スノーピークのミッション経営 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

『スノーピークのミッション経営』
 
先月、アウトドア用品を手掛けるスノーピークの
本社(新潟県三条市)へ行ってまいりました。
アウトドアスタイルの食事を楽しみ
(※台風のためテント宿泊は叶わず)、
山井社長の講演と焚火を囲んでの対話。
スノーピーク流の「ファンづくりの極意」を学ぶ2日間でした。
 
※当日の様子はこちら
→https://www.facebook.com/cstzero/

山井社長のお話を聞く機会は過去にもありましたが、
直接現地に行ってみると、
また違った気づきを得られるものですね。

3つの気づきをシェアします。

①C TO C
B To CではなくC TO C。
つまりスタッフ自らがユーザーであること。
基本的にアウトドアが大好きなスタッフしか入社してこない。
山井社長は「他社との違いは何ですか?」という質問をされると
困るそうです。
 
なぜならば他社をベンチマークしていないからです。
自分がアウトドアをしながら、こういうものが欲しい!、
こういうものがあると便利!という発想から、
商品開発・改良がされていく。
 
「ユーザー目線に立つ」というのがビジネスの定石。
自らがリアルなユーザーであるか、仮想のユーザーであるかは、
発想において大きな違いが出てくるでしょう。
少なくても皆さんは自社が扱うサービスや商品の
ユーザーでしょうか?
願わくば自社サービス・商品のファンでしょうか?

②リアルフィードバック
スノーピークでは、98年からユーザーと一緒に楽しむキャンプを
企画しています。今となっては全国各地で開催。
多くのユーザーと直接交流することで、
貴重な情報交換の場となっているそうです。
 
山井社長は、
「焚火を囲みながら、皆さん好きなことを言うから、
 サンドバック状態ですよ(笑)。お褒めの言葉ももらえますが、
 遠慮のないご要望・ご指摘も多々いただきます」
と言われていました。
 
製造担当スタッフも参加している。
ユーザーから直接フィードバックをもらうことが、
彼・彼女らの「やり甲斐」や「励み」になっているそうです。
 
ユーザーにアンケートを書いてもらうなどの方法を
取っている企業もありますが、
なかなか本音で書いてくれる人がいなかったり、
集まらなかったりしますね。
 
会議室でフィードバックをやると、
ただのいじめになるかもしれませんが、
焚火を囲んでの対話は、陰湿ではない空気を作れるのが
不思議です。
嬉しくもあり、辛い場でもあるのがこのイベントなのだと思います。
この場が商品開発・改善に繋がっていることは
言うまでもありません。
 
リアルフィードバックがあるから、
本当の意味でユーザー目線に立つことができるのでしょう。

③心が震える理念
スノーピークは「The Snow Peak Way」というミッションを
掲げています。
社員一人ひとりが真北の方角へ向かうため、
最も大切にしていることを見失わないためです。
 
その一文にはこのように記載されている。
「私達は、常に変化し、革新を起こし、時代の流れを変えていきます」
「私達は自らもユーザーであるという立場で考え、
 お互いが感動できるモノやサービスを提供します」
 
まさにスノーピークが今日までやってきたことです。
「ミッション経営」ですね。
 
山井社長が
「私はこのミッションを読む度に心が震えるんです。
 時には泣きそうになることも…。」
と言われていました。
 
私はその感覚が最も大事なのではないかと思います。
どちらかというと「左脳」に働きかける理念というより、
「右脳」に働きかける理念。
または「心に響いてくる理念」です。
 
理念を読むと、経営者または経営幹部の心は震えているか?
上層部が震えなければ、社員が震えることはないと思うのです。
私の感覚では、理念によって「チャージ」できるか。
理念を読むと、気合が入る、気が引き締まる、
癒される、元気なれる等。
“正しい”だけの理念では、チャージされないのです。