OSDの発症要因》

 OSDの代表的な要因に関しては,主に大腿四頭筋の柔軟性低下が挙げられ,この要因が各種競技におけるキック動作やジャンプ動作,急激なストップ動作など様々なスポーツ動作時に骨膜へ牽引ストレスを加えると考えられています。しかし,これは一要因に過ぎず,姿勢の問題やスキルの問題など,種々の要因が重なり発症するケースが大多数を占めると考えられます。

好発競技であるサッカーを例に挙げると,キック動作後の骨盤後傾とOSD発症に関連性があるとの報告やボールを蹴る時の軸足と重心位置との距離が長い程発症しやすいなどの報告があります。これらの報告から,前述したような姿勢の問題や身体動作に関するスキルの部分も大きく関連している可能性が考えられます。従って,OSDの予防には筋肉の柔軟性維持・改善を図る為のストレッチだけでなく,悪い姿勢の是正やスキルの確認及び指導なども重要であると考えられます。



OSDの症状》
 主な症状としては,脛骨粗面部(スネ)の圧痛や運動時痛,そして骨性隆起です。また,しゃがみ込み動作など深く膝を曲げる事で疼痛が出現する傾向が多く,膝の屈曲制限や筋力低下を伴う事も少なくありません。尚,骨の成熟と共に症状が消失する事が多い為,一般的には軽視されがちですが,遺恨変形が強い重症例では著しいスポーツパフォーマンスの低下だけに留まらず,日常生活までも支障を来たす場合や手術に至るケースもあります。

 初期症状としては運動後にのみ痛みが出現し,その後症状が悪化すると,プレー中にも痛みを生じ,重症化すると3~6カ月程練習できない場合もあります。尚,以下の症状の内,一つでも有している方は現時点でOSDを発症している可能性が高いと考えられます。また,一つも有さない場合は,以下のセルフチェックポイントにて自身の状態を把握し,発症予防を心がけましょう。


 脛骨粗面部の圧痛,骨性隆起(4)

 
運動中もしくは運動後の脛骨粗面部の痛み

 
しゃがみ込み動作時の痛み


図4
4 OSDでみられる骨性隆起


オスグット病の基礎知識①


オスグット病のセルフチェックポイント



オスグット病のセルフコンディショニング方法


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