『部長は○○を使って説得してはいけない!』 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

※2014年配信

 

本日はクライアント先で実際にあった事例をご紹介します。

A部長は10年前にキャリア採用として入社しました。
今の会社とは前職から取引があったようです。
以前の会社で経営者の方針に納得ができず

会社を飛び出すことに。
フラフラしている自分を拾ってくれたのが

現在の会社の松岡社長(仮名)。

A部長は松岡社長には、恩を感じており尊敬もしていました。
松岡社長の望むことを実現したいと純粋な気持ちを持っています。

しかし周囲の声を聞くと、A部長への信頼が高くありません。
部下や同僚からA部長への同じような不満が出ていました。
その不満とは…。





「社長の名前を使うこと」





管理部のA部長は、

営業部に要望しなくてならないことが生じます。
営業部は業務が増えるので、安易に首を縦に振りません。
そこでいつもA部長はとどめの一撃を発動します。


「社長が言っていますのでやってください」


管理部内でも同じことが起きていました。
新しい施策をメンバーに実行してもらないといけません。
メンバーにとっても正直面倒な施策です。
その時にA部長はまた言ってしまいます。


「社長からの指示なんでやってください」


この会社はオーナー社長が特に大きな影響力を持っています。
「社長が…」という言葉を出されてしまうと従わざるをえません。
当然従うには従うのですが納得というより説得。

彼らはA部長にこう思っていました。

「社長が…を使うのはズルくないですか?」

私は後日、このA部長に気づいてもらえるように説明しました。
するとA部長は

「そうだんたんですか?!」と驚いた様子で、
「社長が…」を連発している自覚がなかったのです。

「『社長が…』という言葉は、水戸黄門の印籠みたいなものです。
 それを見せられた瞬間に、議論は終了します。
 使う側はそれを理解していないといけないですよね」

組織運営をしていく上で、

同僚・部下を動かさないといけない時があるでしょう。

その時に「社長が」という印籠を安易に使って説得していないか。

自分だけの力で納得してもらえないから、
自分に非難の矛先が向くのが嫌だから、
社長という印籠を使っていませんか。

そういった言動が知らないうちに
周囲から信頼を落としてしまっているのです。