「見下された」と思った瞬間、心の中ではなにが起きているのか

こんにちは。公認心理師の上土井好子です。

人と比べても仕方ないよってよく言われていますよね。

でも人と全く比べない人ってほとんどいないと思います。

やっぱり無意識に比べちゃうもんです。

だから人と比べないようにしないといけないと思うとしんどくなります。

だってそう出来ない自分を自覚することが増えるから。

人と比べたとき、自分が劣っていたとしてもスルー出来るときと、
ものすごく落ち込むときがあります。

ちょっと凹むだけならかわいいものですが、
自分は全然ダメだ、生きてる価値なんてない、こんな自分なんて最低だ、なんて全否定しちゃうときがありませんか？

これは劣等コンプレックスといいます。

自分のある特定の劣等感が刺激されている状態です。

同じように、ある特定の劣等感が刺激されたとき、
自分ではそれを受け入れたくない、人にはそれに気づかれたくないという心理が働くこともあります。

そして自分を優れた人間だと見せるために、虚栄を張ってしまいます。

これを優劣コンプレックスといいます。

一見すると真逆な感じもしますよね。

でも根っこは一緒なんです。

それは「どちらが上か下か、上でなければいけない、下だと価値がない」というところです。

最初に話したように、人と比べたとき、自分が劣っていても全然スルーできるところもあります。

不思議ですよね。

人は自分が無意識に固着しているところはどこかにあります。

大なり小なり、ほとんどの人はあるのではないでしょうか。

特定のことでいつも落ち込んでいないか、
どこか特定のところで虚勢を張っていないか、
振り返ってみてみると、どこに固着が出てきているかわかります。

この無意識の固着を調べる方法がもうひとつあります。

「見下された」と思う瞬間ってないですか？

他者から見ると、そんな風に言ってないんじゃない？と見えることでも、
執拗に「見下された」と感じてしまいます。

相手のちょっとした態度や言葉尻を逃さず、瞬時に反応します。

これって何が起きているかというと、
自分で自分を「見下している」ところを自分で確認し証明しているんです。

自分で自分の尊厳を貶めています。

そこに早く気づいてほしいと思います。

自己肯定感を高めましょうとよく言われていますが、
自分を肯定するというのは、自分を優れている、よく頑張っていると褒め称えるものではありません。

どんな自分であっても、今の自分はそういう人間であるということ。

そしてどんな自分であっても、自分は自分を見捨てないということ。

自分で自分の尊厳を傷つけているなら、それをしないということです。

ヘンテコなプライドを粉砕すると、心も楽になると思います。

煮詰まったときは、一度カウンセリングを受けてみることをおすすめします。
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