長崎総合科学大学附属高等学校サッカー部
総監督小嶺氏の今日の説法(元国見高校監督)
「三寒四温」
君たちはこの「三寒四温」という言葉を聞いたことあるか?(ほとんどの選手が知りませんでした)
意外と知ってる人が少ないんだな。
「三寒四温」というのはな…
冬は寒波がきて、うーんと冷え込むだろ?
3日間、ものすごく冷え込んだら、その後の4日間は必ず暖かい日が続く。
「三寒四温」とはこういうことだ。
冬はこの繰り返しだと言われている。
みんなも知っている通り、日本には四季という素晴らしいものがある。
四季=春夏秋冬だな。
春が来て、夏が来て、秋が来て、今は冬が来ている。
一方、ヨーロッパ辺りは夏が来て、すぐに冬が来るんだ。
四季がないんだなぁ。
日本は、夏は暑く、秋は穏やかでしのぎやすい、冬は寒くなり、春はまた穏やかでしのぎやすくなる。
こんな環境で過ごしているから、日本人は身が詰まっていると言われるんだ。
俺が思うに人生というのは常に「三寒四温」なんだ。
君たちがサッカーをしていて、調子が悪いなという厳しい時もあるだろ?
逆に、俺は今調子がいいぞ!というときもあるだろう。
人生もこの繰り返しだと思う。
俺の教え子の中に、たんたんと試合に出ていた選手で大成した選手はいない。
「山があり、谷があり」
これが人生なんだ。
これを繰り返すことによって、人間というのは強くなるんだ。
だから、「三寒四温」みたいに、寒い日だけじゃなく、暖かい日があるからこそ強くなるんだ。
こういう環境で過ごしていない人達は、お坊っちゃまだと思う。
お金持ち、裕福な家庭で育ってきた子供たちは忍耐力がない。
こんなのはサッカーでは通用しない。
勝負事には通用しないよ。
「金持ちは、三代目で潰れる」という言葉があるが君たちは知っているかな?
君達はお金持ちはいいなぁと思うだろ?
でもな、金持ちは三代目で潰れることが多いんだな。
これには、2つ理由がある。
1つ目、1代目が一生懸命、汗水流し、寝る間も惜しんで働き、成功してお金持ちになる。
この1代目の息子、つまり2代目はこの姿をずーっと見ているんだ。
お父さんはこんなにも頑張っているんだと。
でも、1代目の孫は、1代目がどれほど頑張っていたのか知らないんだ。
だから、自分一人でこの会社を大きくしたんだと勘違いしてしまうことが多い。
それで贅沢をし、金銭感覚がなくなり、潰れていくケースが多いんだ。
2つ目は相続税の問題だ。
これは君達には難しい話だな(笑)
簡単に話すと、1代目が亡くなったとき、資産を相続するとき、多額な税金がかかる。
それでその税金が足りないから会社の土地などを売り払うんだ。(ここでは土地・家屋の相続ということで…)
2代目が亡くなったときも同じ原理。
だから資産がいつまでも残ることはないんだ。
この2つの理由がある。
俺の知り合いのところも今、2代目だけども潰れようとしている所があるんだ。
1代目の工夫を知らなかったんだ。
人生というのも「三寒四温」みたいに、寒さがあるからこそ強くなるんだ。
苦しいことがあるから強くなれる。
俺はこういうことがある。
モンスターペアレントという言葉は知っているかい?
簡単にいうと、文句ばかり言う親だな。
俺は思うんだ…
親は自分の子どもの弁護士になってはダメだとね。
自分の子どものことしか考えない。
他の人のことは考えない。
こんな親の子供は、その瞬間に子供の成長を妨げると思うんだ。
君たちの中にも、学校の先生から言われたことを、自分を正当化して親に報告する人達がいるかもしれん。
そんな人はもう成長しないよ。
俺の経験の中でも、自分の子どもの可愛さにいちいち文句をいってくる親がいたんだよ。
そんな時、俺はどうするか…
そんな選手は試合に出さないんだ。
いや、出せないんだよ。
もし、そういう親の子が試合に出て怪我でもしてみろ?
怪我したのはあんたのせいだ訴えられると考えられるよな?
自分に非がなくても色々と言い分をつけて訴えられるだろう。
だから怖いんだよ。
過保護になりすぎると子供は甘えてしまう。
親が子どもの弁護士になると、子供は成長しない。
人間は苦しいとき、ハングリーに生きるからこそ強くなれるんだ。
俺の母親の教育論、「若いときの苦労は、買ってでもせよ。」
今、苦労していれば必ず大物になると、母親からそう教えられて育ってきた。
若いときの苦労は、後からの人生において必ず役に立つ。
今、君たちはすごく苦労していると思う。
でも、これは後の人生の大きな糧となっているだろう。
人生は「三寒四温」
苦労があるからこそ、楽しいことがある。
「若いときの苦労は、買ってでもせよ。」
そうすることで成功が見えてくる。
今日の話しは終わり。
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本当にこの通りだから不思議。
しかし「知ってても出来ないと無価値」で
若い時から出来てる人は本物。
でもそんな人は、わずか一握りしかいない。
ほとんどの人が凡人だから気づくのが遅い。
気づくだけ良いのだけれど
出来れば遅くとも30代では気づきたい。
その為には失敗する事。
失敗は成功のマザーだから
失敗からしか学べない。
三寒四温。
まさに今の季節だからこそ
小嶺監督の言葉を噛み締めたい。
『良い影響を与える人間力集団となり、日本中を明るく元気にします』