中小企業様では、売り上げの推移で一喜一憂されているところが多いです。


一般に売り上げが上れば、お客様が増えているか、一件当りの取引量が増えていることにつながっているはずなので、喜んでいいことでしょう。


しかし、本来は、売り上げだけでなく、利益額や利益率も見ることをオススメします。


なぜなら、一件当りの取引量が増えれば、価格交渉があると考えるべきです。


とくに、私が以前いた業界などのBtoBの営業は、尚更です。


購買、すなわち仕入れ専門の仕事をする担当がいるケースが大半です。


前回より、1円でも安く仕入れることが役割の担当者です。


それが、社内での評価にもなります。


最近では、個人でもネットを利用して、価格比較をする人が多くなりました。


どこでも買うことができる商品は、一度でもお客様が、同業他社のほうが安いと感じたら戻ってきません。


しかし、中小企業様が価格勝負に出たら、ほとんど勝ち目がないと言い切れます。


では、その対策をどう考えれば良いのでしょうか。


それは、お客様との関係性のアップです。


要するに、お客様の選定の際に、価格よりこの関係性を優先してもらえるように、日頃から策を講じておくことです。


それを物語る良い例は、顔見知り、知人からものを買う場合に「いい値(提示の値段)」で買いませんか。


しつこく値段交渉して、人間関係が悪くなっても困る、と思いませんか。


もちろん、買って頂く側は「悪いようにはできない(べらぼうに高くは売れない)。」と思うものですが。


この関係が、商品の値段より優先する意識です。


この営業から、この会社と取引をしなければ、自分(自社)にとって損になる、と思ってもらうことです。


例えば、困ったときに助けてもらえる、という意識を植え付ける事柄です。


面倒見(アフターフォロー)が良い。


自分が求めているものを知ってもらえている(分かってもらえている)。


ここ(この人)なら間違いがない。


代表的なもので、他にもあるはずです。


こんな言葉をもらえる、感じてもらえるようにすることで、値引き合戦に巻き込まれないようにできます。


それが、利益率を上げる、維持することにつながります。


中小企業の経営者様、この年末年始の休みを利用して、一度、利益率を点検してみてはいかがですか。


可能なら、主力商品か、カテゴリー、営業毎に調べると、必ず何か分かるものが出てくるはずです。






貴社の気付いていない強み、弱みを発見します。ぜひ、お気軽にご相談下さい。
また、三菱自動車のリコール隠しのニュースが出ました。


2000年代になって、大手、中小に関わらず、この手のニュースが頻繁に流れ出しました。


ある会社では社名が変わったり、中には、今は存在しない会社もあります。


なぜ、2000年代に入って、増えてきたのでしょう。


ひとつは、技術が高度化したことです。


もうひとつは、社内分業化されたことに起因していると考えられます。


私は、30年間、工場の自動化設備関係の営業をしてきましたが、自分で処理ができなかったクレームが、ひとつもないのが自慢です。


というか、どんな小さなクレームでも、原因を明らかにせず対策を立てずに放置したことがありません。


中には、電源のコンセントが刺さっていなかったなんてケースもありました。


そんな時も、社内に電源ランプをつけることを要望しました。


しかし、中には専門的で、すぐには判らないものもあります。


最初に扱ったセンサは、制御という電気系で目に見えないものです。


性能がカタログどおりに出ない、というクレームも多々ありました。


