8月の初めに、職場の健康診断があったんですよ。
事前に「好きな検査を追加できるよ」と言われていたので、婦人科の医者から「40歳になったら絶対に乳がん検診を受けろ」と言われていたので…まだ、”挟む”勇気がなかった私は「乳房エコー」を受けてみることにした。
こんな風に挟める気がしなかったのもある
検査自体は痛くないし、検査に使うジェルも保温されていてヒヤッとする感じもなかった。
が…なんか妙に念入りに確認されているような気がしなくもない、そうこうしているうちにもともと検査メニューに入っていた腹部超音波の検査も終わり次の検査に呼ばれるのを待っていたら、いきなり検査を担当した技師さんが私のところに来て
「乳房のエコー検査の時にちょっと気になるところがあったので、ちょうど今日の午後に乳腺外来の先生が某大学病院から来るから、他の検査が必要ならそのままそっちに繋いでもらえるから診てもらいましょう」
と言われ…ひとまず検診は終わり。
その日の午後、乳腺外来で診察を受けたところ…
・左側の胸に「しこり」がある
・良性だときれいな円形になるが、私のしこりは多角形をしている
・多角形のしこりは悪性の可能性が高い
・詳しく調べるにはマンモグラフィと針を刺して調べないとダメだけど、ここでは検査できない
・ということで…とりあえずうちの病院に来い、来れるなら明日でもいいよ
なんて言われたけど、流石に翌日は無理なので翌週に予約を入れて紹介状と検査データをもらいました。
名前は聞いた事があった、知人が「外来の人がたくさん居るところに救急隊がストレッチャー押して入ってきて不安感が増した」と言っていた病院だ、実は外観はみたことあって「妙に年季の入った建物で怖いな」という印象だった。
でも、初めて行く病院だったのでどんなところか調べてみたら…その妙に年季の入った建物の病院だった。
そして、公式サイトには建物の写真が未掲載、口コミには「トイレが昭和の小学校みたい」という投稿…この投稿の意味は後に理解した。
いよいよ精密検査当日、現地に着いたらやっぱり妙に年季の入った病院だった。
本当に古いので外観を記念撮影したら、なにやら玄関に貼り紙が…「撮影禁止」とのことで写真は削除したかな?当然ネットに掲載するのもダメで、これは「きっと建物がボロボロだからだ」と勘ぐったが多分違うと思う。
一歩建物に入った途端、私の感覚は一気に45年くらい引き戻された。
私はまだ生まれていないが確かに「昭和の病院の雰囲気ってこんななんだな」という感覚はした…建物のモジュールが今どきの病院とは明らかに違う、狭いのだ。
なんとなく「古い病院だからナースはきっとワンピースの白衣にナースキャップを被って”看護婦さん”って呼ばれていたり、点滴瓶や注射器はガラス製を使ってそう…」と想像していたが、点滴瓶も注射器もディスポのプラスチック製でナースキャップなんて当然被ってない上に服はスクラブを着ている今どきの看護師だった(これが非常に似つかわしくない、雰囲気に)。
でも、トイレは本当に昭和だった…使われている衛生陶器の製造年代がガチ昭和だった、最近はJRのトイレにも設置されるようになった「ウォシュレット」もなかった、そして病院トイレなのに和式があった。
待っている間も令和なのに昭和の雰囲気の中、本当にタイムスリップしたかのような不思議な感覚が続く中まずはマンモグラフィ検査を受けに行くように言われた。
放射線科は地下とのことで決して乗り心地の良くないエレーベーターで下に降りる、呼ばれて部屋に入ると着替えるように言われ、更衣室に入ると「妊娠してませんか?」という妊婦マークが印刷された貼り紙と「マンモグラフィ装置が新しくなりました!!」という告知の貼り紙に気になる一文が
「ハローキティがお出迎えします!!」
仕事は「全部自分で選んでる!!」 キティさん談
検査装置がこれだった…日本一仕事を選ばない女、ハローキティさんである。
サンリオヲタ的には「ピンクリボンじゃなくて、検査装置とコラボするなんてキティ姐さんさすがっす!!」と思ってしまうと同時に、もっと人気の高いシナモロールやポムポムプリンでは男だからダメだったのか?同じ女子キャラのマイメロ嬢でもダメだったのか?と考えてみたりしていた。
いよいよ挟む時…思わず担当の人に「これ挟めますかね?」と聞いてしまったら「サイズは関係ありませんから!!」と返され、いざ本番。
