まず併願についてですが、日程が被っていない自治体ならばできるだけ多く受けることをオススメします。本番の試験に慣れるためにもできるだけ多くの試験を受けて経験をつめるからです。また、複数の試験種を受ければそれだけ内定を獲るチャンスも増えます。最終的に何個か内定を持っていると、のちにどこで自分が働くかじっくり決められたりもするので、受けれる試験はたくさん受けましょう。しかし問題もあります。一つ一つの試験間隔が長ければいいのですが、間隔が短いと精神的にも体力的にもきついです。さらに、試験で使う科目が同じならまだいいのですが、その試験でしか使わない科目というものがあります。国税専門官の会計学と商法がそれにあたります。
特別区・東京都の2週間後に国立大学法人の試験があります。しかし、6月3日の裁判所事務官の試験をみてみると、そのあとに2週つづけて試験があります。2週間もあれば体力も回復し次の試験に万全の状態で臨むのはそんなに難しいことではないと思います。上の図の場合、特別区の2週間後の国立大学法人の試験では教養科目しか使わないので、戦略的にもかなり楽です。しかし、裁判所事務官の試験の次の週に国税専門官という試験があり、先ほどもいいましたが、国税専門官では会計学と商法があります。国税専門官に向けて会計学と商法をしっかり勉強してきた人は大丈夫だと思いますが、勉強してきてない人の場合は裁判所事務官の後の一週間で会計学と商法を勉強しなければなりません。これは、かなり辛いと思います。その一週間の間に会計学と商法だけやり、他の科目を勉強しなくなったりしては大変です。また国税専門官の次の週に国家一般職と試験があります。この試験では会計学と商法は使わないので、裁判所事務官と国税専門官の間で会計学と商法にだけに重点をおいていると他の択一をおろそかにしてしまっては感覚が鈍ってしまいます。
色々と書いてしまいましたが、結論をいいますと併願はできるだけしたほうがいいのですが、まず先に第一志望を決めるということです。これはTK先生(川井先生)もブログでおっしゃってたと思いますが僕もその通りだと思います。第一志望を決めると戦略が立てやすくなり、自分に必要な科目と不要な科目がはっきりします。そうすれば、併願も上手くできるのではないかと思います。
僕の場合は初めは国税専門官が第一志望だったため、会計学と商法は直前期に焦らないために前もって勉強することができました。また、専門記述もあったので、同じ専門記述がある東京都庁を併願先に選びました。書く科目は少しちがったりもしますが、書き方など基本的なことは都庁の試験までには身に付けることができました。
こういう風に来年度受験生の皆さんにも自分にあった戦略を立てて欲しいと思ってます。第一志望が決まらない人も東京都か特別区かだけは決めときましょう。これでだいぶ戦略はかわります。個人的に地元の市役所・県庁をめざしている人には特別区をおすすめします。特別区は択一の練習にもなりますし、レベルもそこまで高くないのでしっかり勉強していれば高得点も狙えます。