『経営理念が綺麗ごとにならないために…』
ある会社の理念浸透研修をしていた時のことです。
参加者のKさんが質問をされました。
「松本さん。経営理念に正しいとか間違っているとかありますか?」
なぜこのような質問が出たのでしょうか。
私は逆にKさんへ質問をしました。
「Kさんは、正しい理念、正しくない理念はあると思います?」
「私はあると思います。
この理念はずれているんじゃないかと思うことがあります。
松本さんはどう思いますか?」
「正直なところ、ある!と思います。
でも経営理念が正しいか正しくないかというより、
先に整備することがあるとは思います」
理念を浸透させることが私の専門領域ですが、
非常に困難な職場・会社が存在します。
それは「倫理観」が欠如していることです。
倫理観とは「人として守るべき規範・ルール」のことです。
具体的には、取引先との賄賂、窃盗、性別差別、虚偽申告、
セクハラ、パワハラ、社内不倫など。
これら倫理違反行為が大小あるにせよ、
社内で見過ごされているとしたら…。
こういった会社で社員の方が発した一言。
「理念浸透といった綺麗ごと言う前に、
人としてやってはいけないことを止めましょうよ。
理念を語ることはその後にしませんか?」
何の弁解もありませんね。
理念の一部にコンプライアンスを掲げている会社もあるでしょう。
でも理念と倫理は同等ではなく、
理念以前の問題である気がしてなりません。
「人としてNG」
こうなってしまったら、理念に耳を傾ける社員はいなくなるでしょう。
あなたの会社の倫理観は大丈夫ですか?