今回はセーバー病になる原因について詳細の説明をさせて頂きます!

前回の記事についてはこちらをご覧下さい!

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セーバー病になる原因

 

セーバー病の原因として多くは、発育期の踵骨骨端へアキレス腱(あるいは足底筋膜)の牽引力や運動による微小外傷が繰り返し加わる事が挙げられます。跳躍や着地などにより大きな牽引力が骨突起部に加わる事については、膝関節(脛骨)に生じるオスグッド・シュラッター病に発生機序が似ています。

図 下腿三頭筋~アキレス腱

 

具体例として、剣道などの急激な蹴り出しはふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)の強い収縮により踵へ上向きの牽引力が生じます。バスケットボールでの着地動作、ランニングでの片脚支持期(Foot strikeMid support)における衝撃吸収に関しても、下腿三頭筋が伸張されながら力を発揮(遠心性収縮)するために踵へ牽引力が生じます。加えて、ケア不足やフォームの問題によって下腿三頭筋を中心とした筋肉に硬さがあり伸張性が低下している場合には、骨に加わる牽引力が強くなり骨端症が生じやすくなります。特に小児期は、骨の成長に筋肉や腱の成長が追い付かず、何もしていなくても筋肉や腱の張りが生じすい状態です。

 

図 着地動作

 

図 蹴り出し動作

 

姿勢の影響について、骨盤が前方へ出た姿勢では真っ直ぐに立った姿勢に比べ、姿勢を保持するために下腿三頭筋からアキレス腱に加わる負荷が増し、踵にも負担が掛かります。また股関節前面の柔軟性低下(腸腰筋や大腿四頭筋)や殿部の筋力低下がみられる場合には、ランニングなど蹴り出す運動で股関節~膝関節が使いづらくなり過剰に足首を使いやすくなります。それにより運動時、余計にふくらはぎから踵へ負荷が加わる事となります。この過剰な負荷により下腿三頭筋の柔軟性が低下し、成長期特有の筋肉の柔軟性低下に加えて運動する事での柔軟性低下を招いてしまいます。

 

図 姿勢による影響

 

また、扁平足(足の土ふまずの低下)もセーバー病の原因の1つであるといわれています。土ふまずが低下している状態では着地時などに足底腱膜が伸張され、その結果として踵骨骨端への下向きの牽引力がわずかに生じます。土ふまずは13歳頃までは未発達であるとされていますが、加えて足指を曲げる筋肉など土ふまずを支持すると考えられる筋肉が弱い場合に、骨端症などの障害に繋がっていきます。

 

図 足底腱膜

 

上記の様に問題となるのは下腿三頭筋からアキレス腱の柔軟性の低下が一番大きいでしょうが、その下腿三頭筋のみをストレッチしていても根本からの改善にならないこともあることがお解りになられたでしょうか?股関節や足の柔軟性低下や筋力の低下によって下腿三頭筋への負荷量が増している可能性もあり、その場合はそれらへの介入が必要となります。

 

次回はそのセーバー病のセルフチェックポイント・予防方法についてご説明させて頂きます!!

お楽しみに!!

今回は成長期に起こりやすいスポーツ障害でも、踵に痛みがでるセーバー病についてご説明させて頂きます。

~セーバー病とは~


セーバー病は踵骨骨端症ともいい、踵骨隆起(踵後方)の骨軟骨炎あるいは骨軟骨症の1つとされています。Sever病という綴りからシーバー病とも言われており、好発年齢と性差については10歳前後の男子に多く小児期の疾患であるといえます。

症状として踵後方の痛みが主であり、圧痛や運動時痛、ときには軽い腫れが認められますが、安静時痛の訴えは稀です。この痛みは、骨を覆っている骨膜が腱などに引っ張られ炎症を生じる事で引き起こされると考えられています。



セーバー病は誘因無く生じるとされており、スポーツ種目別では、素足で行う体操や剣道、ランニングの多いサッカーやバスケットボールにおいて多い障害です。

回復については自然に治癒する事も多いとされていますが12年と長期間を要します。

障害が生じた場合には、体育や運動を控えたり、底の柔らかい靴やヒールの高めの靴を履くようにする事が治療の1つになります。


図 セーバー病のレントゲン写真


よく「踵の痛みは成長痛だからそのままにしておけば自然に治る」と言われています。


また、「成長痛だから仕方がない」ということもよく聞きます。


しかし、成長期は全員起こりますが、踵の痛みが全員出現するわけではありません。


それは成長痛は成長期に起こる骨の成長に対して筋の柔軟性が追い付いていかないことで起こる事が多く、その箇所の筋の柔軟性が確保されていれば痛みが出現しにくいということになります。


逆に1週間~2週間運動を中止しても、休んでいる間は徐々に痛みは改善しますが、運動を再開すれば筋の柔軟性は変化していないので痛みが再発してしまいます。


まずはストレッチなどを積極的に行い予防することが一番ですが、セーバー病になってしまった場合は一時的な休息(炎症によって痛みが強い時期)後に積極的にストレッチを行って筋の柔軟性を確保する必要があります。


次回はセーバー病の原因について詳しくご説明させて頂きます!

お楽しみに!!

