「白いおかゆ」と「(建造物としての)白い巨塔」 | 今日も、犬とベッドシェア

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おじいちゃんのパピヨンさんと暮らす、ソロ活&おひとり様人生エンジョイ中な私の雑記帳
不定期更新&長い記事多めです

21歳の頃に親知らずを抜いた 時の入院に関するエピソードです。


泣きながら行った歯医者では対応できないとのことで、東京郊外にある「某大学病院の口腔外科(知ってる人ならほぼ特定出来ますね)」にいる先生に手紙を書いてあげるから…と言われそこに行くことになりました。


そこで人生初めての入院・手術をすることになったわけです、その病院の評判というか入院生活については実は友達がここに入院したことがあるとの事で…その環境についてはかなり絶賛してました。

確かに絶賛したくなる理由は納得できました…本当に快適でした、ただ「社会から隔絶されてる感」は強かった、なんか「高い塔に幽閉されてるお姫様」の気分ってあんな感じなんだろうなって思った。


入院自体は結構暇を持て余していました、前日から入っていたのでなおさら…とりあえずパジャマに着替えてから、中の人の案内で途中で身長と体重を測定(食事の時の「ご飯の量」を決めるためだったみたい)して病棟を一周したら昼食との事。

でも、私の分は配膳なし…私のご飯は上にある食堂に行けばあると言われたので行ってみた。

私以外には誰もいなかったが、配膳係の人が窓際にあるカウンター席に案内してくれた。


実はこの時、栄養系の専門学校に行っていて同じクラスの人から「食事の写真」と「1か月の献立表」をもらって来いと頼まれていたが…うかつにも携帯を忘れた、食事の写真は自分でも撮ろうと思っていたので非常に残念。

「食事が美味しい」と聞いていたのでちょっと期待していたが本当に美味しかった、病院ごはん特有の「味が無い」ではなく「上品な味」という感じ。

ちなみに、私が初めて食べた病院ごはんは白身魚を焼いたものだった…魚の種類が知りたかったが、配膳係の人は「わからない」とのことで結局何の魚かは不明、確か「皮が赤い魚の切り身」だった。


ご飯の量は250g…結構多いなと思ったけど、意外と食べられるものだ。


「入院しているとご飯だけが楽しみ」というのは短期でも長期でも変わらないみたいだ…私が入院したような比較的近代的な病院でも「夕食は18時」というのはお約束らしい。

翌日は手術で丸1日食事無し、この日の夕食が「最後の晩餐」になるのだ。


私はここで初めて「マーボーナス(辛さ控えめ)」という料理を口にした、今まで食わず嫌いしてたのが損だと思ったくらい美味しかった…思わず「ご飯おかわりください」と言いそうになってしまった(250gは小さいどんぶり1杯くらいある)。

「白飯」はまさに万能、これぞ「日本人による日本人のための主食」というものだ…どういう意味だ?

あと環境が変わると意外といろんなものが食べられるようになるみたいで、デザートのフルーツヨーグルトも普段だったら絶対に食べないプレーンヨーグルトだったけど完食した。


病院の夜は早い…夜9時には消灯だ、しかも私は「夜9時以降はなにも口にしてはいけない」とのお達しで持ってきていた睡眠薬(昼間に中の人に「スタッフが管理する」と全て没収された)を8時50分という異様な早さの時刻に飲まされた…しかも「今、私が見てる前で飲んで」と言われた。

なんだか精神科病院みたいだ…睡眠薬だけに

当然眠れるわけがない…翌日は手術だし、極度の不眠だし、睡眠薬というのは「飲むタイミング」がかなり重要な薬なのにそれも完全無視。

私は結構遅くまで起きていた、談話室からただひたすら外を走る車の流れを見ていた。

気が付いたら眠っていたらしいけど、ほんの数時間…その前に十分昼寝をしていたから睡眠時間的には十分?

まだ日の出もしていない時間だった、同じ日に入院した人、年末から入院していた同じ部屋の人もあまり眠れなかったみたいで早朝に起きていた。


この病院、無駄に「眺望絶佳・日当たり良好」で天気が良いと富士山とか見える、1月だったから天気のいい日が続いてこの日も晴れだった。

「日の出直前の富士山は一瞬だけ『ピンク色』になる」と聞いて私はその瞬間を待っていた…白い病院から見た白い富士山は本当に一瞬ピンク色に染まり、その後空がオレンジに染まった。

この景色はここに入院しなければ一生見ることは無かっただろう。


この日は朝から食事抜き…他の人が味噌汁を飲んでいる横で、私は静脈から「水分や電解質」を飲んでいた。

普通、点滴というのは「利き手とは逆」にルートを確保するものらしいが私は違った。

血管がとても細いみたいで、どんなベテランでも私の左腕からは絶対に採血出来ない…実はこの時が「初めての点滴」でした。

私が「極度のこわがり」との事で3人でやってきました(刺す人・手伝う人・私の気をそらす人)…友達曰くこの編成は「子供に点滴する」時のフォーメーションだそうです。

一度やってみたかったんです、点滴のスタンド押しながら病院内を散歩するの…なわけでは無いが、本当にやったら「あまり病棟外をウロウロするな」と言われてしまいました、ただ外の空気が吸いたかっただけなのに。


無事に手術も終わり、まぁ抜歯したばかりだからスープとか出るのかな?と思っていたら…まさかの「常食(軟菜・全粥)☆」でした。

しかも主食が「おかゆ」になったことにより250g→300gに増量されていました。


何を思ったか「白粥=塩味」なイメージで一口…鶏頭水煮缶じゃないけど「この世の物とは思えない」ものを食べてしまった感で満たされた。


「味が無い」…もうこれ以外の表現が思いつかない。


私はその一口で完全に「食欲」から解脱した、もうこれ以上食べたくない…というか歯をいっぺんに4本も抜いておいて「食事をしろ」とは待遇的にどうかと思う。

他のおかず(卵焼き)も完全に固形物だし、結局ほとんど手を付けずに返却、そこでこう言った


「塩は置いてないんですか?」


もちろん置いてあるわけがない…中の人には「食べないと点滴するぞ」と脅され、何でも好きなもの食べていいって言われたのでその後、コンビニ(売店ではない)でプリンを買って食べた。

経過もよく、予定通りその日に退院ってことになったのだけど何かの手違いで「昼食」が用意されていた。

親が迎えに来ないと帰れないのですが、なかなか来ずに結局来たのはお昼頃…「もったいないからお昼も食べて帰りなよ」というので昼食も食べてる頃に迎えに来た。

しかもその日の昼食メニューは「ハンバーグ」。


仕方なく食べましたよ…ハンバーグ、あと付け合せの「茹で人参(グラッセなんてオシャレな物ではない)」も、おかゆはもちろん、キャベツのスープ煮は無臭な時点で手付けず。

デザートのたぶん「洋ナシの缶詰」…(たぶんなのは確信が持てないから)も食べました。


家に帰ってからはしばらくスープしか口にできませんでした…本来ならこういう食事が普通だと思った、ちなみに入院したら1㎏体重が減りました。すぐ戻ったけどね。

そして、この入院以降「おかゆ」が食べられなくなりました…最近は卵入り・塩味しっかりなら食べられるようになった。



☆「軟菜(なんさい)=やわらかいおかず」の事、普通の食事の普通のおかずは「常菜」と呼びます。

病院によって違うとは思いますが、基本的に病院ごはんは「特別食」以外は常食に準じます…主食の形態や副菜がちょっとちがったりする程度、主食が「全粥」だとおかずはほとんど一緒です。

こういうメニュー編成、専門用語的にいうと「展開食」というらしい。