OLYMPUS OM-4
しまった!いつも修理記事の一枚目は完了したカメラ、レンズの写真を載せているのに今回は撮影するのを忘れてしまいました。
カメラはオリンパスOM-4、以前記事にしたOM-4Tiの前の機種です。
不具合は1/125以上のスピードでシャッターを切ると部分的に未露光に、裏蓋を空けてしゆっくり巻き上げていくとシャッター先幕が少しゆがんでいる。
上の写真を見てみるとフイルム枠の右側にあるシャッター幕の板が少し歪んでいるのがわかると思います。
フォーカルプレーンシャッターは縦走り、横走り(このカメラは横走り)にしても2枚のシャッター幕(羽)で露出を制御しています。
でこのオリンパスOM-4の横走りのシャッターを簡単に説明すると、うーんどう説明したらわかりやすいか...
窓枠があってそこに2本のカーテンレールがあり、そこに2枚の遮光カーテンがついているとします。これをシャッターにたとえて説明します。
2枚のカーテンはそれぞれ窓枠の幅がありシャッターがチャージされている状態では
2枚のカーテンは両方とも右側にあります。
1枚のカーテンは窓枠を完全にふさいでいる状態で、もう一枚は開いている状態で外光は完全に入らない状態です。
このふさいでいるカーテンがシャッターでゆうとシャッター先幕、開いているカーテンをシャッター後幕といいます。簡単に先幕、後幕とも言います。ここでは先幕、後幕で説明します。
シャッターを切るとまずミラーが上がりあがりきったタイミングでまず先幕が左に走り出します。それから設定したシャッタースピードのタイミングで後幕が左に走り出して露出が完了します。
シャッターを切り終わった状態は先幕は左に寄せられて開いていて、後幕は閉じられた状態で遮光しています。
でこのシャッター幕が走るスピードですが、先幕も後幕もシャッタースピードをどこに合わせても一定のスピードで走り、フイルム枠の右端から左端まで行くのに
このカメラの場合、約10msの時間がかかります1msは1ミリセコンドで、1秒は1000msになります。10msは1/100秒です。
ちょっと変に思うでしょ、シャッター幕は先幕も後幕も1/100秒のスピードなのにカメラには大抵1/1000秒や1/2000秒まで制御できるようになっていると。
1/100秒で走るシャッター幕でどうやって1/100秒以上の早いスピードの制御をしているかとゆうと先ほどのカーテンで説明すると、シャッターを切るとまず閉まっていた先幕(カーテン)が左に走り出します、でまだ先幕が右端まで行かない途中で後幕
(カーテン)が走り出します。すると窓が全開にならずに部分的に開いた状態で右から左に移動していき、最後に両方のカーテンが左端に行き遮光されます。
こうすると部分部分は1/100以上の短い時間、光が当たり露光を制御させることができます。
少し乱暴な説明になりますが、1/1000秒のシャッタースピードだと先幕が走り出した1/1000秒後に後幕を走り出せばいいわけです。
実際に露光が始まって終わるまでは1/100秒以上のシャッタースピードでは1/100秒ちょっとの時間がかかりますが、部分部分はそれよりも高速で露光されているわけです。シャッタースピードが高速になるほど先幕と後幕の幅(スリットといいます)が短く(より部分的に露光している)なるわけです。
うーん、うまく説明できたでしょうか。
シャッタースピードの精度を出すためにはシャッター幕が走る精度、後幕を走らせるタイミングを制御する精度が肝になるわけです。
でもし、何らかの理由でシャッター幕が走る精度が狂ってしまったらどうなるか。
まず先幕が遅い場合、先幕が走り出して、途中で後幕が走り出し、途中で後幕が先幕に追いついてしまいます、最初はきちんと規定どおりの幅があった隙間も徐々に狭まって最後には隙間がなくなって未露光になってしまいます。
これはシャッタースピードが速いほど症状は顕著に現れます。
逆に先幕が早い(後幕が遅い)場合は幅が走りはじめた右側から左に行くにつれてどんどん広くなり結果、右側と左側で露出が変わってしまいます。ただ、この場合は実際には画面全体が均一な明るさではありませんから気がつかないことも多いと思います。
お預かりしたこのカメラは先幕がゆがんだ状態で先幕のスピードが遅くなり、シャッタースピードが速くなるほど、左側部分が未露光になる状態でした。
まずはシャッターユニットまで分解してみねば。
修理の方針が決まったところでまずはモルトの交換を。
劣化したモルトを除去するときに内部に入り込む可能性もあるため分解する前にやります。劣化したモルトが内部に入ったとしてもこれから分解して清掃するから最初にやっちゃうわけです。
モルトの接着には注射器に入れたボンドで細かいとこに付けていきます。
この仕事をやり始めた頃に、他の作業を終えて最後にモルトを付けて納品したところ、まだボンドが乾いてないうちに裏蓋を閉めて開かなくなったことが。
上カバーをあけたところ。
OM-4Tiと比べるとコードが多い。
取り外したシャッターユニット。
シャッター先幕が歪んでいた原因はシャッター幕のリボン(紐)がプーリー(滑車)から外れていたためでした。
シャッター幕、シャッターユニット全体に磨耗やキズもあったのでシャッターユニットを交換することに。
ミラー、ファインダーがある前板側のミラー駆動部。
グリスアップして痛んでいるダンパーも交換。
雨にも負けず
私は雨の日の撮影も好きなんですが、雨の日の撮影は気をつけていてもどうしてもカメラに水滴をつけてしまいます。
デジタル、フイルムどちらも防水、防滴仕様のカメラでないとたとえわずかな水滴でも場合によっては壊れる可能性があります。
防水、防滴仕様でないカメラで雨の日に撮影するならカメラ用品で出ているカメラ用のレインジャケット等を使用して撮影したほうが良いのですがちょっとしたスナップ撮るのにそれもちょっと大げさだな、でもこの梅雨の間に雨!って写真をとりたいなと思って久しぶりに上の写真の奥に写っているニコンニコノスⅡで撮影しようかな、いや、たしかコニカ現場監督(手前に写っているカメラ)のジャンクがあった、このカメラを直して使ってみよう。
コニカ現場監督。直球なネーミングですね。
防水、防塵使用のカメラは他メーカーからも以前から発売されていましたが、どれもアウトドア志向の方をターゲットにしたカメラだったのですが、コニカからでた同じ仕様のこのカメラは仕事の記録用にターゲットを絞ったネーミングで出てきましたが、これが当たってかなり売れました。
外観カバーをはずしたところ。
単焦点カメラとしては大ぶり、中もこの時期に出ていた他の単焦点カメラと比べるとすかすか気味。でもこのゆとりのおかげで対衝撃性もありタフなカメラになっています。
このカメラ、外観は過酷な現場で使われていたためにぼろぼろ、内部も土埃がかなり入ってしまい動かなくなっていました。
防塵、防水仕様のカメラでも裏蓋にある防水、防塵のためにあるゴムリングのメンテナンスをしなかったり、土埃の舞う中でのフイルム交換等で内部に土埃が入ってしまいます。
上は前板シャッター部。
下は絞り羽根とシャッター羽根兼用の羽根。
前板の裏側。
下側にある丸いのが3つ並んでいますが、左からレンズ駆動のステッピングモーター、シャッタースピードを安定させるためのローター、シャッター羽根を駆動しているシャッターモーターです。
雨にも負けないカメラ2号、コニカ現場監督が出来上がった!