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~アクティブレストについて~

今回のコラムは“アクティブレスト(以下,A-rest)”についてご紹介させて頂きます。

A-restは“アクティブリカバリー”とも呼ばれており,徐々にこの単語も広く周知されてきてはいるものの,まだあまり馴染みのない単語ではないでしょうか?

これは,『積極的休養』と直訳することでき,端的な意味としては身体を“敢えて”積極的に動かし,能動的に疲労回復を図る手段を指します。

以下,具体的な考え方や実際の導入方法,諸注意事項について詳述していきますので,是非最後までお読み頂ければと思います。

A-restとは?

冒頭の繰り返しとなりますが,“A-rest”とは『積極的休養』を示し,疲労回復をより効率的に図る場合は,『完全休養』よりも“敢えて”積極的に身体を動かす事で,能動的に疲労回復への働きかけを行う手段を言います。一般的に,疲労が溜まっている時こそ『完全休養』の方が効果的ではないか…と考えがちですが,A-restはその正反対の発想を持ち,スポーツ選手にとっては明らかに疲労回復が早く,メリットは大きいと考えられています。

 前回のコラム“クーリングダウンについて”でも,激しい運動の直後に突然運動を中断する事無く,ゆっくりしたペースでのジョギングから始め,酷使した筋肉へのストレッチ或いはアイシング等を順次行う事で,可及的早期の疲労回復を図りましょう!と記載させて頂きましたが,当一連行為も効果的なA-restとして位置づけられます。“クーリングダウン”も“A-rest”も共通して,“主運動と同じ運動を軽めに行う”という事が一般的な考え方であり,『脚部を多用するスポーツ=軽めのジョギング等』或いは『腕部を多用するスポーツ=軽めのキャッチボール等』という事になります。これらを踏まえ,『練習後』だけでなく,『試合間』や『試合翌日』にもA-restを有効取り入れていく事が望ましいです。

試合間にも取り入れよう!

各種スポーツ大会において,一日に複数のレースや試合を行う場合があります。特に,陸上競技やテニス等の個人競技にその例が多く,次の試合に極力“疲労を残さない”という事が重要となり,その場合は試合と試合の間の過ごし方が大事になってくる事は言うまでもないと思います。従って,第一試合を終えた後,第二試合までの間完全に身体を止めてしまうのでは無く,『主運動と同じ運動を軽めに行う』や『ストレッチを行う』等を取り入れ,可能な限りフレッシュな状態で次の試合に臨めるよう工夫しましょう!

試合翌日の過ごし方も重要!

『練習後』や『試合間』におけるA-restについて上述してきましたが,実はA-restが最も注目される場面は『試合翌日』なのです。元来,日曜日の試合を終えて翌週の日曜日に2回戦が控えている場合,その翌日の月曜日はチームとして“オフ”を取る場合がほとんどでした。しかし近年では,試合翌日に完全休養ではなく,チーム練習としてA-restを取り入れ,翌週の試合を限りなくフレッシュな状態で臨めるような考え方へ変化してきています。実際に,選手自身も『疲れが取れる』ことを実感し,A-rest即効性も有していると言われています。従って,短期的な各種競技大会において,試合翌日のA-restの導入は大変効果的であると考えられています。

A-rest実施における注意点!

A-restとは言っても,ただ“闇雲に動けば良い”という事ではありません。誤った捉え方をした場合,逆にさらなる疲労を招いてしまう可能性もあります。従って,“どのような運動”を“どのくらいの強度”で行えば良いか?が重要なポイントとなってきます。

まず大事なことは“疲労回復を図る”という事です。前回のコラムでも記載したように,血中や筋肉内に疲労物質が貯留した結果,疲労を感じる上,筋の柔軟性低下等の諸問題を惹起します。従って,まずは“有酸素運動”を取り入れ,全身の血液循環を向上させると共に,取り込んだ酸素が血中や筋内における疲労物質の除去を促進します。ここで重要なポイントは“強度”です。高強度で行った場合は,かえって更なる疲労を招くため,主観的に『楽~ややきつい』程度の強度としましょう。専門的には“カルボーネン法”に基づいて心拍数を算出し,運動強度を規定していく手段もありますが,導入の簡便性も考慮し,まずは自身の主観的な感覚を大事にしましょう。さらに“時間”も重要なポイントとなります。この“時間”については諸説ありますが,『20分~40分間』がリカバリー期において“至適時間”と考えられています。これらのポイントに留意して“有酸素運動”を行った後,酷使した各部位の軽運動,或いはストレッチ等の各種競技特性に応じた動作を取り入れていきましょう。

 さて,今回も最後までお読み頂きありがとうございました。

今回は,未だあまりの馴染みのない“アクティブレスト(A-rest)”を取り上げ,前回の“クーリングダウン”の延長として,より効果的・効率的に疲労回復を図る手段について書かせて頂きました。個人的に,“ウォーミングアップ”に比べ“クーリングダウン”については軽視されがちかな?という印象を持っています。しかし,“A-rest”を含め入念な“クーリングダウン”を行う事も,障害予防やパフォーマンスアップに繋がるのです!

当コラムが“A-rest”を含めたクーリングダウンを見直す・考え直すキッカケになる事を願っています!―『全ては成長期におけるスポーツ障害を未然に防ぐために…




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