基本中の基本。
そのためか「当然」「当たり前」で教えられてきました。

人は「不快を避ける」「快を求める」という行動しかないとすれば、
部下の立場に立って「デメリット」「メリット」を丁寧に説明する。


そういったひと手間がなければ、
部下から進んで「報連相」をすることはないと思います。