次に扱ったロボットは、モーターや制御という電気系に加え、メカ剛性などの機械系の要素が入ったクレームが加わりました。


クレームが再現しないなら再現するまで、とことん、いじわるな動作試験をしました。


時には、3日3晩、生産ラインに張り付き、徹夜したこともありました。


私は、技術屋ではありませんが、自分で理解できなければ理解し納得できるまで技術に回答を求めました。


社長に、このままでは「この会社は潰れる」と社長に進言したことも何度かあります。


おかげで、始末書を何度も書かされましたが。


ここで、留意しなければならないことは、当初は小さなクレームでも、いずれ大きくなる、ということです。


とにかく、クレームが発生したなら、徹底的に根本原因を追究しなければなりません。


センサが機能せず、生産ラインを長期に止めたり、ロボットが暴走して人命を危険にさらすこともありえます。


万が一にも、そんなことがあれば、莫大な賠償金が発生します。


私が勤めた2社の中小企業は、すぐにふっとんでしまいます。


保険を掛けているから問題ない、と安易に考えられている人がいるなら、大きな間違いです。


クレームは、瞬く間に広がり、市場からの信用がなくなります。


信用が無くなれば、実績を重んじる日本の市場では採用してもらえません。


だから、会社の代表である営業が、クレームを解決するまで、最後まで責任を持たなければならないのです。


技術が、上長が、経営幹部が、その上のトップが、クレームを長引かせたり、放置していたなら、営業が、社内に警告を発することが責務なのです。


そして、自社商品の構造、原理、性能に精通して、納得できなければ納得できるまで原因と対策を追求しなければならないのは、当然のことです。


残念なことですが、三菱自動車というメーカーは消滅する、と確信します。


ただでさえ、日本には自動車メーカーが多すぎます。


前回は、銀行、重工、電機、化学などの三菱グループの緊急融資で、なんとか持ちこたえたようですが、もうダメでしょう。


私が若い頃は、三菱グループは超優良企業だったはずなのに、一体どうしたのでしょうか。


つい最近、三菱電機が防衛省に過大請求して500億の返還を求められている記事が出たばかりなのに、たて続けです。


やはり、末端の社員だけでなく経営幹部に、つぶれないという慢心があったのではないかと思います。


現に、今日のニュースでの三菱自動車の社長の「~あったのかもしれない。」というニュアンスのコメントが、それを表わしていました。


それは、三菱に限らず、今まで優良企業と言われていた企業全般に言えることだと思います。


自分の会社が無くなるという危機感を持っていない社員が多すぎると思いませんか。





クレームに対する営業の心構え、対処法、社内体制構築のご依頼は、弊社までどうぞ。
前回は、どんな業界でも、ロールプレイングが有効であることを述べました。


とくに、提案を受けるお客様の気持ちが解るという点で、どの業界でも行うべきです。


進め方が分からなければ、お気軽にご相談下さい。


さて、ロールプレイングは、「話し方」の練習ではないことは追加で述べましたが、お客様に説明する時に、口すなわち話法に頼ってはいけません。


対面するお客様の納得をしてもらえるツール(カタログにない資料)が必要です。


中小企業様の中には、カタログも使わない営業の方を、たまに見かけますが、そんなことは論外です。


商品があるなら現物を、機能や動作を確認してもらうなら動かせる準備を、大きくて持ち運べないなら、写真や画像を、競合他社との比較なら性能データーを用意しなければなりません。


