「香り」に苦しむ人たち レストラン休止も~増える化学物質過敏症 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

https://kachimai.jp/article/index.php?no=20191259256
「香り」に苦しむ人たち レストラン休止も~増える化学物質過敏症(1)2019/12/07 12:05


 「まだまだみなさんの笑顔にお会いしたかったです」。

1日、帯広市内の1軒のレストランが営業を休止した。

原因は「化学物質過敏症(CS)」。店主の家族が来店者の衣服に付いた「芳香」で体調不良となり、営業が困難になった末の苦渋の決断だった。洗剤や柔軟剤などに香り付きの商品が増える中、他人からの香りで苦しむ「香害(こうがい)」を訴える人が全国的に増えている。
(デジタル編集部=塩原真) 

●化学物質過敏症について読者アンケート結果=https://kachimai.jp/article/index.php?no=2019121984144

◆気になる「臭い」
 1日夕、帯広市内のカフェレストラン「ペニーレーン」(西21南5、田頭淳一代表)が静かに店舗を閉じた。「ご理解、ご賛同をいただいた方には大変心を痛めます。

~(中略)~なんとか、なんとかできないものだろうかと考えています」。店頭に出された看板には、悲痛な言葉が並んだ。

 田頭代表と共に店を切り盛りしていた妻の照美さん(64)が化学物質過敏症と思われる症状に悩まされ始めたのは2015年ごろ。最初は来店客が身に付ける衣類の柔軟剤などの「臭い」が気になる程度だったが、しだいに体調が悪化していった。


◆入店を拒否
 CSは、柔軟剤や化粧品に含まれる香料など、化学物質が原因で体調不良を引き起こす症状。ひどくなると微量の化学物質でも体に変調をきたし、頭痛やめまい、吐き気などさまざまな症状を引き起こす。

発症には個人差があり、同じ環境にいても発症する人としない人がいる。

 照美さんの場合、やがてせきや呼吸困難、体に力が入らず立っていられないなど症状が悪化していった。

18年冬には店内に「大切なお願い」として、香り付きの洗剤などの使用に注意を呼びかける紙を食事テーブルに置いた。

常連客らは対応してくれたが、その他の客にまで広げることは難しく、対応してもらえたのはごく一部だった。

◆再出発へ 
 「入店お断りします」。

今年5月には香りの強い人の入店を断る大きな紙を入り口に貼り出した。香りの強い人は入店した後でも「お引き取り」をお願いした。

サービス業としては苦渋の決断だったが、店を続けるためにはこうするしかなかった。

 しかし、客への呼びかけも限界があり、今回、店舗の「一時休止」に踏み切った。

「精神的にも疲労し、『もう太刀打ちできない。一生が狂ってしまう』と考えた」と照美さんは話す。当初は「閉店」も考えたが、今後は増加しているCSの人でも安心して利用できるお店として再出発しようとしている。