「三ない運動」という言葉をご存知だろうか?
この言葉を聞いて「バイクの三ない運動 」を真っ先に連想する私はやっぱりちょっと変わっていると思う。
私は診断をされてから、これから生きていくうえで3つの「ない」を決めた。
「人と比べない」
「自分を悲観視しない」
「無理をしない」
いわば、私の中での「三ない運動」である。
まず、ひとつ目は「人と比べない」…この本の影響 はかなり強く受けていると思う。
私はこの本を読んでから「定型」という概念は完全に捨てた、そもそも人の発達に「見本」など無いとさえ考えるようになった…実際そんなものないとおばぁちゃんも言っていた。
身近な人…パートナーとか職場の人とか、病院の先生たちとかみんな「どこかしら偏っているところがある」と思うようになって来た、それぞれの偏り方や度合いが違うんだから他人と自分と比べようがないし、そもそも「比べる」という事がいかに不毛で、時間の無駄使いであるかという事に気が付いた。
「私のような特性は誰でも持っている」と気づいてからは、その人の「特性」を探すのが癖になってしまった…でも私はその特性を悪い事だとは思わないし、私の特性と似たようなところがあれば「あの人は私に似てるな」とちょっとだけその人をより身近に感じるようになることもある。
ふたつ目は「自分を悲観視しない」
当事者やその周囲の人はどうしても「出来ない事」ばかりに目が行ってしまいがちになる。
しかし、実際は苦手な事と同じくらい「得意な事」もあるのだけれど…それに気付かなかったり、ひどい時は得意なことも悪い方向に捉えてしまうこともしばしばある。
私も、一時は出来ないことや苦手な事ばかりに目が行ってしまい、自分はとことんダメなんだと追い詰めることが多かった…病院でお話ししていて「私はこんなに苦手な事や出来ないことが沢山ある」と羅列したらこんな質問をされたことがある。
「じゃあ、今度はTomokoさんが出来ることや得意な事を言ってみて」
この質問に対して、私は固まった…つまり、答えることが出来なかった。
過去に「ほとんどの発達障害本は当事者に対する”ダメ出し”ばかり」と書いた事がある…こんなの読んだら気が滅入ると立ち読み程度で済ませていた内容を自分自身に行っていたのだ。
私は少しずつ考え方を変えるようになってきた、より自分らしく生きていくためにはどうしたらいいのか?どうすれば自分の良い所を伸ばしていけるのか?秀でている部分を伸ばしていけば、足を引っ張っているところを補えるかもしれない。
おばぁちゃんも言っていた…「得意な部分を伸ばして苦手な部分を補っていくようにすると良い」と、そのためにはまず「自分自身をきちんと理解することが大事」だとも言っていた。
投薬よりもカウンセリングを重視するのは、私がきちんと「自分」を理解できるようにとの考えがあるのかもしれない。
最後は…「無理をしない」
これは発達障害の有無に関係なく、メンタルの問題を抱えるすべての人に言えることだと思う。
無理をすると、必ずどこかでバランスが崩れる…そして、一度そのバランスが崩れると元に戻るまでなに私の場合最低でも1年は要する。
やっぱり私は休職前はかなり無理をしていたと思う、それがふとしたきっかけで一気にバランスを崩したのだ。
そして、今のような状態に戻るまでに2年半要した。
復帰するときに、もう今までのペースで仕事をすることは絶対に無理だと思った。
職場としては前と同じ条件で復帰させようとしていたみたいだけど、私の方から「病院とも相談した結果、今までと同じようなペースでの復帰はダメと言われた」という事を伝え勤務時間を短くしてもらった。
復帰後はまた体調を崩さないように気を使ってはいたものの、突発的に休むとかは1日に留まったものの、何度か遅刻してしまう事もあったり週休2日で5日続けて出勤するという事がしんどくなってしまい…4月より週4日に減らしてもらった。
周囲の人からは週4日でいいの?と言われたけど「お金よりも自分の体の方が大事」だという事を話して納得してもらっている。
外部のあらゆるものが「刺激」になってしまう私の特性からすると、他の人より多くの休息や睡眠を取らないと、充分に体が休まらないのだ。
実際…週4日に減らしてもらった事によって、だいぶ気持ちに余裕が出てきた気がする。
前は週2通院になって休みの日は必ず通院日みたいな感じになってしまう事もあったけど、今は自由に使える休みの日も結構あるのでそういう日を上手く利用して息抜きを行っている。
以上…これが私の「三ない運動」です。
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