食品や環境中の化学物質と子どもの健康 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・食品や環境中の化学物質と子どもの健康
かくたこども&アレルギークリニック院長 角田和彦
角田先生は、仙台のアレルギー
クリニックで患者さんを診ておられると同時に、長年、厚生労働省の「微量化学物質によるシックハウス症候群の病態解明、診断、治療対策に関する研究」でもご活躍です。
今回のご講演では、最近数十年間の研究結果より得られた数々の大切な知見をご紹介いただきました。

内容が多岐にわたり、講演スライドが150枚を超えたため、本紙面ではその一部分のみを紹介させていただきます。

当会議のホームページに全スライドを掲載しています。

また、角田先生のホームページ「アレルギーっ子の生活*1」にも詳しい情報があります。
環境中の化学物質はアレルギーやアトピーに関わる2019年7月の総会記念講演でもお話ししましたが、アレルギーや花粉症は、化学物質が体内に入らないようにするため起こる体の防衛反応のひとつです。

ですから、体内の化学物質が減ると、体もアレルギーやアトピー性皮膚炎を起こす必要がなくなります。花粉症についても、きれいな空気の場所では花粉症の原因となる杉の木があっても花粉症は起こりません。

しかし、汚い空気のところでは、花粉に化学物質がたくさんくっつき、それを避けようとしてアレルギーや花粉症が起こるのです。化学物質をいっぱい浴びると、幼い子どもはゼーゼーと喘息のようになりますが、10歳以上の子どもでは神経系をやられることが多いです。

花粉症が治りにくい場合は、化学物質は部屋のホコリにも積もりますので、まず家の掃除をしましょう。


シックスクールの子どもと起立性調節障害
 子どもは正常の状態ならば、脳の血流がうまく調節されていますので、トルエンなど有毒なガスを吸入した後も、座位でも起立時でも脳血流は一定に保たれて変化しません。
しかし、化学物質を多く浴びて敏感になったシックスクール症候群の子どもは、有毒ガス吸入後には脳血流の下がり方が大きく、起立性調節障害の症状が現れます。

シックハウス症候群の子ども13例を見ても、13例中11例(85%)で起立試験の結果が悪化しました。

その結果、体の恒常性を保つ機能調節が、化学物質を浴びることで悪化することわかりました。
また、脳の血流量の測定をしてみてわかったのは、私たちの健康を維持するためには、脳は血流量をその時々の状況に合わせて調節することが大切ですが、有機リン系や有機塩素系の化学物質を浴びると、脳内血流調節の機能が障害される可能性があるということです。

こうした2000年以降のシックハウス症候群の病態解明、診断治療法に関する研究の結果が、学校環境衛生の基準改定や建築基準法改正につながりました。