『“ふくや”から学ぶ理念浸透 Part1』 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

昭和23年に創業し、明太子のトップメーカーであり続ける“ふくや”。
理念浸透や人材育成の秘密を川原会長からお聞きしてきました。
→http://cst-zero.com/interview/

九州に行くとお土産として、ふくやの明太子をよく戴きます。
それだけ地元から愛されている証拠でしょう。

川原会長がこんなことを話されていました。

「業績は良いときもあるし悪い時もある。そういうもの。
 下がれば上げる努力をすればいい。でも“社風”は違う。
 一度悪くなるとなかなか元に戻らない。
 ふくやの良き“社風”が崩れていないか、
 そこに一番気を配っている」

簡略化すると、「業績>社風」ではなく「業績<社風」に注意を払うということ。

興味深いことに日本経営品賞を取られている企業のトップは、
みな同様のことを言われます。

社風とはいわば会社に流れている空気。
目に見えないため測定はしずらい。
軽視もしやすいし、変化に気づきにくいのです。

実際に10年前は「感動提供企業」と呼ばれた企業が、
今は残念な状態になっているケースがあります。

この会社の経営幹部から当時、頻繁に相談されました。

「松本さん、うちの会社の社風の変化が気になりませんか。
 今のままでは、社員の心が離れてしまうと思うのです。
 社長だけがこの変化に気づいていません」

10年経った今、この経営幹部も会社を辞めてしまい、
当時予想した通りの状態にいま現在陥っています。

これから会社が良くなるか悪くなるか、
鍵を握っているのが空気。

経営の品質に拘る会社は、例外なく空気感に拘ります。

業績だけでなく、「空気感」に拘ってみませんか?