ダイオキシンを食したカネミ油症被害者に学ぶ | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議

・ニュースレター第117号 

ダイオキシンを食したカネミ油症被害者に学ぶ
カネミ油症被害者支援センター共同代表 佐藤禮子
日本には、50年前に北九州を中心に起きたカネミ油症事件により、直接 PCB・ダイオキシンを食した被害者が15000人くらい居られます。

そしてその被害は今も子ども達、孫達世代にも影響しているのです。

それなのに「こんな極端な事件からダイオキシンの危険性を云々言うことはない」「ダイオキシンなんて怖くない」と言う無責任な発言が存在することは許せません。

科学者(?)には、被害者の実態に学び、微量のダイオキシン汚染も軽視しない誠実で謙虚な研究をしてほしいと思います。
地球環境の汚染は子宮内汚染
 産むという身体感覚の乏しい男性中心の長く続いた社会構造の厚い壁の中、20年前に158人もの女性弁護士さんたちが、健やかな「いのち」の持続可能な共生社会を目指して「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」を設立され、現在も頑張って運動されている事に敬意と感謝を覚えます。
 日本は、カネミ油症事件に学び、世界に向け、率先してダイオキシン規制を強化する使命があるにも拘わらず、未だに規制値は甘く、食品規制も行っていません。

国民会議の代表を務められた立川涼氏の研究成果によって警告されたダイオキシンの排出源であるごみ焼却場は減らず、日本は未だに焼却大国のままです。

測定もお粗末です。

オリンピックを目前に東京23区はプラスチックごみも燃やしているのです。
 

「性と生殖の健康と権利、リプロダクティブ・ヘルス / ライツ」の訴え
 母性を備えた女性たちは、自らの生物としての宿命として、医学が進歩した現在でも、胎盤や母乳によって有害化学物質を次世代に譲り渡すのです。

母としての私を悲しませたこと、皆に知ってもらいたいことは、出産により胎盤や母乳を通して母体の有害化学物質が子に譲られる結果、母体の体内毒物は薄まるという、望むはずのない害毒の先送りという反倫理的な帰結です。
有害化学物質が胎盤や母乳で次世代に移行した結果、さまざまな影響が出ています。
 賢明な先人たちは、その現実に気付き、国連では人権規約や女性差別撤廃条約に、また国内でも男女共同参画基本法の中に、「リプロダクティブ・ヘルス / ライツ」という言葉を明記しました。
それにも拘わらず、日本の現在の男性中心社会では、経済開発が優先され、ほぼすべての分野で、女性の人権・母性に係る相互理解のための対話が十分に行なわれず、お題目のみの社会が進行しています。
カネミ油症の女性被害者たちの50年間にわたる涙と憤りと不安の人生は、明らかにリプロダクティブ・ヘルス / ライツの侵害の結果です。

次世代の子どもたちへの人権侵害でもあります。

その現実を知り、20年間、支援者として、憤りや不安を共有し、80歳を迎えた今、4人の子どもの親として、この現実を無視してこの世を去ることは出来ないとの思いで、新たな視点からの訴訟を呼び掛けています。

きっとこの情報を読まれる皆さまは、持続可能な健やかな「いのち」への連帯に向け、女性たちの出番に、理解と共感と支援を下さると信じ、未来に希望を託します。