私が見てきた多くの営業の内、ほとんど自分から話さない営業が業績を上げ続けている人を、何人も見てきました。


資料に頼りすぎるのも問題ですが、お客様にとって聞きたいことに正確に応えることができれば良いのです。


それも、口ではなく、商品そのもので、そして裏づけとなる資料で説明してもらえれば、後はお客様が判断します。


カタログだけという営業も非常に多いのですが、カタログに書いてある事は、お客様が読めば分かります。


扱うものが商品でなければ、そのサービスや提案する事例を、書面など目に訴えるものが必要です。


それも、ロープレイングを実施して頂ければ、お客様の気持ちが解ると思いますので、ぜひ、ロールプレイング時に、現物や資料を併せて、行ってみて下さい。





必要な資料やアプローチブックの作成をお手伝いします。お気軽にご依頼下さい。


先ほど、ロールプレイングが有効なことをお話しました。


ロールプレイングを「話法」の練習と間違えて捉えている方もいるのではないでしょうか。


実は、そうではありません。


ロールプレイングは、お客様の考え方によって、お客様に合わせた提案の仕方ができる能力を身につけるものです。


しかし、提案の仕方を「話法」とばかりと捉えると、相手の本音が聞くことができません。


ロールプレイングは、お客様の心理の変化を感じるものです。


ということは、お客様の話すことを、素直に聞くことが重要です。


お客様が話している時に、次に何を話そう、と考えていたら、お客様の言っていることが耳に入ってきません。


頭を空っぽにして、お客様の話すことに集中して、「何を言いたいのだろう」と耳をダンボにして聞かなければなりません。


ロールプレイングは、その訓練でもあるということを、念のため付け足しておきます。



ロールプレイング研修について、お気軽にご相談下さい。
中小の多くの会社をお邪魔していますが、ロールプレイングをやっている会社を、あまり見かけません。


多くの会社では、ロールプレイングをご存じない、もしくは必要性を感じておられないのかもしれません。


それとも、ロールプレイングを、詐欺の会社がやるものと、いかにも悪いことのように捉えているのかもしれません。


確かに、詐欺商法のいかがわしい会社では、ロールプレイングを徹底してやっていると思います。


なぜなら、ロールプレイングこそ、お客様の立場になって、お客様が感じる気持ちの変化が分かるものです。


詐欺商法の会社こそ、お客様の心理を掴めなければ騙すことなどできるはずがありませんから。


しかし、一般のまともな会社でも、お客様の心理を掴まなければ、喜んで頂ける提案ができません。


そういった意味で、普通の会社でも、ロールプレイングは、業績を上げるために有効な手段です。


ロールプレイングは、お客様役がうまいかへたかで、営業レベルが飛躍的に変わります。


まずは、業績を上げている社員(先輩でも上長でも良いです)が営業になって、業績が芳しくない社員がお客様になって行ってみて下さい。


前提は、お客様役の社員に、本当のお客様になって、話の流れで買う気になったら買っても良いし、買う気にならなかったら買わなくて良い、と自然体で行うことを摺り合わせして始めて下さい。


そして、ロールプレイングが終ってから、お客様役の社員に、「ロールプレイング中、気持ちの変化が、どうだったか」尋ねて下さい。


次に、業績を上げている社員に、こんなお客様が実在するか、尋ねて下さい。


商談のプロセスの段階にもよりますが、一般に、初期の面談では、お客様が警戒心を持って聞く事が分かります。


また、営業役の業績を上げている社員に、こんなお客様が実在しているなら、どんな言葉で警戒心を和らげるか、というヒントを明かしてもらいます。


次に、攻守交替です。


業績が芳しくない(一般には経験の浅い)社員が営業役を、業績の上っている社員にお客様役をやってもらいます。


今度は、お客様役の社員に自分が経験した色んなタイプのお客様を演じてもらいます。


一番難しいお客:ブスッとして表情も変えずしゃべらないお客様


もしかして、さらに難しいお客様:提案すること全てに、否定、反論してくるお客様


一般的なお客様:不明慮な説明や疑問に質問するお客様


良いお客様:(条件は、正確である事)提案した内容に、すべて相槌を打って賛同してくれるお客様


どのタイプも、繰り返し行います。


たまには、やはり攻守を変えて、業績の良い社員が営業役を、業績の芳しくない社員がお客様役をしても良いでしょう。


この場合はお客様役が下手だと、普通ではありえない(お客様ではない)リアクションが返ってくる場合がありますので、その点の留意が必要です。


しかし、業績の良い社員の営業を学ぶことができるメリットがありますので、たまには実施することをオススメします。


ロープレイングを繰り返すことで、お客様の気持ちが分かることがお解かり頂けたと思います。


どんな業界でも、営業を育成する有効な手段だと言い切れます。


ぜひ、貴社でも取り入れてはいかがですか。







貴社の業種に即したロールプレイングの手順書を作成いたします。ぜひ、お気軽にお問合せ下さい。