
巨匠ダニー・ボイルの新作。
あんまり大きく話題にってないのかな?
よくわかんないけど。
観てよかった。感動した。ダニーボイル大好き。
A.R. Rahman監修のサントラもほしいな。
エッセンシャル・キリング [DVD]/ヴィンセント・ギャロ,エマニュエル・セニエ

ギャロかっこいい。
顔演技最高。言葉なんていらない。
固くて四角い建物の谷間をすり抜けたのはうっすらと向こうの空が透けてみえる巨人。
「ああ…なんかでっけえのがいる」と気づいたガキのつぶやき。かたわらには年老いた靴磨き。その指は人の足に耳をかたむける。黄金色銀杏並木の長椅子に腰かける。紳士が目をほそめながら新聞をひろげる。数センチ角の記事を熱心に読みふける
「すいませんちよつと火を貸してもらえませんか」
「目を引く事件はありますか」
「ときどき錯覚したりはしませんか、紙面をいろどる事件の数々がどれもこれも例外なくじぶんに関するものであるとでもいうような」
「そうしてときどき想像したりはしませんか」
「いつだかの些細なあやまちが紙面のすみを控えめに埋めていたとしたら?」
営団地下鉄エドガー橋駅Al出口でみかけた生まれつき後ろ脚の片方がない猫は、すれちがう4本足を「多すぎやしないか」とふしぎそうに眺める。
折れた傘の骨にギブス
水びたしの新聞
何度も読み返す本に書かれていること
あわれなのは朽ちて穴のあいた琺瑯の看板
吹きさらしのトタン
うろつく蜜蜂
紳士は応える。
「それはたとえばどんなことか? 罪と呼べるものか? あるいはただの傷か?」
「ふむ、そのどちらもです。罪にしても傷にしても、ひとつの物事をこちら側からみるかそれともあちら側からみるか、あるのはおそらくその程度の違いです。」
「うしろめたさを痛みと呼んで差し支えなければ、そういう条件つきではあるけれど」
それにしてもとかくものが真鍮に映りがちな実りのころだ。枯葉のひしめくU字溝がひどく窮屈そうな列車にもみえる。
大人びた視点だ! 良くも悪くも。
屋上に不時着した給水塔の側面に釘でひっかいて描く鳩の足あと。
それもいい。こんなささやかなところから湧き出した水のように願いが広まっていくのなら。
あやまちというにはあまりにも拙い。
けれど、そう思うからこそさいなまれることがままある。
「よく似た人をきのう今日にみかけた」
そんな感傷の凹凸にけつまずいたくらいでおおきく揺さぶられるほうがどうかしている。
紳士は新聞を折りたたんで言う。
「それはかけがえのない時間に対する侮辱じゃあないのか?」
そのとおりだ。反論の余地なんてまるでない。
いいえと首をふる理由も特にないのに、気を持たせればそれだけで答えが赤く熟す。そうとばかりおもっていたころの話を今さらふりかえることで一体何になるだろう。
それはかつて至近距離にいた人のなごり
それでいて今とさほど変わりのないへだたり
「心中お察しいたします」とある過去からの手紙
やぶくのも手間だ
思案に暮れる
営団地下鉄エドガー橋駅Al出口でみかけた生まれつき後ろ脚の片方がない猫は、すれちがう4本足を「多すぎやしないか」とふしぎそうに眺める。
折れた傘の骨にギブス
水びたしの新聞
何度も読み返す本に書かれていること
あわれなのは朽ちて穴のあいた琺瑯の看板
吹きさらしのトタン
帰りそびれた蜜蜂