とにかく限界まで乗せるんだけど、その時に「ガシッ!!」と掴まれるのだ…例えるなら物を掴むような感覚でいかれる、こんな扱いを受けたのは初めてだ、そして同性に胸を触られたのも初めてだ。
そして、挟むときはこれでもか?というほど、限界まで潰す…私の胸に恨みでもあるのか?と聞きたくなるほど潰される。
これを左右2回ずつ、計4回繰り返す。
物理的な痛みはもちろん、なんかこう「人間としての尊厳を傷つけられたような感覚」の方が強かった…実際にやってみた感想は「こんな感じの装置が中世の拷問器具にありそう」だった。
再び診察室のあるフロアに戻る…外来の掲示板には「がん治療」の記事のコピーがやたらペタペタと貼られていた、ボロい病院だけどがん治療に結構力を入れている模様。
そして外来担当表を見てちょっと驚いたのは、担当医の名前だけでなく肩書まで書かれていた(講師とか…)。
歯を抜いた病院は担当表には肩書まで書かれていなかったのでカルチャーショックを受けた。
そうこうしているうちに診察室に呼ばれた、ここも昭和感が強く、複数ある診察室は天井まで届かないパーテーションで仕切られ入り口はまさかのカーテン…今どきこんなところがあるのかと半ば呆れ状態に、ここまで来るとカルテも紙にドイツ語で書いてそうと思ったけど、そこはパソコンが導入されていてネイティブな日本語で記録されていた。
まずはベッドに横になり、再び超音波でしこりを確認…針生検は局所麻酔をしてから検査なのだけど、検査用のぶっとい針を見てしまった、その後また麻酔のぶっとい注射器を見てしまいなんだか怖くなってきた(針は歯医者で使うような細いやつだった)。
麻酔の注射は思っていたより痛くなかった、検査中担当医にも「初めて来たんですけど、なんか昭和な病院ですね」と言ったら「まぁ、レトロだよね」と言っていた…本当は「ボロい建物」と言いたかったがオブラートに包んだ、うっかり失言したらおっぱいの他にもっと大事なものを取られそうな気がしたのだ。
他に、最近一部の検査施設などが自費診療でやっている「無痛乳がん検診」についても聞いてみたところ「あれはまだ研究段階だから検査精度は未知数、今のところ痛いけど挟むのが一番確実」とのことだった、ちょっと興味があったのだけど数万払わなきゃだし当面は見送ろうとおもった。
その後、マンモグラフィの画像を確認…「胸ちっさ」というのが第一印象、こっちでは特に異変は見えなかった(乳腺がはっきりしすぎてた)。
先生が乳管のことをやたら「ミルク作るところ」と説明するのだけど、いや私妊娠すらしたことないからミルク作ったことないし作ることもないからと言いたいのを我慢して精密検査は終了。
そして、2週間後…いよいよ結果が出たんだけど、机の上には謎のプリントが置かれていてそれにどこの位置にしこりがあるのかやサイズを書き入れながら一言
「乳がんですね、ステージ1の早期がん」
Waht?一瞬頭が真っ白になった、がんの可能性があると言われていたけどまさか本当にガンだったとは…そのプリントは「手術の同意書」だったのだ。
私は言われるがままにサインしていた、このボロ病院に入院することが確定してしまった。
その後色々説明とかをされたけどよく覚えていない、手術は絶対するけど「胸を残すか?全部取るか?」とか手術後の治療のことを説明された、タイプとしては予後は比較的良いタイプで飲み薬はホルモン剤だけで行けるかも?とのことだった。
ガンを告知されたときのよくあるセリフ
「私、死ぬんですか?」
と思わず聞いてみたら
「死にません」
と即レスされてしまいました…まぁ、ステージ1の早期がんだしね、死なないよね。
数多ある白い巨塔の名シーンのひとつ
私も手術に不安はない、ただ…ボロい病院に入院させられる事が…ただ、無念だ。
でも、年齢的に遺伝性の可能性が高いかも?ということで遺伝子検査を受けることになりました、遺伝性乳がん卵巣がん症候群を疑われました。
アンジェリーナ・ジョリーと同じ病気(?)ね、彼女が受けたのと同じ手術をする選択肢もあると言われました(卵巣の予防的手術は日本では今のところ未認可)。
診察後、同席していた看護師の人と面談…色々話をして乳がん患者向けのノートをもらったり、付け乳首の実物を見せてもらったりしました。
というのがここまでの話…実はまだ手術法が決まってないんですよ、来週決まると思います。
…全部取るのは嫌だなぁ、入院期間伸びるし。

